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新潟リハビリテーション病院、戦略的な病院運営のために日本病院会の「JHAstis」を活用

2016.6.29.(水)

 日本病院会の出来高病院経営支援ツール「JHAstis」を活用して、今後の病床構成・運営を戦略的に考えていく―。

 いち早くJHAstisに参加した新潟リハビリテーション病院の阿部事務長は、このように強調します。

出来高病院の経営支援ツール「JHAstis」、分析等はGHCが担当

 JHAstis(Japan Hospital Association Strategy Tactics Information System=日本病院会戦略情報システム)は、日本病院会が2016年度の重点事業の1つに掲げる「出来高病院の経営支援」を具体化するもので、参加病院から提供された「患者の個人情報などを匿名化したレセプトデータ」を基に、個々の病院ごとに、経営改善に必要な各種データが、定期的にレポート形式で配信されます(関連記事はこちらこちら)。

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 データ分析などはGHCが担当しており、レポートは、毎月配信する「月次レポート」と、4か月に1度配信する「定期レポート」、診療報酬改定などの際に臨時配信する「臨時レポート」3段構成となっています。

 月次レポートでは、個々の病院ごとに(1)主要経営指標分析(2)診療科別分析(3)加算分析―からなり、(3)の加算分析は、例えば5、6月は「総合評価加算」、7、8月は「退院支援加算」といった具合にテーマを定め、▽前半(総合評価加算であれば5月)は個々の病院ごとの算定状況など▽後半(同6月)はベンチマーク分析―といった構成です。

 定期レポートでは、例えば病床機能報告制度や医療計画など、トピックごとに「必ず抑えておかなければならない重要情報」などを分かりやすく配信することを考えています。

 また臨時レポートとして、2016年度診療報酬改定の内容について詳細な解説を行いました。

限られた医療資源を効率的に活用した病床を目指して「JHAstis」を活用

 JHAstisには、すでに約120病院が参加されていますが、どのように活用しておられるのでしょう。

 今回、いち早くJHAstisに手を上げていただいた医療法人愛広会新潟リハビリテーション病院の阿部事務長と、伊東医事課長にお話を伺うことができました。

 同院は、新潟市北区に位置する「リハビリ」「整形」「スポーツリハビリ」の分野で質の高い診療提供を目指す総合的なリハビリテーション病院です。病床数は168床で、一般108床、療養病床60床で回復期リハビリテーション病棟1、地域包括ケア入院医療管理料1を算定している病床構成になります。

 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士合計70名近い常勤スタッフと広い訓練室や病棟でのリハビリも組み合わせ、患者さんの状況に応じた対応をしている。同区内にある新潟医療福祉大学と連携のもと、充実したリハビリ内容を提供し、365日リハビリテーションを実施することで患者さんの早期社会復帰を目指している。先進医療機器を用いた診療も行い、他にメディカルフィットネスと多目的ホールを併設し、一歩進んだリハビリテーション(トレーニング等)を行うことで、患者さんの様々な要望に応えている。

 まずJHAstis導入の経緯について、阿部事務長は「日本病院会のサービスという点で、安心・信頼でき、法人本部の了解もスムーズに得られた」と説明されます。

 病床機能報告制度の中で、「新潟リハビリテーション病院はコンセプトであるリハビリテーションをメインとした回復期機能に特化してはどうか」と検討を続け、新潟県からの転換補助金も追い風となって、地域包括ケア病棟への転換を決断したと伊東医事課長も、振り返ります。

 このように、「戦略的」に病床機能分化を進めている同院ですが、阿部事務長は「今後、病院をどのようにしていくべきかを話し合っている。事務方としての考えを示し、病院全体で納得して今後の戦略を練っていく必要がある」とし、その中で、「地域医療に貢献しながら、限られた医療資源を効率的に活用した病床を目指すにはどうすればよいかをJHAstisも活用しながら検討していきたい」と強調しています。

加算算定に向けた具体的かつ分かりやすいアドバイス

 JHAstis参加病院には、すでに2016年度改定に関する臨時レポート、月次レポートの配信が行われています。

 その内容について伊東医事課長は、「今回改定の概要や、提出したレセプトをベースにした当院向けのアドバイスもある。例えば、『あとどれだけ後発医薬品を使用すれば後発医薬品使用体制加算を算定できるのか』など、非常に具体的で分かりやすい。また当院では整形にも力を入れているが、手術における薬剤費や材料費の変動率など、これまで分析してこなかった項目の分析も加えられている。以前から『データの可視化』をしたいと考えていたところ、今回のJHAstisを活用することで、当院における診療報酬の算定状況だけでなく、『どこがウィークポイントなのか』も明確になった。非常に有益な内容である」と高く評価してくださっています。

 なお、阿部事務長と伊東医事課長は、今後に向けて、▽一般病棟と回復期リハビリ病棟のケアミックス病院全体の中で、当院がどの程度に位置しているのか▽トピック事項(例えば病床機能報告制度など)▽職員1人当たりの生産高―などの記載に期待を寄せています。

 DPCだけではなく、出来高病院においても「地域のライバル病院の動き」や「全国における自院の立ち位置」を確認しながら、将来の戦略を立てていく必要性が高まってきています。さらに、一般企業ではすでに「当たり前」のことになっていますが、事務方だけではなく、診療現場に立つ職員1人1人が、コストや自らの生産高を意識することが病院経営においても求められています。両氏のご期待はこの点も見据えたものといえるでしょう。

 この点、JHAstisでは、「月次レポート」「定期レポート」で順次ベンチマーク分析結果などをお伝えする予定です。

「病床戦略の重要資料」「予算・事業計画の根拠」にもJHAstisを活用

 ところで、病院内部でこうしたレポートをどのように活用できるのでしょう。

 伊東医事課長は、「現在、法人本部と今後の病床戦略などをより具体的に話し合っており、その際の重要資料として活用している」とし、さらに今後は▽院内における経営管理会議資料▽予算・事業計画立案の際のエビデンス―としても活用したいとの考えです。

 同院は、かつては主に療養機能を担う病院でしたが、2014年度改定で地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料が新設されると、新潟県内で最初に届出を行った。また回復期リハビリ病棟でも「やるなら回復期リハ1を目指そう」と考え、戦略的に「回復期機能への特化・充実」を進めています。

 阿部事務長、伊東医事課長は診療部門の思いをサポートするために、JHAstisをより活用していく考えです。

【JHAstisに関するお問い合わせ】

 日本病院会会員の出来高算定病院、あるいは日本病院会への入会を検討している出来高算定病院は是非、日本病院会・情報統計課「JHAstis」係(mail:jhastis@hospital.or.jp)までお問い合わせください。

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