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「看護師の月平均夜勤72時間要件」の維持を強く要望―日看協が塩崎厚労相に申し入れ

2015.11.17.(火)

 2016年度の次期診療報酬改定でも、入院基本料の施設基準である「月平均夜勤時間72時間」要件を堅持すべき―。日本看護協会は16日に、塩崎恭久厚生労働大臣に宛てて、このような要望を行いました。

看護師の夜勤への歯止めは、現実的には72時間要件のみ

 看護師の夜勤時間を制限するルールに次の2つがあると説明されます。

(1)人事院による「ニッパチ」判定

(2)看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づく国の基本指針

 (1)は、1965年に人事院が「看護婦(当時)の夜勤制限」の必要性を認めて示した判定のことで、具体的には「1人夜勤の禁止」「夜勤は月平均8日以内」などの基準を示しています。

 また(2)の看護師等人材確保法は、厚生労働大臣と文部科学大臣に対して「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」を定めるよう指示。これを受けた基本指針では「月8日以内の夜勤体制の構築に向けて積極的に努力する必要がある」ことを謳っています。

 しかし日看協は、この2つのルールでは「強制力が弱い」と指摘。看護師の夜勤制限を守る手段は、現実的には「診療報酬上の月平均夜勤72時間要件しかない」と指摘し、これの堅持を求めています。

 

 7対1一般病棟入院基本料など、入院基本料を届け出るためには、「看護要員の1人当たりの月平均夜勤時間数が72時間以下であること」など、施設基準を満たさなければいけません。

 この基準を満たさない場合、特別入院基本料(1日当たり584点)を算定しなければなりません。ただし、診療報酬改定を議論する中央社会保険医療協議会では「看護師不足が指摘される中では、夜勤72時間要件を満たせないことが仕方ないケースもある」との指摘が強く、一般病棟については夜勤72時間要件のみを満たせない病院を救済する規定(3か月間は、入院基本料の80%を算定できる)が設けられています。

 さらに中医協では「看護師の夜勤制限は非常に重要なテーマだが、入院基本料の施設基準に盛り込むべき事項かどうか、改めて検討する必要があるのではないか」といった意見も出ています(関連記事はこちら)。

 こうした意見に強い危機感を抱いた日看協は、次のような要望を塩崎厚労相に宛てて行っています。

▽診療報酬における看護職員の月平均夜勤時間72時間要件を堅持する

▽人事院の「ニッパチ」判定や看護師等人材確保法の基本指針について、改めて周知・徹底を図る

▽労働時間に係る法制の中で、夜勤・交代制勤務に関する実効ある規制を設ける。特に労働時間等設定改善指針に「深夜業の回数制限」「勤務間インターバル確保」を速やかに盛り込む

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