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中心静脈カテーテルは「仰臥位」などで抜去を、座位では空気塞栓症の危険―医療機能評価機構

2016.4.15.(金)

 座位で中心静脈カテーテルを抜去してしまったため、空気塞栓症を来した―。

 このような事例が、2012年1月から16年2月までに3件報告されていることが、日本医療機能評価機構の調査から明らかになりました(関連記事はこちら)。

 機構では、▽中心静脈カテーテルの抜去マニュアル▽研修での注意喚起―などを行うよう求めています。

「座位での抜去」の危険性を知らない医師も、院内でマニュアル作成が必要

 日本医療機能評価機構は、重要な医療事故やヒヤリハット事例の内容をまとめた「医療安全情報」を毎月公表しています(関連記事はこちらこちらこちら)。今回(No.113)は「中心静脈カテーテル抜去後の空気塞栓症」がテーマです。

 ある病院では、医師が「座位で中心静脈カテーテル(ブラッドアクセス)を抜去する」ことの危険性を知らずに座位で抜去したところ、患者が呼吸困難を生じ、脳梗塞を発症したという。抜去部分から空気が血管内に流入したことによる「空気塞栓症」と考えられます【事例1】。

中心静脈カテーテルの抜去、仰臥位またはトレンデンブルグ位で行うこと!  「座位」は危険!

中心静脈カテーテルの抜去、仰臥位またはトレンデンブルグ位で行うこと!  「座位」は危険!

 また別の病院では、「中心静脈カテーテル(ダブルルーメン)は仰臥位またはトレンデンブルグ位で抜去する」との基本を知らない研修医が座位で抜去。抜去後に患者は気分不良を訴えて、意識喪失。CT撮影の結果、「右内頚静脈に少量のガス像」が認められており、「空気塞栓症」に陥ったと考えられます【事例2】。

 

 空気塞栓症は生命に危険を及ぼす可能も高く、再発防止を徹底する必要があります。機構では、次のような取り組みを行うことを提案しています。

▽次のような「中心静脈カテーテル抜去の方法」のマニュアルを作成する

 ・「仰臥位」または「トレンデンブルグ位」で抜去する

 ・吸気後に息を止めてもらい、抜去する

 ・抜去部は5分以上圧迫する

 ・抜去部は密閉性の高いドレッシング材で覆う

▽中心静脈カテーテル研修会の内容に「抜去時の注意事項」を追加する

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