Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
GemMed塾 看護モニタリング

地域医療構想や非営利ホールディングカンパニー型法人、最新情報を把握し、先を読んだ対策を-「病院ダッシュボード」ユーザー会

2015.2.27.(金)

 院内の既存データを使って自病院の診療機能を把握したり、他病院と比較したりできる次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」のユーザー会が20日、東京・新宿のGHCオフィスで開催されました。今回は、実際に「病院ダッシュボード」を活用している練馬光が丘病院と佐久医療センターから発表が行われたほか、GHCのメディ・ウォッチ編集部から最近の医療政策の動向について報告が行われました。

【関連記事】

客観的データ基に在院日数短縮と重症患者の集約化を-GHC病院ダッシュボードユーザー会
「混乱招く」と医療需要の計算方法は全国一律に、地域医療構想ガイドラインの検討大詰め
非営利ホールディングカンパニー法人の概要まとまる、医療法改正案を3月下旬までに国会提出

病院ダッシュボードの実際の活用例、病院から発表

 練馬光が丘病院は、現在、DPC準備病院で、2016年度診療報酬改定に合わせてDPC対象病院となることを目指しています。同病院・医事課の矢作武志氏は「現在は出来高請求を行っており、術前の検査を入院後に実施したり、比較的高額な薬剤を使用したりする傾向がある。今後のDPC導入に向けて、病院ダッシュボードを活用して、医師に対策を説明する準備を進めている」ことを発表しました。

練馬光が丘病院 医事課の矢作武志氏

練馬光が丘病院 医事課の矢作武志氏

 また佐久医療センターからは、2014年3月に急性期に特化した「佐久医療センター」と地域の一般医療を担う「佐久総合病院」に分割した状況が報告されました。現在、DPCⅡ群を目指し平均在院日数の短縮化や診療密度の改善に取り組んでいて、診療情報管理課の須田茂男氏は「院長、事務長、経営企画課、診療情報管理課が全30診療科の部長を対象としたヒアリングを継続的に行っており、その際、病院ダッシュボードを活用して今後の対策を練っている」と発表しました。

佐久医療センター 診療情報管理課の須田茂男氏

佐久医療センター 診療情報管理課の須田茂男氏

最新の情報活用し、医療制度改革の先を読む

 GHCのメディ・ウォッチ編集部からは▽地域医療構想ガイドライン▽非営利ホールディングカンパニー型法人▽医療法人制度の見直し―について最新の動向が報告されました。

 地域医療構想ガイドラインでは、▽高度急性期と急性期の境界は1人1日当たり3000点▽急性期と回復期の境界は同じく600点▽回復期と慢性期・在宅医療等の境界は同じく225点-という基準が検討されています。

高度急性期と急性期の境界は1人1日当たり3000点、急性期と回復期では600点、回復期と慢性期では225点という案を検討中

高度急性期と急性期の境界は1人1日当たり3000点、急性期と回復期では600点、回復期と慢性期では225点という案を検討中

 都道府県はガイドラインに沿って、15年度から地域医療構想を策定し、病院・病棟の機能分化と連携を進めていくことになりますが、編集部は「地域医療構想は絵に描いた餅に終わるという見解もあれば、都道府県知事の権限が強化され実効性が担保されているという見解もある。地域によって地域医療構想の実現に向けた動きに差が出てくるのではないか」と推測しています。

 また、非営利ホールディングカンパニー型法人(地域医療連携推進法人)については、自治体病院も参加することが期待されていますが、総務省は「自治体のガバナンスが弱くなる」として参加に慎重姿勢をとっています。編集部は「非営利ホールディングカンパニー型法人は当初、米国のメイヨークリニックのような医療・介護を総合的に提供する巨大複合組織を目指すものとされたが、議論の過程で『地域医療構想の実現』に矮小化してしまった。医療関係者や学識者の多くは『画餅に終わる』ことを危惧している」と状況を説明しました。

非営利ホールディングカンパニー型法人には、医療事業を行う非営利法人の複数参加が条件

非営利ホールディングカンパニー型法人には、医療事業を行う非営利法人の複数参加が条件

 最後に編集部は「変化はコントロールできない。できるのはその先頭に立つことだけである」という現代経営学の祖P.F.ドラッカーの言葉を引用し、「医療制度が大きく動く中では、最新の情報を収集し、先を読んだ対策を構築することが必要である」と強調しました。

病院ダッシュボードでエビデンスを示し、行動変容を

 また、この日の操作体験会では、GHCが用意したパソコンを使って病院ダッシュボードの具体的な操作方法を学びました。GHCで病院ダッシュボードの営業を担当している田中慶太は、仮想データを使った操作方法を説明するとともに、「病院長などに、データ・エビデンスを示しながら、行動変容してもらうためのポイント」について解説しました。

GHCで病院ダッシュボードの営業を担当する田中慶太

GHCで病院ダッシュボードの営業を担当する田中慶太

 病院ダッシュボードを用いれば、自病院が他病院と比較してどのような状況にあるのかを容易に把握できます。まず、▽医業収益▽医業収益医業利益率▽入院1日単価▽対出来高増減収率▽手術単価-などを視角的に把握し、全体の課題を把握します。その上で、課題点を深掘りしていくことで、課題解決に向けた具体的な対策を見いだすことにつなげられます。

 病院ダッシュボードの詳細なサービス内容は以下のサイトから確認できます。また、動画で開発の背景や製品概要を紹介しております。ぜひご覧ください。

◆病院ダッシュボードのPRサイト

◆病院ダッシュボード関連動画

 なお、GHCは全国の各地域で病院ダッシュボードの機能を紹介する「キャラバン2015」を開催します。お申し込みはこちらから。

▽仙台:2月26日(木)トラストシティ カンファレンス・仙台

▽名古屋:3月26日(木)ウインク愛知

▽東京:4月23日(木)GHC本社

▽岡山:4月30日(木)岡山コンベンションセンター(仮)

▽東京:5月20日(水)GHC本社

▽大阪:5月29日(金)新大阪丸ビル別館

▽新潟:6月29日(月)新潟駅前カルチャーセンター

▽福岡:7月30日(木)JR博多シティ会議室(仮)

診療報酬改定セミナー2024