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GemMed塾 新制度シミュレーションリリース

在宅機能強化型老健、80床規模で年間65万円程度の減収見込み―検証・介護報酬改定2015(2)

2015.2.10.(火)

 メディ・ウォッチでは、6日に決着した2015年度介護報酬改定の中身を個別サービスごとに少し詳しく見ています。第2回は「介護老人保健施設」(老健施設)です。老健施設では、在宅復帰・在宅支援の機能を強化した施設で、報酬引き下げの影響が小さく収まっています。例えば、80床規模で全入所者が要介護度3と仮定すると、年間の減収額は65万円にとどまっています。

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【検証・介護報酬改定2015】

【15年度介護報酬改定答申1】重篤な身体疾患のある人が多く入所する介護療養、「療養機能強化型」として新評価(2/9掲載)
○訪問看護(2/12掲載予定)

在宅機能強化型、減収幅は小さい

 老健施設は、12年度に行われた前回の介護報酬改定で次の3類型に区分されています。

(1)強化型(在宅機能強化型)

(2)加算型(在宅復帰・在宅療養支援機能加算)

(3)通常型

 (1)の強化型と(2)の加算型の要件は下図の通りで、15年度での変更はありません。しかし、基本サービス費などの単位数は見直され、「(1)の強化型、(2)の加算型」と「(3)の通常型」との格差が広がります。厚生労働省が「老健施設は在宅復帰・在宅支援の機能を強化してほしい」と考えていることが分かります。

 従来型・多床室に入所する要介護3の人で比較してみましょう。▽介護職員処遇改善加算▽サービス提供体制強化加算▽夜勤職員配置加算▽短期集中リハビリテーション実施加算-を算定していると仮定します。

 まず(1)の強化型では、基本サービス費が現在の963単位から見直し後は948単位と、15単位引き下げられます。一方で、介護職員処遇改善加算に単位数の高い新区分が設けられるため、1日当たりだと現在の1258単位から1257単位と、1単位の引き下げにとどまります。

在宅機能強化型老健施設では、各種加算の取得によって改定後も現在と同水準の介護報酬算定が可能

在宅機能強化型老健施設では、各種加算の取得によって改定後も現在と同水準の介護報酬算定が可能

 また(2)の加算型では、基本サービス費が現在の904単位から27単位引き下げられ、877単位となります。一方、在宅復帰・在宅療養支援機能加算が21単位から27単位へ、6単位引き上げられ、介護職員処遇改善加算の新区分が創設されるため、1日当たりの単位数は、現在の1219単位から1212単位と、7単位の引き下げです。

加算型老健施設では、各種加算の算定によって、改定による報酬引き下げの影響を小さく抑えることが可能

加算型老健施設では、各種加算の算定によって、改定による報酬引き下げの影響を小さく抑えることが可能

 (3)の通常型では、基本サービス費が904単位から27単位引き下げられて877単位になります。一方、介護職員処遇改善加算の新区分が創設されたため、1日当たりの単位数は現在の1198単位から1184単位へと、14単位ダウンします。

通常型老健施設では、新設された処遇改善加算(I)を算定しても、改定による引き下げの影響を受ける

通常型老健施設では、新設された処遇改善加算(I)を算定しても、改定による引き下げの影響を受ける

 (1)の強化型と(3)の通常型の入所者1人1日当たりの格差は、現在は60単位ですが、改定後は73単位に拡大します。

 厚労省は、これらを前提に1か月当たりの収入を試算しており、強化型では1人当たり680円程度の減収となる見込みです。定員80人(稼働率100%)で、全入所者が要介護3と仮定すると、金額ベースだと1か月で5万4400円程度、1年間で65万2800円程度の減収になるとみられます。

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