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「診療報酬本体のマイナス調整」など盛り込まず―諮問会議、骨太方針の素案

2015.6.23.(火)

 政府の経済財政諮問会議は22日、「骨太方針2015」の素案をめぐり協議しました。社会保障を歳出改革の目玉に位置付けて、医療や介護などの費用の伸びを2018年度までの3年間で1.5兆円程度(年0.5兆円)に抑えますが、16年度からの診療報酬本体の段階的なマイナス調整や、医療費の適正化が進まない地域での診療報酬引き下げなど、民間議員が提案していたメニューは盛り込まれませんでした。

 政府は、基礎的財政収支(PB)の20年度までの黒字化をにらんだ「経済・財政再生計画」(仮称、財政健全化計画)も骨太方針2015に盛り込むことにしています。引き続き与党などと調整を進めて月内にも閣議決定する方針です。

出典:首相官邸ホームページ

出典:首相官邸ホームページ

 安倍晋三首相は22日の会合で、「歳出全般にわたり、安倍内閣のこれまでの取り組みを強化し、聖域なく徹底した見直しを進め、地方においても国と基調を合わせた取り組みを進める」などと述べました。

 財政健全化計画はデフレ脱却・経済再生と歳出・歳入改革を柱に据えます。16-20年度の5年間が対象期間で、このうち18度までの3年間を「集中改革期間」に位置付けます。消費税率の引き上げに伴って17年度以降は歳入増が見込まれているため、これに合わせて歳出改革を一層強化し、プライマリーバランスの20年度の黒字化につなげるという道筋です。集中改革期間の進展状況を評価するメルクマールとして、PBの赤字幅を対GDP(国内総生産)比1%程度(15年度時点では3.3%)までの圧縮を目指します。

 医療や介護関連の改革メニューとして素案に盛り込まれたのは、▽医療・介護提供体制の適正化▽後発医薬品の使用促進などのインセンティブ改革▽公的サービスの産業化▽能力に応じた公平な負担、給付の適正化▽医薬品関連の改革―などです。

 このうち医療・介護提供体制の適正化では、都道府県ごとの地域医療構想をベースに医療を「見える可」し、療養病床の入院受療率の地域格差を縮小させるなど、病床の機能分化・再編を進めます。外来医療費についても、データ分析の手法を駆使して重複受診や重複投与、重複検査の適正化を進め、地域差を是正させます。さらに、都道府県ごとの医療費適正化計画を地域医療構想とリンクさせ、これらの取り組みによって都道府県別の1人当たり医療費の半減を目指すとしています。

 地域ごとの病床再編や医療費の地域格差解消を促すため、民間議員は当初、医療費の適正化が進まない地域の診療報酬を引き下げる仕組みの導入を提案していましたが、素案には盛り込まれていません。

 一方、医薬品関連の改革は後発薬の普及促進が柱で、数量ベースでのシェアを17年半ばに70%以上、18年から20年までの「なるべく早い時期」に80%以上にすることを掲げています。厚労省は先月、後発薬の数量シェアを「20年度までに80%以上」とする新たな目標の設定を決めましたが、素案では達成時期の前倒しを目指します。具体的な達成時期は、17年の進展度合いを見極めて決めるとしています。

 16年度予算編成の基本的な考え方として民間議員は、診療報酬本体の「段階的なマイナス調整」を提案していましたが、素案では「(16年度診療報酬改定を含め)適正な給付と負担に在り方について検討する」という表現にとどめました。

 民間議員らの主張は、08年のリーマンショック以降、賃金・物価の下落が進んだのに診療報酬本体はプラス改定が続き、これらに「5%程度」の格差が生じているというものでしたが、厚労省側は「診療報酬の改定率は、物価・賃金の動向だけでなく、医療機関の収支状況、対応が必要な医療課題などさまざまな勘案して決定されてきた」と反論していました。

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