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後発品使用割合60%程度で足踏み状態、「17年央に70%」の目標達成に暗雲―協会けんぽ15年9月時点

2016.1.25.(月)

 主に中小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽでは、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合が昨年(2015年)9月時点で60.8%(数量ベース、新指標)となったことが、全国健康保険協会の調べで分かりました。

 2015年1月から60-61%となっており、やや足踏み状態となっていることが伺えます。

2015年9月には60.8%だが、1月から60%程度で横ばい

 政府は医療費の膨張を抑えるために、先発品と効能・効果が同じで安価な後発品の使用促進を重要施策の1つに位置付けており、2016年度の診療報酬改定でも後発品促進策が盛り込まれる予定です(関連記事はこちらこちらこちら)。

 2013年4月には、「2018年3月末までに後発品の使用割合を数量ベースで60%以上にする」との目標値を定めましたが、昨年(2015年)6月には、この目標値が上方修正され「2017年央に70%以上とし、18年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」こととされました。

 協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも、「後発品(ジェネリック)の使用促進」を重要施策に位置付け、▽後発薬に切り替えた場合の自己負担額の軽減効果を通知するサービスの対象範囲の拡大▽後発薬希望シールの配布▽地域の実情に応じた医療機関関係者、薬局関係者への働き掛け―などを行っています。

 全国健康保険協会がこのほど発表した「ジェネリック医薬品使用割合(数量ベース)」によると、2015年9月には数量ベースで60.8%(新指標、調剤分)となったことが分かりました。2年前(2013年9月)の49.4%に比べると11.4ポイント上昇、1年前(2014年9月)の58.1%に比べると、2.7ポイント上昇しており、着実に増加しているように見えます。

 しかし、昨年1月に60%の大台に乗って(61.2%であった)から、▽2月:60.5%▽3月60.3%▽4月:60.9%▽5月:61.0%▽6月:61.2%▽7月:59.9%▽8月:60.4%▽9月:60.8%―という具合に後発品使用割合は横ばいとなっており、ここに来て「足踏み」状態となっていることが分かります。

協会けんぽの後発品使用割合(数量ベース、調剤分)の年次推移、2015年1月から足踏み状態にあることが伺える

協会けんぽの後発品使用割合(数量ベース、調剤分)の年次推移、2015年1月から足踏み状態にあることが伺える

 以前には「協会けんぽについて、後発品使用割合の目標値は達成できそうだ」との見通しを述べましたが(関連記事はこちら)、この足踏み状態が長引けば、目標達成には暗雲が立ち込める可能性もあります。

後発品割合が最も高いのは沖縄の73.3%、最も低いのは徳島の49.9%

 都道府県別に見ると、沖縄県の73.3%が最も高く、次いで鹿児島県67.7%、岩手66.8%、山形65.7%と続いています。トップの都道府県での「足踏み」が気になります。

 逆に、最も低いのは徳島県の49.9%で、山梨52.2%、高知54.4%、和歌山56.7%なども低い状況ですが、後発品使用割合は徐々に上昇しています。

都道府県別の後発品使用割合、大きな変動はないが、使用割合上位での足踏みが気になる

都道府県別の後発品使用割合、大きな変動はないが、使用割合上位での足踏みが気になる

 

 主な薬効分類別に、後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の69.6%、去たん剤の64.4%、消化性潰瘍用剤の60.5%などで、いずれも上昇傾向にあります。また金額ベースでは、血管拡張剤の57.0%、去たん剤の47.2%、ビタミン剤の38.6%などが目立ちます。

 逆に後発品使用割合が低いのは、数量ベースでは代謝拮抗剤の1.8%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の8.1%、泌尿生殖器官及び肛門用薬の21.4%、金額ベースでは漢方製剤0.0%、代謝拮抗剤の1.6%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の1.7%などとなっています。

主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(数量ベース)

主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(数量ベース)

主な薬効群別に見た後発品使用割合の年次推移(金額ベース)

主な薬効群別に見た後発品使用割合の年次推移(金額ベース)

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