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診療報酬本体の「段階的なマイナス調整」を提案―16年度以降、諮問会議の民間議員

2015.6.11.(木)

 政府の経済財政諮問会議が10日開かれ、財政健全化計画に盛り込む具体策をめぐり議論しました。医療関連で民間議員は、賃金や物価の水準との格差を是正するため、診療報酬本体について、2016年度以降の「段階的なマイナス調整」を提案しました。08年のリーマンショック以降に賃金・物価の下落が進んだのに対し、診療報酬本体はプラス改定が続き、これらに「5%程度」の格差が生じているとし、解消させる必要があると指摘しています。

 これらは、「骨太方針2015」に盛り込む財政健全化計画の策定をにらんだものです。政府は、基礎的財政収支を20年度までに黒字化させる目標を掲げていて、これを達成するのに必要な社会保障費の伸びを抑制する具体策をめぐる議論が大詰めを迎えています。

厚労省側「予算編成過程で議論」
出典:首相官邸ホームページ

出典:首相官邸ホームページ

 民間議員がこの日提示した試算の結果では、リーマンショックが起きた08年の賃金と物価、診療報酬本体をいずれも100とすると、15年には、賃金が98.7、物価が98.1に下落したのに対し、診療報酬本体は103.8まで伸びていて、現状では診療報酬本体が「5%程度の高止まり」にあるとしています。

 その上で、国民負担を軽減する観点からこうした格差を解消させるため、16年度の次回以降の診療報酬改定で段階的に「マイナス調整」を行うよう主張しました。

 これに対して厚生労働省側は、「診療報酬の改定率は、物価・賃金の動向だけでなく、医療機関の収支状況、対応が必要な医療課題などさまざまな勘案して決定されてきた」と反論していて、予算編成過程で議論する考えです。また、16年度の診療報酬改定では、適正化・重点化を進めつつ、▽地域包括ケアシステムの構築▽病床の機能分化・強化▽チーム医療の推進―に対応する必要があるとの認識も示しました。

「地域ごと診療報酬」の運用ガイドラインも提案

 民間議員は、病床の再編や削減が進まない地域での診療報酬を引き下げる制度の導入に併せて、こうした仕組みを運用するガイドラインの策定も提案しました。医療費の適正化が進まない地域の診療報酬を引き下げる仕組みの導入は、先月19日の会合で提案したもので、今回はここからさらに踏み込みました。

 ガイドラインは、医療提供体制の再編を促して医療費の地域格差解消につなげる取り組みに実効性を伴わせるのが狙いで、このほかにも、病床数削減などの目標値(KPI)を都道府県が設定し、18年度の進展状況を国の補助金に反映させたり、大胆な病床再編を可能にするため都道府県知事の権限を強化したりすることも具体策に挙げました。

 都道府県別の人口10万人当たり入院受療率には、最高の高知県(614)と最低の長野県(122)の間に5倍程度の開きがあり、民間議員はこうした地域格差が医療提供体制の違いによるものだとみています。そこで、医療提供体制の地域格差の「見える可」を一層促進させ、格差を解消させる必要があると主張しました。

 財政健全化計画の対象期間には16-20年度を想定していて、デフレ脱却・経済再生と歳出・歳入改革を柱にすべきだとしています。これまでの議論では、18年度までの3年間を「集中改革期間」に位置付ける方向性で、歳出・歳入改革の具体策をめぐり詰めの協議を進めます。

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