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GemMed塾 看護モニタリング

オプジーボ使用後に別の抗がん剤使用した症例で間質性肺疾患が7例発生、うち3例が死亡―日本臨床腫瘍学会

2016.7.14.(木)

 非小細胞肺癌患者において、オプジーボ投与終了後に抗がん剤のEGFR-TKI(上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤)を投与した症例で間質性肺疾患が7例発現し、うち3例は死亡している―。

 日本臨床腫瘍学会は、オプジーボにはこうした重篤な副作用が出現する場合があることも踏まえて、緊急時に十分に対応できる医療機関で、がん化学療法に十分な知識・経験のある医師の下で、適切な量・方法での投与を受けてほしいと13日に注意喚起しています(同学会のサイトはこちらこちら)。

オプジーボ、施設要件を遵守した施設・医師の下での使用を

 オプジーボ(ニボルマブ製剤)は、患者自身が持つ免疫力を高める機能があるとされる新型の抗がん剤で、従来の抗がん剤や手術で改善されなかった患者で有効性が確認されるなどして注目されています。現在、「根治切除不能な悪性黒色腫」と「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の効能・効果が認められています。

 もっとも、オプジーボには▽間質性肺炎▽甲状腺機能異常▽劇症I型糖尿病▽自己免疫性腸炎▽重症筋無力症―などが約10%の患者で発生するなど、重篤な副作用もあります(関連記事はこちらこちらこちら)。

 このためオプジーボの使用は、▽日本呼吸器学会の専門医や日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医などが在籍している▽副作用の診断・対応を適切に行える▽CT画像検査を直ちに実施できる▽緊急時に十分な対応ができる(入院設備を完備し、24時間の診療が可能)▽前例調査に協力・契約が可能である―といった施設要件を満たしている医療機関に限られています。また、使用できる医師にも、▽日本呼吸器学会の専門医や日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医など▽副作用に対して他科と連携して適切な処置ができる―などの要件が定められています。

 一方、こうした要件を満たさない施設・医師が、海外から個人輸入し、定められた用法・用量で適応症(現在は、前述のとおり悪性黒色腫、非小細胞肺がん)以外の疾患に投与する事例があると言います。

 こうした状況を憂慮し、日本臨床腫瘍学会は13日、オプジーボやヤーボイ(イピリムマブ製剤)の治療を受ける患者に対して、「有効かつ安全に投与できる要件を満たす施設・医師のもとで、適切な投与量・投与方法で投与を受ける」よう注意喚起を行っています。

オプジーボ使用後にEGFR-TKI投与、7例で間質性肺疾患が生じ、うち3例で死亡

 また同学会は、オプジーボの投与後に、EGFR-TKI(上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤、販売名:タグリッソ錠)を使用した患者において、7件で両剤の影響が否定できない間質性肺疾患が発現し、うち3件では死亡に至ったという情報提供も行っています。

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