【GHC】【439病院581人参加】病床機能分化の成功の鍵とは ~戦略的に検討して成果につなげよう~【ミニウェビナー開催報告+アジェンダサマリー】
2025.12.1.(月)
グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)は11月18日、病院関係者であれば無料で参加できるミニウェビナー「病床機能分化の成功の鍵とは ~戦略的に検討して成果につなげよう~」を開催しました。提供する医療とその対象患者を5~10年のスパンで見直す「病床戦略」をテーマにした内容で、439病院581人参加。講師はGHCコンサルタントの小野祐希乃が務めました。本記事ではミニウェビナーのアジェンダにそって、講演内容のサマリーをお届けします。

(1)問題意識の共有
(2)なぜ病床戦略を検討すべきなのか?
(3)病床戦略を考えるべき病院とは?
(4)病床戦略における選択肢と判断基準
(5)病床戦略の検討~実行までの流れ
(6)病床戦略を進める上でのハードルと乗り越え方
※そのほかの方は病院経営コラム『3つの「失敗事例」で分かる病床戦略、「現状維持バイアス」の乗り越え方』をご参照ください
(1)問題意識の共有
病院経営において、病床稼働を高水準で維持できないと収益はあがりません。そのためには、空床を出さない入退院支援と戦略的集患が欠かせません。これができない病院は、自病院の病床の機能を見直す「病床機能分化」、あるいは提供する医療とその対象患者を5~10年のスパンで見直す「病床戦略」のいずれかを検討する必要があります(以下図表)。

(2)なぜ病床戦略を検討すべきなのか?
国は全国の病院に対して、急性期医療を担う病院には「急性期らしさ」の厳格化を求めて、そのほかの病院には退院支援の強化、外来や在宅医療など入院しない患者の支援強化を求めています(以下図表)。こうした中で、これまで急性期を担ってきていた病院の多くが、その役割の見直しを迫られています。この見直しは「イス取りゲーム」の側面もあるため、早期に方向性を定める必要がありますが、焦って方向性を見誤ると取り返しのつかない失敗をする可能性が極めて高く、注意が必要です。

(3)病床戦略を考えるべき病院とは?
病床戦略を考えるべきか否か、その答えは個々の病院の外部環境および内部環境によるため、一概に論じることはできません。ただ、検討する一つの目安として、(1)経営指標(2)症例構成(3)人員体制(4)地域の役割――の4つの視点から検討するのは最適なアプローチ方法と言えます。それぞれの視点を詳しく確認します。
(4)病床戦略における選択肢と判断基準
国が「急性期らしさ」の厳格化を求めていることが、病床戦略を検討する引き金の一つになっています。ただ、「病床戦略=急性期をやるか否か」という単純な話ではありません。病床戦略は、個々の病院の外部環境および内部環境を注意深く検証し、その上でさまざまな戦術の組み合わせから成り立つものです。病床戦略の代表的な戦術の組み合わせパターンを紹介します。
(5)病床戦略の検討~実行までの流れ
実際に病床戦略を実行していくにあたり、大きく(1)現状把握(2)ありたい姿(3)シナリオ作成(4)院内合意(5)実行――の5つのステップがあります。大切なことは、それらに必要なデータを集めることだけではなく、現場で働く医療従事者たちの支持も得られる「現場感覚」も踏まえた戦略の「言語化」です。これができないと、実効性を伴わない戦略に成り下がる可能性が高まります。

(6)病床戦略を進める上でのハードルと乗り越え方
病床戦略はなぜ、「やるべき」と分かっていても進まないのか――。その主な理由は(1)医師や看護師など院内の抵抗・不安(2)現場負担・業務の混乱(3)不確実性・投資リスクへの怖さ――の大きく3つあります。それぞれ具体的にどのような声や失敗パターンが想定されるのか、またそれらを乗り越えるにはどうすればいいのか、実際のコンサルティング事例から解説します。
※そのほかの方は病院経営コラム『3つの「失敗事例」で分かる病床戦略、「現状維持バイアス」の乗り越え方』をご参照ください



