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GemMed塾 病院ダッシュボードχ 病床機能報告

病院の課題を短時間で把握し、具体的な改善策を立てるには―病院ダッシュボード入門講座(第1回)

2015.12.16.(水)

 GHCの次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」を使えば、重要な経営指標となるデータを、他病院とベンチマーク分析した上で、誰でも瞬時に、視覚的に分かりやすく改善のポイントを把握することができます。病院ダッシュボードで把握した課題を医師に投げかけることで、院内全体の経営改革の突破口を開くこともできます。

 GHCでは、病院ダッシュボードを新規に導入された病院の担当者などに少しでも早く使いこなしていただくために、全3回の「入門講座」をご用意。15日には、その第1回をGHCの新宿オフィスで開催しました。

12月15日にGHCが開催した病院ダッシュボード「入門講座」で講師を勤めた、コンサルタント兼カスタマーサポート担当の薄根詩葉利

12月15日にGHCが開催した病院ダッシュボード「入門講座」で講師を勤めた、コンサルタント兼カスタマーサポート担当の薄根詩葉利

全3回の入門講座、プレゼンのノウハウも伝授

 入門講座は、病院ダッシュボードを新規に導入された病院の担当者や、人事異動で新たに担当となった方に向けて、病院ダッシュボードの「基本の『き』」を伝授するものです。

 今回開催した第1回目のテーマは、「病院ダッシュボードの基本操作」。改善ポイントを瞬時に探るために病院ダッシュボードをどのように操作すればよいのかを、実際にPCを操作しながら学んでいただきます。全国の病院から28名の方にご参加いただきました。

 第2回(2016年1月19日開催)では、「院内の会議や委員会へ提出するための資料」を実際に作成していただきます。短い時間で経営陣や医療スタッフの目に止まり、納得してもらうための資料作りにはコツがあります。

 第3回(2016年2月16日開催)では、作成していただいた資料を基に総合演習を行います。GHCのコンサルタントが、プレゼンのノウハウを伝授します。

12月15日にGHCが開催した病院ダッシュボード入門講座第1回、全国の病院から大勢の方にご参加いただきました。PCを用いて、実際に病院DBの操作をしながら、分析手法を学んでいただきました。

12月15日にGHCが開催した病院ダッシュボード入門講座第1回、全国の病院から大勢の方にご参加いただきました。PCを用いて、実際に病院DBの操作をしながら、分析手法を学んでいただきました。

 

 第1回目の講師を勤めたGHCコンサルタント兼カスタマーサポート担当の薄根詩葉利は、診療情報管理士として、実際に病院で病院ダッシュボードを使用していました。そこでの経験をもとに「より効果的に病院ダッシュボードを活用するには、次のようなサイクルを回すことが重要」と強調します。

(1)課題をつかむ

  ↓

(2)課題を明らかにする

  ↓

(3)改善策を練る

  ↓

(4)アクションする

  ↓

(5)検証する

  ↓

再度(1)からスタート

入門講座1 151215
 

 薄根はこのサイクルに沿って病院ダッシュボードを操作し、例えば(1)、(2)の課題をつかむためにはどの機能を使えばよいのか、(3)の改善策を練るためにはどのような分析を行えばよいのかなどを明らかにしていきます。

 まず(1)の課題をつかむためには、院内の状況「全体」を把握することが必要です。病院ダッシュボードの「俯瞰マップ」を使えば、自院の全体像が瞬時に把握できます。病院ダッシュボードでは、▽平均在院日数▽期間II超割合▽対出来高増減収率▽医療資源▽1日単価▽1日手技単価▽手術症例割合▽手術単価▽緊急入院率―という9つの指標を予めピックアップしており、自院と全体とをレーダーチャートを用いて比較することができます。ここから「自院の強み」と同時に、「課題」「改善点」を把握できます。

入門講座3 151215

 次に(2)の「課題の明確化」を行うために、診療科別の状況をチェックし「特に課題の多い診療科」を洗い出します。すべての課題を一気に解決することはできません。「緊急対応」が必要な診療科に、改善に向けた資源(マンパワーや時間など)を集中させる必要があるためです。

 薄根は、まず▽月当たりの症例数の変化▽平均在院日数▽期間II超の割合▽手術症例割合▽手術単価▽緊急入院率―などをチェックしてはどうかと強調しています。

入門講座4 151215

青、黄、赤の3色で病院の状況を視角化、赤の項目は「要改善」

 課題を明確にした後には、(3)の「改善策を練る」ステージに入ります。

 病院ダッシュボードでは、「青」「黄」「赤」の3色で病院の状況を可視化しています。青色で表示される項目は「上位25%」の優秀なパフォーマンスが見られるところ、赤色で表示される項目は「下位25%」の緊急な改善が必要ところ(要アクション)、黄色で表示される項目は要注意なところと言えます。

入門講座5 151215

 薄根は心臓カテーテル検査を例にとり、「ケース分析」という機能を用いて▽平均在院日数▽在院日数の分布▽抗生物質製剤の使用―などが、他院と比べてどのような状況にあるのかを調べる手法を紹介しました。例えば、平均在院日数が短くても、在院日数の分布にばらつきがある場合にはパスの運用がうまく行っていない可能性があります。この場合、診療科内でのパスを適切に運用することを責任者から伝えてもらうなどの対策案が浮かんできます。

 また厚生労働省が毎年公開している退院患者調査データを基にした「マーケット分析」機能を用いれば、疾患ごとの地域での症例獲得シェアなどを瞬時に把握することができます。ライバル病院に症例を奪われていないか、奪われているとしたら、どのような対策をとるのか(優秀な医師の獲得や、地域連携の強化など)などが見えてきます。

【最終版】入門講座スライド① MW用 追加

 さらに「患者エリア分析」機能を使えば、自院の入院患者がどの地域から来院されているのかを視角的に把握できます。自院の集患や地域連携の戦略立案において威力を発揮します。

入門講座7 151215

 年明け1月 に開催する第2回では、こうした分析資料を実際に参加者自ら作成していただきます。さらに2月の 第3回では、自ら作成した資料をもとにプレゼンテーションの演習を行い、GHCコンサルタントから具体的なノウハウを伝授いたします。

【連載◆病院ダッシュボード入門講座】
(1)病院の課題を短時間で把握し、具体的な改善策を立てるには
(2)医師を動かし院内を変革させる資料作成、これだけは押さえたい3つのステップ
(3)院内に伝えるべきことが伝わる効果的なプレゼン手法とは

解説を担当したコンサルタント 薄根 詩葉利(うすね・しより)

morimoto 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルタント兼カスタマーサポート担当。
国際医療福祉大学医療福祉学部卒業。高度急性期病院の診療録管理室勤務を経て、GHCに入社。診療情報管理士の資格を持ち、DPC分析全般を得意とする。「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトに開発された次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」のカスタマーサポートも務める(関連記事『データ軸にパス見直し、および入院医療の外来化を推進、II群病院の維持に貢献―病院ダッシュボードユーザー会』)。

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