自治体病院改革、新ガイドラインを年度内に公表へ―総務省、財政支援の規模を「稼働病床数」で判断
2015.1.22.(木)
自治体病院による効率的な医療の提供につなげようと、総務省が改革ガイドラインを近く公表することが、メディ・ウォッチの取材で明らかになりました。自治体に対する国の財政支援を決める際の判断基準の見直しなどが盛り込まれる見通しで、同省では正式なガイドラインを年度内に固めたい考えです。
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同省では、病床利用率が3年連続で70%未満だった場合、病床数の抜本的な見直しなどを求める内容の「公立病院改革ガイドライン」を2007年末に発表していて、新たなガイドラインはこれに次ぐ第2弾です。
同省によりますと、新ガイドラインには、自治体に対する国の財政支援を決める際の判断基準の見直しなどを盛り込む方向で調整中だということです。病院事業に対する一般会計からの繰り出しの負担を和らげるため、国は自治体向けに財政支援を行っています。財政支援の規模は、各自治体が運営する病院の許可病床数で判断していますが、これを稼働病床数に切り替える方向性を盛り込むことで、効率的な病院運営を促します。ガイドラインの対象期間は15-20年度を想定していて、改革プランの策定を自治体側に要請します。
政府の経済財政諮問会議が13年11月に開いた会合で、新藤義孝総務相(当時)が新ガイドラインの策定に言及していました。
07年のガイドラインは13年度に対象期間を終えていて、総務省では「引き続き改革が必要」と判断。地域ごとの医療提供体制の再編をにらんで、各都道府県が「地域医療構想」の策定に15年度から着手するのに合わせて、一層の改革を求めることにしました。