Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Search in posts
Search in pages
GemMed塾 2024年度版ぽんすけリリース

7割超の病院で看護部長が病院の経営方針策定に参画、500床以上では9割弱―日看協

2016.4.19.(火)

 73%の病院で、看護部長が病院経営会議の正式メンバーになっており、63.8%の病院で病院の経営方針に決定に関与している。また大規模な病院ほど、看護部長が病院経営に参画する裁量や権限を持つ割合が高くなる―。

 こういった状況が、日本看護協会が15日に公表した「2015年病院看護実態調査」の結果速報から明らかになりました(日看協のサイトはこちら)(前年度の調査結果はこちら)。

看護職員の経営参画が進む中では、経営に関する知識の修得が重要に

 日看協は毎年、病院看護職員の需給動向や労働状況、看護業務の実態などを調査しています。

 2015年調査では「看護部長の権限の程度」についても調べており、それによると、73.0%の病院で看護部長が病院経営会議の正式メンバーとなっており、63.8%の病院では看護部長が病院の経営方針の決定に関与していることが分かりました。つまり、6割以上の病院で「看護部長が病院経営に参画している」のです。

 また病院の規模別に見ると、大規模病院ほど看護部長の経営に関する権限が大きいことも分かりました。

病床規模別に「看護部長の裁量や権限(病院経営への参画)」を見ると、大病院ほど看護部長の経営参画度合いが高い傾向が伺える

病床規模別に「看護部長の裁量や権限(病院経営への参画)」を見ると、大病院ほど看護部長の経営参画度合いが高い傾向が伺える

【看護部長が病院経営会議の正式メンバーとなっている病院の割合】

▽500床以上:92.4%

▽400-499床:88.7%

▽300-399床:84.1%

▽200-299床:76.8%

▽100-199床:73.9%

▽99床以下:55.0%

【看護部長が病院全体の予算収支の決定に関与している病院の割合】

▽500床以上:66.3%

▽400-499床:58.0%

▽300-399床:53.4%

▽200-299床:46.0%

▽100-199床:39.2%

▽99床以下:25.8%

【看護部長が病院経営方針の決定に関与している病院の割合】

▽500床以上:88.0%

▽400-499床:79.2%

▽300-399床:80.1%

▽200-299床:66.9%

▽100-199床:62.0%

▽99床以下:45.5%

 今後もこの傾向は強くなると予想され、看護師にとっても経営に関する知識などの修得がますます重要になってくることでしょう(関連記事はこちらこちら)。

大病院ほど前方連携・後方連携を強化する方針

 また2015年の実態調査では「外来看護の方針」についても調査が行われました。それによると、59.4%の病院が「病棟と連携し、在宅療養につなげる機能を強化する」方針を、44.4%の病院が「病棟と連携し、外来から入院につなげる機能を強化する」方針を打ち出しています(複数回答)。

 前者は「後方連携」、後者は「前方連携」を意味します。後方連携によって在院日数の短縮を図り、前方連携によって患者確保を行うという、病院経営の基本に沿った方針と言えます。

 病院の規模別に見ると、大病院ほど前方連携・後方連携を強化していることが分かりました。

病床規模別に「今後の外来看護の方針」を見ると、大規模病院ほど前方・後方の連携を強化していくことが伺える

病床規模別に「今後の外来看護の方針」を見ると、大規模病院ほど前方・後方の連携を強化していくことが伺える

新卒看護師の給与や、夜勤の手当額は前年に比べて減少傾向

 このほか2015年の実態調査結果からは、次のような状況が明らかになっています。

▽2014年度の常勤看護職員離職率は10.8%で、前年度よりも0.2ポイント減少(改善)した

▽2014年度の新卒看護職員離職率は7.5%で、前年度から増減なし

病院看護職員の離職率の推移(過去5年間)を見ると、常勤職員では大きな変化はないが、新卒では若干減少していると見ることもできる

病院看護職員の離職率の推移(過去5年間)を見ると、常勤職員では大きな変化はないが、新卒では若干減少していると見ることもできる

▽看護職員の離職率が高いのは、東京都(14.2%)、神奈川県(13.8%、大阪府(13.7%)など大都市とその近郊である

▽2015年の平均予定初任給(高卒+3年課程)は26万2013円(税込み)で、前年度から552円減少(基本給は19万8777円)

▽2015年の平均予定初任給(大卒)は26万9788円(税込み)で、前年度から1018円減少(基本給は20万5859円)

▽2015年の「勤続10年、31-32歳、非管理職」の平均給与は31万9256円で、前年度から1139円増(基本給は24慢5426円)

▽2015年の夜勤手当は、三交代制の準夜勤で3983円(前年度から207円減)、三交代制の深夜勤で4953円(同306円減)、二交代制で1万711円(同148円減)(関連記事はこちら

平均夜勤手当額の推移、2011年をピークに減少傾向にある

平均夜勤手当額の推移、2011年をピークに減少傾向にある

【関連記事】
看護師の離職率、常勤は11%、新卒は7.5%、小規模病院で高水準―日看協調査
夜間の看護体制充実を評価する加算、「負担軽減に資する業務管理項目」の遵守がポイントに―2016年度診療報酬改定で厚労省
急性期と回復期の機能を併せ持つ「地域包括ケア支援病院」の創設を提唱―日病・堺会長
中小規模病院の看護管理者向けに能力向上支援ガイド、課題をメリットと捉え魅力ある組織の構築を―厚労省

診療報酬改定セミナー2024