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結腸ポリペクの外来シフト、病院間の格差鮮明に-GHC調べ

2015.6.18.(木)

 結腸ポリペクトミー(結腸ポリペク)の外来による実施率には、病院によって大きな格差があることが、GHCの調べで明らかになりました。また、DPC対象病院ではこれらの外来実施率は57.3%を占めるのに対し、出来高病院や診療所を含む全体での実施率は2006年以降、45%前後で横ばいで推移していることも分かりました。今回の分析を担当したアナリストの森本陽介は、医療の効率化につなげるため、入院と外来の点数設定など診療報酬を見直して手術や検査の外来シフトを一層促す必要があると指摘しています。

 分析対象は、DPCデータと外来EFファイルをGHCが保有する54 のDPC対象病院で、14年10-12月に実施した「内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術」(長径2センチ未満と同2センチ以上)の症例(入院のうち、死亡やDPC以外の病棟への転棟、全包括期間の2倍超に相当する入院11日以上の症例は除外)です。また、社会医療診療行為別調査の結果から出来高病院、DPC対象病院、診療所による外来実施率の年ごとの推移も追いました。

 分析の結果からは、DPC対象病院による結腸ポリペクの外来実施率は57.3%と過半数を占めるものの、すべての症例に外来で対応している病院がある一方で、外来では全く対応していない病院もあり、実施率に大きなばらつきがあることが分かりました=図表=。
2015.6.18GHCをウォッチ 月刊6月号サマリー
 また、社会医療診療行為別調査の結果から診療報酬明細書(レセプト)の枚数を確認したところ、結腸ポリペク(2センチ未満のみ)の出来高を含む医療機関全体での外来実施率は、06年から12年にかけて45%前後で推移して足踏み状態にあることが明らかになりました。

 結腸ポリペクには14年度の診療報酬改定で、原則としてすべての診療報酬が包括される短期滞在手術等基本料3が適用されています。今回の分析では、「3日パス」を組んだ場合の入院での1日単価は平均4万8870円で、外来で実施した場合の報酬水準(平均5万2319円)を下回りました。

 ただ、これらの症例を外来にシフトさせて病床の稼働率が下がると、7対1入院基本料など高い点数の算定を維持するのが難しくなりかねません。さらにDPC対象病院では、ハイリスクの症例のみに入院で対応していると、入院症例の平均在院日数が必然的に長くなり、DPC病院II群の実績要件に組み込まれている「診療密度」が低く評価される可能性もはらんでいます。森本は、こうした事情が外来シフトの足かせになっている可能性があるとみています。

 高齢化の急速な進展に伴う医療コストの大幅な増加が避けられないだけに、入院期間の短縮や手術・検査の外来シフトなどによる医療の効率化が不可欠です。森本は、入院と外来の点数設定など診療報酬を見直して、結腸ポリペクを含む手術や検査の外来シフトを一層促す必要があると指摘しています。

分析結果のポイント

・DPC対象病院全体での結腸ポリペクの外来実施率は57.3%を占めるものの、病院ごとでは実施率のばらつきが大きい。

・出来高病院、DPC対象病院、診療所による結腸ポリペクの外来実施率は06年以降、45%で足踏み状態にある。

※ 詳しい分析結果は、GHCが発行する会員向けのPDFレポート 月刊「メディ・ウォッチ」(毎月10日発行)の15年6月号に掲載。

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