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後発品使用割合61.4%、「17年央に70%」の目標は達成可能か―協会けんぽ15年10月時点

2016.2.24.(水)

 主に中小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽでは、ジェネリック医薬品(後発品)の使用割合が昨年(2015年)10月時点で61.4%(数量ベース、新指標)となったことが、全国健康保険協会の調べで分かりました。

 15年6月をやや上回る水準に戻ったにすぎませんが、直近のペースを維持できれば政府の掲げる後発品割合70%は期限(2017年央)どおりに達成できそうです。

15年7月以降、1か月あたり0.5ポイントのペースで後発品割合が上昇

 政府は「2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上とし、18年度から20年度末までのなるべく早い時期に80%以上とする」という目標を掲げています。先発品と効能・効果が同じで安価な後発品の使用を促進することで、医療費の膨張を抑え、患者の経済的負担を減らすことができるからです。

 協会けんぽを運営する全国健康保険協会でも、「後発品(ジェネリック)の使用促進」を重要施策に位置付け、▽後発薬に切り替えた場合の自己負担額の軽減効果を通知するサービスの対象範囲の拡大▽後発薬希望シールの配布▽地域の実情に応じた医療機関関係者、薬局関係者への働き掛け―などを行うとともに、毎月、後発品の使用割合を公表しています。

 それによると、2015年10月の後発品割合は数量ベースで61.4%(新指標、調剤分)となり、過去最高となったことが分かりました(関連記事はこちら)。

 しかしこれまでの状況を見ると、2015年1月に61.2%となってから横ばいが続き、同年6月に再び61.2%を記録した後、翌月の15年7月には59.9%に下落しています。その後、後発品割合は上昇していますが、15年6月の水準に回復したと考えるのが妥当でしょう。

 ただし15年7月からの状況を見ると、▽7-8月:0.5ポイント上昇▽8-9月:0.4ポイント上昇▽9-10月:0.6ポイント上昇―となっており、月に平均0.5ポイントのペースで後発品割合が上昇しています。

 仮にこのペースが維持されれば、70%を達成できるまでに18か月が必要で、達成時期は2017年3月となります。2016年度の診療報酬改定では更なる後発品推進策が数多く盛り込まれています(関連記事はこちらこちらこちら)。これも手伝って、政府の掲げる「2017年央に後発品の使用割合を数量ベースで70%以上」という目標はクリアできそうです。

協会けんぽの後発品使用割合(数量ベース、調剤分)の年次推移、2015年10月に61.4%で過去最高になった

協会けんぽの後発品使用割合(数量ベース、調剤分)の年次推移、2015年10月に61.4%で過去最高になった

後発品割合が最も高いのは沖縄の74.5%、最も低いのは徳島の50.0%

 都道府県別に見ると、沖縄県の74.5%が最も高く、次いで鹿児島県68.6%、岩手67.5%、山形66.5%と続いています。15年8-9月にかけて先進地域の「足踏み」が気になりましたが、9-10月は順調に推移しているようです。

 逆に、最も低いのは徳島県の50.0%で、山梨52.9%、高知54.8%、和歌山57.5%なども低い状況ですが、後発品使用割合は徐々に上昇しています。

都道府県別の後発品使用割合、最高は沖縄の74.5%、最低は徳島の50.0%

都道府県別の後発品使用割合、最高は沖縄の74.5%、最低は徳島の50.0%

 

 主な薬効分類別に、後発品使用割合が高い医薬品を見ると、数量ベースでは血管拡張剤の70.3%、去たん剤の64.5%、消化性潰瘍用剤の61.0%などで、いずれも上昇傾向にあります。また金額ベースでは、血管拡張剤の58.0%、去たん剤の47.4%、ビタミン剤の38.8%などが高くなっています。

 逆に後発品使用割合が低いのは、数量ベースでは代謝拮抗剤の1.9%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の8.5、泌尿生殖器官及び肛門用薬の21.6%、金額ベースでは代謝拮抗剤の1.7%、ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)の1.8%、抗ウイルス剤の1.8%などとなっています。

主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(数量ベース)

主な薬効分類別に見た後発品使用割合の年次推移(数量ベース)

主な薬効群別に見た後発品使用割合の年次推移(金額ベース)

主な薬効群別に見た後発品使用割合の年次推移(金額ベース)

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