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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

病院の訪問看護は年間167万円の収入増も、重度者対応の新加算で―検証・介護報酬改定2015(3)

2015.2.12.(木)

 メディ・ウォッチでは、6日に決着した2015年度介護報酬改定の中身を個別サービスごとに少し詳しく見ています。第3回は「訪問看護」です。訪問看護ステーションでは基本サービス費が引き下げられましたが、新設された看護体制強化加算を用いることで、大幅な増収を目指すことも可能です。基本サービス費が引き上げられた病院はさらなる増収が可能で、毎月35名の利用者に、月7回程度の訪問看護を実施(月間245回の訪問)する場合、年間167万円を超える収入増が見込まれます。

【関連記事】

<検証・介護報酬改定2015>

(1)大幅減の介護療養、80床規模で年間1634万円減収も
(4)【在宅機能強化型老健、80床規模で年間65万円程度の減収見込み
(6)在宅の高齢者リハビリ(2/13掲載予定)

<15年度介護報酬改定答申>

(1)重篤な身体疾患のある人が多く入所する介護療養、「療養機能強化型」として新評価
(2)医療ニーズ高い要介護者の在宅移行を推進、訪問看護に新加算
(3)在宅リハの報酬体系を大幅見直し、多職種マネジメントを評価

中-重度者への対応力強化で、300単位の新加算算定可能に


 

 訪問看護については、「訪問看護ステーション」と「病院・診療所」で取り扱いが異なります。基本サービス費を見ますと、訪問看護ステーションでは引き下げ、病院・診療所では引き上げとなりました。

訪問看護の基本サービス費、訪問看護ステーションでは引き下げ、病院・診療所では引き上げ

訪問看護の基本サービス費、訪問看護ステーションでは引き下げ、病院・診療所では引き上げ

 一方、要介護度が高くなっても在宅生活を継続できる環境を整えるために、中-重度者への対応を充実している事業所を評価する「看護体制強化加算(1か月当たり300単位)」が新設されます。この加算を算定するためには、次の要件をすべて満たすことが必要です。

▽算定月が属する月の前3か月において、緊急時訪問看護加算を算定する利用者が50%以上

▽算定月が属する月の前3か月において、特別管理加算を算定する利用者が30%以上

▽算定月が属する月の前12か月において、ターミナルケア加算を算定する利用者が1人以上(介護予防を除く)

 この加算を算定することができれば、基本サービス費の下がった訪問看護ステーションでも改定後に大幅な収入増が見込めそうです。

利用者35人に月7回の訪問だと年150万円の増収

 要介護5の利用者に対し、1回30分以上60未満の訪問看護を月7回、訪問看護ステーションから実施した場合、「看護体制強化加算」の算定によって、1人1か月当たり、改定前(6878単位)よりも160単位高い7038単位を算定できます。事業所における1か月間の利用者数を平均35人と仮定すると、改定後の収入は1か月当たり246万3300円(改定前よりも12万6000円増)、1年当たり2955万9600円(同151万2000円増)と推測できます。

訪問看護ステーションにおける1人1か月あたり収入の試算、新設された看護体制強化加算の算定で収入増に

訪問看護ステーションにおける1人1か月あたり収入の試算、新設された看護体制強化加算の算定で収入増に

 また、同じ前提で病院・診療所から訪問看護を実施した場合には、新たに「看護体制強化加算」を算定することで、1人1か月当たり、改定前よりも398単位高い5059単位を算定することが可能になります。事業所における1か月間の利用者数を平均35人と仮定すると、改定前に比べて1か月当たり13万9300円、1年当たり167万1600円の収入増になると推測できます。

病院・診療所からの訪問看護、基本サービス費が引き上げられ、かつ新加算創設で大幅な収入増が期待できる

病院・診療所からの訪問看護、基本サービス費が引き上げられ、かつ新加算創設で大幅な収入増が期待できる

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