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「後発品の使用促進」や「適正受診の促進」などを行う国保へ財政支援を実施―厚労省

2016.5.9.(月)

 国民健康保険の財政基盤を強化するために、「医療費の適正化に向けて努力している」と評価できる国保に交付金を交付する―。

 厚生労働省は2018年度(平成30年度)から、このような「保険者努力支援制度」をスタートさせます。この制度施行に向けた各国保の準備を促進するために、このほど「どのような指標によって『努力しているのか』を判断するのか」の候補を明確にしました。

 保険者にとって極めて重要な事項であることはもちろん、後発品使用など医療現場にも関連が深いものですので、ご注目ください。

全保険者に対し、「特定健診の受診率」などに基づいたインセンティブを付与

 2016年の医療保険改革では、国保制度について▽2018年度から財政責任主体を都道府県に移管する▽財政支援を段階的に拡充する―などの大きな見直しを行うことにしています。極めて厳しいと指摘される国保の安定化を図ることが目的です。

2015に成立した医療保険改革法により、国保の財政運営主体が2018年度から都道府県に移管される(市町村も保険料徴収などの事務を行う)

2015に成立した医療保険改革法により、国保の財政運営主体が2018年度から都道府県に移管される(市町村も保険料徴収などの事務を行う)

 しかし、どれだけ制度設計を見直しても、医療費が増え続ければ、いずれ財政が厳しくなってしまいます。

 そこで、医療費適正化に積極的に取り組み国保に交付金を交付する「保険者努力支援制度」が設けられます(関連記事はこちらこちら)。さらに、2015年6月に閣議決定された骨太方針2015「経済財政運営と改革の基本方針2015」は、厚労省に対して、現在の補助制度にも新制度の趣旨を反映させるよう指示しています(関連記事はこちら)。

保険者努力支援制度の概要

保険者努力支援制度の概要

保険者努力支援制度における交付金交付のイメージ

保険者努力支援制度における交付金交付のイメージ

 こうした状況を受け、厚労省は都道府県との協議(国保基盤強化協議会)などを経て、保険者の努力を評価する『指標』の候補を明らかにしたものです。

 まず保険者共通の指標として、次の6点が候補に挙がっています。これは国保のみならず、協会けんぽの保険料率設定(都道府県別)や健康保険組合などに対する後期高齢者支援金の加算・減算などにおいても重要指標となります。

国保の保険者努力支援制度以外にも、保険者共通の指標に基づいて被用者保険にも健康づくりや疾病予防に取り組ンだ場合のインセンティブが設けられる

国保の保険者努力支援制度以外にも、保険者共通の指標に基づいて被用者保険にも健康づくりや疾病予防に取り組ンだ場合のインセンティブが設けられる

(1)特定健診・特定保健指導の受診率、メタボ該当者・予備軍の減少率(関連記事はこちら

(2)特定健診以外の他の健診の実施、健診結果などに基づく受診勧奨などの取り組みの実施状況

(3)糖尿病の重症化予防の取り組みの実施状況(関連記事はこちら

(4)広く加入者に対して行う予防・健康づくりの取り組みの実施状況

(5)加入者の適正受診・適正服薬を促す取り組みの実施状況

(6)後発医薬品の使用促進に関する取り組みの実施状況

 (1)の特定健診受診率については、2014年度において▽60%(第2期特定健診実施計画期間の目標値)▽44.1%(2013年度の上位3割)▽38.4%(同上位5割)▽2013年度実績から1%以上向上しているか―といった具体的な数値基準も示されました。

 動揺に、特定保健指導については、2014年度において▽60%(第2期特定健診実施計画期間の目標値)▽44.2%(2013年度の上位3割)▽28.1%(同上位5割)▽2013年度実績から5%以上向上しているか―という数値基準が示されています。

 また(2)では、2014年度において▽胃・肺・大腸・子宮頸・乳がん(5大がん)の平均検診受診率が12.6%(2013年度の上位3割)▽5大がんの受診率が2013年度比で1%以上向上しているか―といった基準が設けられる見込みです。

 さらに医療機関にも関係の深い項目として(5)では、2016年度において「同一月に2以上の医療機関より、同一の薬効の薬剤の投与を受けている」重複投与者を抽出し、その人に何らかのアプローチを行っているか、といった項目が指標として例示されています。

 一方、(6)の後発品については、2016年度において▽後発品の使用割合(数量・金額)・後発品の薬剤費額の把握▽後発品の使用状況を性・年齢別などに類型化して把握し、事業目標を設定▽後発品の差額通知事業の実施、通知前後での後発品への切り替え状況確認―を行っているか、2015年度において▽66.2%(2013年度の上位1割)▽61.0%(同上位3割)▽2014年度比で10%以上向上しているか―という基準が掲げられています。

地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みによって、国保にインセンティブ

 上記に加えて、国保固有の指標として次の5項目も掲げられています。

(a)保険料(税)の収納率向上に関する取り組みの実施状況

(b)医療費などの分析(データヘルス計画を策定しているか)

(c)給付の適正化など(医療費通知を行っているか)

(d)地域包括ケアの推進

(e)第三者求償(例えば交通事故の被害者が医療保険を使って医療機関を受診した場合、加害者に医療費の請求をしているかなど)

 このうち(d)の地域包括ケアについては、2016年度に▽医療・介護・保健・福祉・住まいなどの議論への国保部局の参画▽KDB(国保データベース)やレセプトデータを活用して健康事業・介護予防・生活支援の対象者の抽出▽国保直診(国保直営の診療施設)を拠点とした地域包括ケア推進▽後期高齢者医療制度と連携した保健事業の実施―のいずれかを行っているか、といった点が評価指標となる見込みです。

 

 これらの指標は今秋に確定される予定です。

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