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10対1病院でもDPCデータ提出義務化へ、経過措置も検討―中医協総会

2015.12.11.(金)

 10対1入院基本料を届け出ている病院にもDPCデータの提出を義務付けてはどうか―。厚生労働省は、11日に開かれた中央社会保険医療協議会にこのような提案を行いました。

 診療側委員は「十分な経過措置をとるべきである」との注文が付いたほか、「重症度、医療・看護必要度の議論が進んでいるさなかでの提案は拙速である」との指摘も出ています。しかし、現在はDPC病院以外でも、7対1病棟や地域包括ケア病棟を持つ病院にもDPCデータの提出が義務付けられており、10対1病院への拡大は自然な流れといえそうです。

12月11日に開催された、「第319回 中央社会保険医療協議会 総会」

12月11日に開催された、「第319回 中央社会保険医療協議会 総会」

7対1病院では1年間の経過措置

 包括評価が行われているDPC病院では、粗診粗療が生じていないかなどをチェックするために、詳細な診療データなどを提出することが義務付けられています。また2014年度の前回診療報酬改定では、7対1病棟を持つ病院と、地域包括ケア病棟を持つ病院にもDPCデータの提出が義務付けられました。

 このDPCデータは診療報酬改定の基礎資料としても利用されており、特に前回改定からフル活用されていることは、皆さんもご承知のことと思います。

 これまでの2016年度の次期改定に向けた議論の中で、厚生労働省は「10対1病院にもDPCデータを拡大する」ことを匂わせる資料を出しており(関連記事はこちらこちら)、11日の中医協総会でついに正式提案が行われた格好です。

 この見直し案について、診療側の松本純一委員(日本医師会常任理事)は「拙速である」と反対意見を述べましたが、同じ診療側の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は「データ収集の趣旨には賛同できるが、段階的な導入や十分な経過措置を置く必要がある」と注文を付けるにとどめています。

 7対1病院でのデータ提出義務化には1年間の経過措置が置かれ、地域包括ケアを持つ病院でも事実上、半年間の経過措置が設定されました(地域包括ケア病棟の算定は前回改定から半年後)。このため、今回の10対1病院での義務化でも相当の経過措置が置かれるものと予想されます。DPC病院でない10対1病院では、その間に、診療情報管理士の確保などのデータ提出に向けた体制を整える必要があります。

 ところで、DPCデータそのものの見直し案も固まっており、そこでは「重症度、医療・看護必要度に関するデータの提出」が盛り込まれました(関連記事はこちら)。DPCデータに含まれる他の項目(例えば薬剤の使用状況など)と重症度、医療・看護必要度の突合によるデータ精度のチェックなどが行われることも予想されます。

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