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気分障害患者は全体の1.76%、神経症性障害等患者は全体の1.43%―健保連の2014年度調査

2016.5.2.(月)

 主に大企業のサラリーマンとその家族が加入する健康保険組合では、「気分[感情]障害」(躁うつ病を含む)の患者が1.76%おり、患者1人当たりの入院外医療費は2611円。また同じく「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」の患者が1.43%おり、患者1人当たりの入院外医療費は530円となっている―。

 健康保険組合連合会はこのほど、こうした状況を2014年度の「メンタル系疾患(被保険者:入院外)の動向に関するレポート」として発表しました。

気分障害患者、男性では45-49歳、女性では40-44歳で最多

 労働安全衛生法の改正により、労働者50人以上の企業では、毎年1回、全社員にストレスチェックの実施が義務付けられる(厚労省のサイトはこちら)など、職場におけるメンタルヘルス対策の重要性が高まっています。

 そうした中、健保連は毎年、メンタル系疾患に罹患する被保険者の動向について調査しています。2014年度は、およそ1415万人の健保組合被保険者が調査対象になりました。

 まず「気分[感情]障害」(躁うつ病を含む、以下、気分障害)の患者動向を見てみましょう。気分障害とは、いわば(1)うつ病(2)双極性障害(躁うつ病)―などの総称で、一時的に妄想や幻聴などの精神病症状がでることもありますが、精神病には含まれません。

 この気分障害患者の割合は、2014年度は被保険者全体の1.76%で、前年度調査に比べて0.04ポイント増加しました。

 有病者数は「5月」「7月」「9-12月」に増加する傾向があり、男女別にみると男性の方がやや高くなっています(男性1.71-1.91%、女性1.55-1.71%)。新入社員の方のいわゆる「5月病」については、気分障害との関係も指摘されており、人事担当者や産業医はこの点にも注意が必要と言えそうです。

気分障害有病者の月次推移(2014年度月次別、男女計)

気分障害有病者の月次推移(2014年度月次別、男女計)

 また年齢階層別に見ると、男性では45-49歳、40-44歳、50-54歳で有病者数が多く、女性では40-44歳、35-39歳、30-34歳で多くなっています。

気分障害有病者数(2014年度、男女別、年齢階層別)

気分障害有病者数(2014年度、男女別、年齢階層別)

 気分障害患者の1人当たり医療費(入院外)は平均2611円で、男性2764円、女性2291円となっています。性別・年齢階層別に見ると、45-49歳・男性で最も高く4039円、次いで50-54歳・男性3718円、40-44歳・男性3554円という状況です。女性では、最も高い40-44歳でも2765円に止まっています。

神経症性障害等患者も、男性では45-49歳、女性では40-44歳で最多

 次に「神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」(以下、神経症性障害等)の患者動向を見てみましょう。神経症性障害等は、以前は「神経症」と称されていたもので、(1)器質的な異常はない(2)身体・精神面での自覚症状がとても強い(3)心理的な出来事との関連が強い―などの特徴があります。

 この神経症性障害等の患者割合は、2014年度は1.43%で、前年度に比べて0.08ポイント減少しました。

 有病者数は、気分障害と同様に「5月」「7月」「9-12月」、さらに「3月」に増加する傾向があります。男女別にみると、こちらの疾病では女性の方がやや高くなっています(男性1.28-1.44%、女性1.49-1.66%)。

神経症性障害等有病者の月次推移(2014年度月次別、男女計)

神経症性障害等有病者の月次推移(2014年度月次別、男女計)

 また年齢階層別に見ると、男性では気分障害と同じく45-49歳、40-44歳、50-54歳で有病者数が多く、女性では40-44歳、35-39歳、45-49歳で多くなっています。

神経症性障害等有病者数(2014年度、男女別、年齢階層別)

神経症性障害等有病者数(2014年度、男女別、年齢階層別)

 気分障害患者の1人当たり医療費(入院外)は平均530円で、男性485円、女性622円となっています。性別・年齢階層別に見ると、35-39歳・女性で最も高く710円、次いで40-44歳・女性705円、30-34歳・女性671円という状況です。男性では、最も高い45-49歳でも582円に止まっています。

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