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基準該当サービスの利用は272市町村、地域密着の独自報酬上乗せは19市町村―2015年度介護保険事務調査

2016.4.19.(火)

 厚生労働省が14日に発表した2015年度の「介護保険事務調査の集計結果」によると、基準該当サービスを実施している市町村は全体の17.2%・272保険者、地域密着型サービスの報酬を独自に設定している市町村は全体の1.2%・19保険者、区分支給限度基準額の独自の上乗せを行っている市町村も同じく1.2%・19保険者であることなどが分かりました(前年の調査結果はこちら)。

 また地域支援事業については、家族介護支援は90.7%・1579保険者が、認知症サポータ等養成は57.3%・998保険者が、地域自立生活支援は36.6%・638保険者が実施していることも分かりました。

低所得者の介護保険料を減免しているのは498市町村、3原則遵守は92.2%

 介護保険事務調査は、毎年4月1日現在の(1)介護保険料(2)要介護認定(3)地域支援事業(4)給付―などを集計したものです(関連記事はこちらこちら)。

 まず(1)の保険料について見てみると、65歳以上の第1号被保険者では、年金から保険料を天引きする「特別徴収対象者」は約2965万人(前年に比べて125万人増)、振り込みなどで保険料を納める「普通徴収対象者」は約386万人(同2万人増)で、第1号被保険者の88.5%が特別徴収の対象となっています。

 低所得者の保険料を減免している保険者は498(同4減)で、全体の31.5%を占めました。

 介護保険制度には、保険料を減免する場合、▽収入のみに着目して一律に減免するのではなく、負担能力を個別に判断して減免する▽全額免除は行わず、減額にとどめる▽保険料を減免しても、市町村の一般会計からの財源の繰り入れは行わない―という「3原則」があります。保険料の減免を行っている498保険者のうち、この3原則を守っているのは459保険者(92.2%)でした。

要介護認定調査、直接実施が1717、委託が380

 (2)の要介護認定については、認定調査を直接実施している市町村が1717(同3減、調査件数は135万4000件)、事務受託法人へ委託している市町村が380(同32増、調査件数は26万9000件)で、委託割合が増加する傾向に変わりはありません(重複あり)。

要介護認定事務の状況

要介護認定事務の状況

 介護保険サービスのうち、定期巡回随時対応サービスなどの地域密着型サービスについては、事業所の乱立による「共倒れ」を防ぐために、サービス提供事業所の指定が行われるケースがあります。この事業所の指定を公募制で実施している保険者は423あり、内訳は▽定期巡回・随時対応型訪問介護看護が231(同71増)▽小規模多機能型居宅介護が382(同40増)▽看護小規模多機能型(旧、複合型サービス)が166(同29増)―という状況です。地域密着型サービスの整備増が伺えます。

地域支援事業、家族介護支援は1579市町村、全体の9割超で実施

 また(3)の地域支援事業の実施状況を見ると、認知症高齢者の見守り事業など「家族介護支援事業」を行っている市町村は延べ1579(同571増)、「福祉用具・住宅改修支援事業」は延べ935(同37減)、介護サービスの質向上などを目的とした「地域自立生活支援事業」を実施しているのは延べ638(同132減)となっています(重複あり)。

地域支援事業の実施状況、家族介護支援は90.7%・1579保険者が、認知症サポータ等養成は57.3%・998保険者が、地域自立生活支援は36.6%・638保険者が実施

地域支援事業の実施状況、家族介護支援は90.7%・1579保険者が、認知症サポータ等養成は57.3%・998保険者が、地域自立生活支援は36.6%・638保険者が実施

区分支給限度基準額の上乗せは19の保険者で実施

 (4)の給付については、地域によっては介護サービスが不足するところもあるため、介護保険法の厳格な基準は満たせないものの、設備や人員体制を一定程度整備し、「介護サービス提供を適切に行える」と市町村が自ら認めた事業所を介護保険の適用対象とすることができます(基準該当サービス)。

 この基準該当サービスを実施しているのは272(同17減)の保険者で、全体の17.2%になりました。指定事業所が増加して基準該当の出番が減っているのか、別の事情があるのか検証が必要と言えそうです(関連記事はこちらこちら

 サービスごとの件数の内訳は、▽訪問介護で93(同9減)▽通所介護で73(同3減)▽福祉用具貸与で27(同5減)▽短期入所で137(同2減)▽介護予防訪問介護で68(同4減)▽介護予防通所介護で61(同10減)▽介護予防福祉用具貸与で25(同4減)▽介護予防短期入所で80(同15減)―などとなりました。

基準該当サービスを活用している市町村は272

基準該当サービスを活用している市町村は272

 また、被保険者に対して介護サービスの利用券(バウチャー)を事前に交付し、これに基づいてサービスを受ける(現物給付)という仕組みを採用している保険者は12(同1増)あります。

 さらに介護保険では、医療保険と異なり、市町村独自のサービスなどを追加で行うことも認められています。

 この独自サービスの実施状況を見ると、▽地域密着型サービスに市町村独自の報酬を設定しているのは19保険者(同4減)▽支給限度基準額(要介護度別に、利用者が保険を使える毎月の限度額)を上乗せしているのは19保険者(同2増)―などとなっています。

地域密着型サービスの独自上乗せ報酬を実施している市町村は19、区分支給限度基準額の独自上乗せを実施している市町村も19

地域密着型サービスの独自上乗せ報酬を実施している市町村は19、区分支給限度基準額の独自上乗せを実施している市町村も19

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