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失敗しない「集患戦略」に欠かせないシンプルな視点とは-GHC病院経営データ分析塾(4)

2017.10.24.(火)

 グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は10月17日、「病院ダッシュボードで学ぶ、GHC病院経営データ分析塾~集患編~」を開催しました。

 今回は、病院の経営課題を知る分析の基礎を学ぶためのテーマ別説明会(全6回)の4回目。「集患」をテーマに、GHCアソシエイトマネジャーの八木保が、必要な基礎知識を解説するとともに、次世代型経営支援ツール「病院ダッシュボード」を用いたワークショップなどを行いました。

 八木は、多くの急性期病院が重症患者割合の向上対策などで平均在院日数が短縮し、病床稼働率が低下する傾向にあることを踏まえて、急性期病院における集患戦略の必要性が今まで以上に高まっているという問題意識を示した上で、集患に必要な視点を解説しました。

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入職・異動間もない病院職員向け勉強会

 「病院ダッシュボードで学ぶ、GHC病院経営データ分析塾」は、入職・異動間もない医事課、経営企画(戦略室)、診療情報管理室、診療部門・技術部門で実際にデータを扱う病院職員に向けて、医療情報分析の基礎を学ぶための勉強会。約半年で、経営改善に欠かせない知識を身に付け、使えるデータ分析資料を作成できるようになることが目的です(開催予定は以下の通り)。12月開催の最終回まで、満員御礼となっている非常に注目度の高い勉強会です。

【日程・テーマ】

<前半>
 5月26日(金)DPC基礎(満員御礼)
 6月20日(火)看護必要度精度向上(満員御礼)
 6月27日(火)DPC基礎(満員御礼)
 7月18日(火)パス改善(満員御礼)

<後半>
 8月22日(火)パス改善(満員御礼)
 10月17日(火)集患(満員御礼)
 11月28日(火)チーム医療(満員御礼)
 12月19日(火)外来・手術室改善(満員御礼)
  ※講師は変更になる可能性がございます

 今回の「集患」では、以下の3つに目的を設定し、八木の講演と参加者のワークショップを交えながら進めました。

  1. 集患戦略のフレームワークを理解する
  2. ダッシュボードを使って自病院と地域の状況を分析する
  3. 他病院の取り組みを知る

集患対策の必要性を再確認

 救急・紹介率を上げる方法について講師の八木は、「なぜ集患が必要なのか?」というスタートラインから解説し、急性期病院が集患すべき疾患、目指すべき外来医療の役割分担を確認した上で、集患戦略の視点を紹介しました。

 昨今、多くの病院は稼働率の維持が厳しい状況にあります。理由として、下記3つが挙げられます。

  1. 在院日数短縮
  2. 看護必要度の重症度維持
  3. 2018年診療報酬改定

 そのため病院は多種多様な環境に置かれていますが、稼働率向上のため集患対策が必要なことはどの病院にも共通して言えます。

 最近では、急性期病院は地域医療の中心的役割を担うことが求められています。その最も進んだ形が「地域医療支援病院」です。地域医療支援病院は地域医療を支える病院として相応しい体制・設備等を有する病院が承認を受け、機能評価係数Ⅰでも評価されています。

 集患対策は、病院の急性期らしさを高めるとともに、地域医療への貢献と稼働率維持といった経営的メリットを両立させることに繋がります。

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救急・紹介率を上げる方法を事例から学ぶ

 集患にはいくつかのステップがありますが、八木は「集患のテーマは、救急患者を増やすか、予定入院を増やすかである」と言っています。分析塾では、まずは集患戦略の視点について、救急であれば応受率向上、予定入院であれば開業医との連携を強化、そのうえでエリアを拡大する、と集患戦略の考え方と進め方を解説しました。さらに、救急体制の違いなどについてテーブルごとにワークショップを行い、各テーブルの良い点を共有しました。

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<ワークショップ>

  • 救急体制の違いとメリット・デメリットの共有
  • 開業医との連携チェックリストに沿った事例共有
  • 前方連携に対する取り組みについての事例共有

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「稼働率維持が厳しい状況で、なぜ救急患者を受け入れることができないのか」
「他科のベッドは空いていなかっただろうか」
「来院何時間で入院させられるか」
「断った理由は何だっただろうか」
「紹介医師への報告内容は適切か、患者の逝去を確実に知らせる仕組みはあるか」

 ワークショップでは、こうした一つひとつの要因ついて活発な議論が行われました。参加者同士で救急隊や開業医からのヒアリング結果を踏まえて各病院が実践している良い具体策を共有し、最後に八木がコンサルタントとしてのノウハウを踏まえてポイントを総括しました。

効率的な集患方法を見つける万能ツール

 ワークの合間には、「病院ダッシュボード」で収益性の視点で集患するターゲット疾患を選定する分析方法や、来院患者のエリア分析・マーケット分析の方法について解説。八木は「効率よく集患対策を行ってほしい」と締めくくりました。

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 今回の「病院ダッシュボードで学ぶ、GHC病院経営データ分析塾~集患編~」は、ワークと分析の両軸から集患について具体的に考える会となり、「ターゲット疾患の絞り方が分かった」「他院の取り組みを自院でも検討したい」との感想をいただきました。

連載◆GHC病院経営データ分析塾
(1)「森を見て木を見る」が経営を改善する分析の基本
(2)看護必要度のデータ精度向上は、基本押さえ多職種連携で
(3)成功するパス改善8つのポイント
(4)失敗しない「集患戦略」に欠かせないシンプルな視点とは
(5)チーム医療(加算算定率アップ)を学ぶ(11月公開予定)
(6)外来・手術室の改善学ぶ(12月公開予定)

解説を担当したコンサルタント 八木 保(やぎ・たもつ)

yagi 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門アソシエイトマネジャー。理学療法士、中小企業診断士。
名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻卒業。大手商社にてヘルスケア業界におけるマーケティング商品開発、中小企業のコンサルティングを経て、入社。リハビリの質と生産性向上、コスト削減、財務分析、DPC分析などを得意とする。多数の医療機関のコンサルティングを行うとともに、社内のCS向上チームや社外のCQI(Cancer Quality Initiative)研究会のサポートなどでも精力的に活動する(諏訪中央病院の事例紹介はこちら、津島市民病院の事例紹介はこちら)。