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腫瘍マーカーの「PSA」「CA19-9」、算定可能回数超過分は「選定療養」に―中医協総会

2016.4.13.(水)

 腫瘍マーカーの「PSA(前立腺がんの診断に有効)」「CA19-9(膵臓がんの診断に有効)」について、診療報酬点数表で認められた回数を超える検査を行った場合、当該超過分と保険診療との併用を認める―。

 このような「選定療養の拡大」が、13日に開かれた中央社会保険医療協議会・総会で了承されました。

4月13日に開催された、「第330回 中央社会保険医療協議会 総会」

4月13日に開催された、「第330回 中央社会保険医療協議会 総会」

日本再興戦略の指示、学会・国民の要望を踏まえて選定療養を一部拡大

 わが国の医療保険制度では、保険診療と保険外診療(自由診療)との併用は原則として認められていません(混合診療の禁止)。ただし、保険導入を目指す新規の医療技術(先進医療や治験など、『評価療養』)と、特別の病室の提供など被保険者の選定に係る費用(個室や予約など、『選定療養』)については、例外的に保険診療との併用が可能です(保険外併用療養)。

 後者の選定療養について、安倍内閣が2014年6月にまとめた「日本再興戦略」改訂2014は、「対象の拡充を含めた不断の見直しを行う仕組みを構築する」よう指示しています。アメニティの向上を目指す医療機関のニーズに応え、産業の活性化も狙ったものと言えます。

 厚生労働省はこの指示を受け、学会や国民から意見を聴取。さらに1月29日の中医協総会の指摘も踏まえて、今般、「選定療養の拡大」内容を固めました。13日の中医協総会はこれを了承しており、近く関係告示・通知の改正が行われます。

透析において「個室」を準備する場合なども、選定療養の対象に

 選定療養は現在、次の10項目が認められています。

(1)特別の療養環境(個室などの差額ベッド)

(2)歯科の金合金など

(3)金属床総義歯

(4)予約診療

(5)時間外診療

(6)大病院の初診(200床以上で、紹介状のない患者から特別料金を徴収可能)

(7)大病院の再診(200床以上で、逆紹介しても来院する患者から特別料金を徴収可能)

(8)小児う蝕の指導管理

(9)180日超の入院(入院料が減額され、その減額分を患者から徴収可能)

(10)制限回数を超える医療行為

保険外併用療養費制度には、▽評価療養(先進医療など)▽選定療養(差額ベッドなど)-がある

保険外併用療養費制度には、▽評価療養(先進医療など)▽選定療養(差額ベッドなど)-がある

 今般、了承された内容は新たな類型を追加するものではなく、既存の10類型の「対象拡大」と「内容の明確化」を行うものです。

▽(1)の「特別の療養環境」に、「特別の療養環境を有する診察室の提供」も含めます。例えば、透析治療室など、長時間の治療を行う場合、個室などの特別の療養環境について保険外の費用徴収を認めるものです。

▽(4)の「予約診療」について、「夜間・土日など診療時間内の特別な時間枠での予約診療」でも保険外の費用徴収が可能な旨が明確化(現在でも可能)されます。

▽(10)の「制限回数を超える医療行為」には、腫瘍マーカー「AFP(肝臓がんの診断に有効)」「CEA(消化器系がんの診断に有効)」がありますが、さらに比較的頻繁に測定され、特異度の高い「PSA」「CA19-9」が追加されます。患者の要望があり、「患者の不安を軽減する」必要がある場合に、保険診療上の算定可能回数を超えた実施について患者負担として認めるものです。

 なお、1月に提案されていた「治療方針の決定に直接影響がなく、治療の実施上は必要ないノロウイルス検査などを実施する場合の検査費用徴収」は、選定療養としての制度設計が難しかったため見送られています。

タミフル・リレンザの予防投与、インフルエンザ予防接種と同様の取り扱いに

 さらに、保険診療(療養の給付)と直接関係のないサービスについては、実費を徴収することが可能です。厚労省は、▽おむつ代▽テレビ代▽理髪代▽クリーニング代▽証明書代▽在宅医療の交通費▽インフルエンザの予防接種代―などを具体例として挙げています。

 一方、▽シーツ代▽電気代▽衛生材料代(ガーゼなど)―などは、「『療養の給付と直接関係ない』とは言えない」として、実費徴収は認められません。

 厚労省は今般、前者の「療養の給付」と直接関係なく、実費徴収が可能な事例として次のようなケースがあることを明確化します。

(a)タミフル、リレンザなどの予防投与(入院中の患者などに、治療中の疾病・負傷に対する医療行為とは別にタミフル、リレンザなどの感染症予防薬を投与する場合、インフルエンザなどの予防接種と同様の取り扱いであることを明確化する)

(b)検査の当日キャンセル料(キャンセルによって、検査に要する薬剤料などの損害が生じた場合、「現に生じた物品などに係る損害の範囲内」において、患者側への十分な情報提供・同意などの適正な手続により費用徴収を行えることを明確化する)

(c)院内託児所の使用料

(d)がん患者などを対象とした美容・整容などの支援(かつらの貸与や化粧方法の講習など)

(e)糖尿病患者などを対象としたがん検診など(治療中の疾病・負傷に対する医療行為とは別に、がん検診などを実施する場合には、検診などの費用を徴収できることを明確化する。ただし、治療の実施上がんの疑いがあることについて相当の蓋然性がある場合には療養の給付として取り扱われることになる)

(f)義歯に対する名入れ(デンチャーマーキング:義歯に個人の氏名などを判別するための刻印やプレートの挿入を行うもの)

 なお、(e)は「糖尿病患者へのがん検診」に限定されるものではありません。松原謙二委員(日本医師会副会長)は「他の疾病と特定健診(40歳以上のいわゆるメタボ健診)も、治療と健診の組み合わせによっては認めるべき」との見解を示しており、厚労省保険局医療課の宮嵜雅則医療課長も理解を示しています。ただし、「糖尿病のような生活習慣病患者に特定健診を行う」ことは、特定健診には生活習慣病健診の側面もあることから、健診費用の別途徴収は認められません。詳細は今後の通知を待つ必要があります。

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