来年度から2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に向けた議論を開始―日病協
2016.3.29.(火)
2018年度に予定される診療報酬・介護報酬の同時改定に向けて、来年度(2016年度)から早くも議論をしていく必要がある―。
このような考えが、日本病院団体協議会の次期議長となる神野正博現副議長から発表されました。
日本病院団体協議会(日病協)は、日本病院会や全日本病院協会、全国公私病院連盟、日本医療法人協会など12の病院団体で構成される組織で、主に診療報酬改定において病院サイドの要望を実現するために議論・提言などを行っています。
日病協の会長は1年が任期とされており、来年度(2016年度)の議長には、現在、副議長を務める神野正博氏(董仙会恵寿総合病院理事長)が就任します(関連記事はこちら)。
神野副議長は、来年度の活動方針について「2018年度に予定される診療報酬・介護報酬改定の方向性は2017年の9月、10月頃には固まってしまう。したがって、可能であれば2017年度を待たず、来年度(2016年度)から同時改定に向けた議論を開始したい」との考えを25日の定例記者会見で述べました。
また2017年4月に消費税率が10%に引き上げられるのであれば、それに伴う診療報酬改定なども考えられるので、「日病協としても対応していかなければならない」とも述べています。
一方、2016年度改定に向けて日病協の議論を取り仕切った楠岡英雄議長(国立病院機構大阪医療センター院長)は、今回改定について「中央社会保険医療協議会で議論が先に進み、改定基本方針が後ろからついていく形になった」と振り返った上で、「社会保障審議会・医療部会では多くの委員から『医療部会で基本的な方向性を議論し、それをベースに社会保障審議会・医療保険部会で保険の面から議論し、最終的に中医協で点数設計を行うべきである』というクレームが出ていた。今後の改定では、こうした点を踏まえて改定論議を進めていくことが必要となる」とコメントしています。
なお前述のように日病協には、現在12団体が加盟していますが、4月から地域医療機能推進機構(JCHO)が日病協に加盟し13団体となります。
楠岡議長は、「日病協への加盟規定などはなく、その団体の役割などを考慮し、『一緒にやっていこう』と代表者会議で了承されれば参加していただく形である。例えば大きな病院団体の一部が独立して名乗りを上げたような場合には、参加は認められないのではないか。ケースバイケースで議論していくことになる」と説明しています。
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