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医療材料費削減の切り札、共同購買と材料ベンチ-「病院側も意識改革を」GHCセミナー

2015.9.1.(火)

 GHCは8月29日、「医療材料のベンチマーク・共同購買活用セミナー」を開き、全国の25病院の関係者が参加しました。本格的な高齢化を前に、国による医療費の抑制が加速するのは避けられず、2017年には消費税率の引き上げが控えています。GHCの木内雅人・営業開発部長は、こうした中で、医療材料の共同購買(GPO)が医療機関のコスト削減の切り札になり得ると強調。GHCが運営する共同購買への積極的な参加を呼び掛ける一方で、コスト削減の十分な効果を生み出すには、病院側の意識改革も必要だと指摘しました。

■米国では医療機関の9割が共同購買を利用

2015.8.31GHCをウォッチ GPОセミナー①

 医療機関の医療材料などを共同購買する組織は、米国では100年以上の歴史があり、入院1件当たりの診療報酬を包括払いにするDRGが導入されたのに伴って1980年代後半以降、急速に広がりました。現在では全米の600社以上が医療機関向けの共同購買を扱っていて、9割を超える医療機関がサービスを利用しています。

 これに対して日本の共同購買は、大手グループが傘下の医療機関の材料を一括購入する限定的なものが大半で、グループの枠を超えた取り組みは極めて少ないのが現状です。木内は、ドクターの意向が強く反映された結果、医療材料の購入品目が多様になり過ぎていることなどから、医療機関が単独で医療材料のコスト削減を進めること自体が難しいとの見方を示しました。

 しかし、DPCが導入されて10年以上が経ち、日本でも診療報酬の包括化が進んでいます。さらに17年4月には、消費税率が現在の8%から10%に引き上げられることになっていて、これに伴う負担増への懸念が病院を中心に広がっています。その上、高齢化に伴う医療費の増加に歯止めを掛けるため、今後は国による抑制が本格化するのは確実です。こうした状況を背景に、日本の医療現場ではコスト削減の必要性が一層高まり、共同購買がそれの切り札になり得ると木内は指摘しました。

■メーカーと一元的に価格交渉、GHCが目指す共同購買


 GHCが目指す共同購買は、購買データを提供できる病院が対象で、病院側は年間での医療材料費の規模に応じて年会費を支払います。当面は医療材料のみを扱う方針で、全国ベースでの正確な購買状況を把握して会員病院に情報提供したり、事務局が一元的に各メーカーと価格交渉したりします。

 さらに、医療材料の種類ごとに「標準品」を設定して使用を呼び掛けます。ただ木内は、標準品の使用を一方的に押し付けたり、新しく開発された医療材料の使用を制限したりはせず、採用の段階で現場の裁量を尊重する考えを示しました。

 価格交渉では、購買額が大きかったり、使用数量が多かったりする製品のうち、市場価格との乖離(かいり)が大きいものを対象にします。例えばある病院グループの循環器の領域では、60品目を超える医療材料のうち、上位5品目の購買額だけで全体の54.4%を占めていて、これら上位品目の単価さえ引き下げられれば、大きなコスト削減効果を見込めます=図表1=。

 ただ、購買額が大きくても市場価格との乖離(かいり)が小さい材料は対象から外し、価格交渉の効率化を図ります。
2015.8.31GHCをウォッチ GPОセミナー ②
 メーカー側への交渉力は会員病院が増えるほど高まるため、木内は講演で、共同購買への積極的な参加を呼び掛けました。一方で、「単に年会費を払うだけでコスト削減を見込めると考えている病院では、共同購買を院内でドライブさせるのは難しいだろう」とも述べ、医療材料のコスト削減を成功させるには、トップのリーダーシップや実際に材料を使う診療現場の協力、事務担当者の真剣さが不可欠だと強調しました。

■「材料ベンチ」が価格交渉の糸口に


2015.8.31GHCをウォッチ GPОセミナー ③ GHCが今年春、病院ダッシュボードの新たな機能としてリリースした「材料ベンチ」もコスト削減の強力な武器になります。材料ベンチは、全国の約2100病院がどれだけの単価で医療材料を購買しているかを製品別や使用用途別に比較することで自病院の相対的なポジションを把握できる仕組みです。メーカー約1200社による医療材料40万件分の最新マスターを常に整備しているので、最新データによるベンチマーク分析が可能です。

 通常の消費財なら、購買量が大きいほど「規模の経済」に伴うコスト削減を見込めますが、医療機関ごとの購買額が公表されていない医療材料では、こうした法則は成立しません。例えば、ある心臓手術用カテーテルの単価を分析すると、消費量と平均購買単価はリンクせず、消費量が多くても購買単価が市場平均価格を上回っているケースもあります。

 GHCの本橋大樹マネジャーは、材料ベンチを使って全国水準との乖離(かいり)が大きい品目を洗い出せば、コスト削減にどこから着手すべきかを見極める手掛かりにできると強調しました。

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