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医療法の看護師等配置標準を満たす病院、前年度から0.2ポイント減少し98.8%に―2013年度立入検査結果

2016.3.31.(木)

 2013年度に医師配置の標準を満たしている病院は94.5%で前年度に比べて0.9ポイント改善しており、また薬剤師配置は96.0%で0.4ポイント改善している。その一方で、看護師・准看護師については98.8%で0.2ポイントとわずかながら悪化してしまった―。

 このような状況が、厚生労働省が30日に発表した2013年度の「医療法第25条に基づく病院に対する立入検査結果」から明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。

 医師・薬剤師配置に関しては適合率が年々上昇していますが、看護師・准看護師配置は2012年度から悪化傾向にあります。

医師配置については全国的に改善、中小病院の努力が目立つ

 都道府県都知事や、保健所設置市の市長、特別区の区長は毎年度、医療法第25条の規定に基づいて医療機関に対する立入検査を実施し、人員配置や構造設備などが医療法の規定に適合しているかどうかをチェック。厚生労働省が全国の状況を取りまとめて発表しています(2012年度の状況はこちら)。

 2013年度は、全8532病院(当時)のうち8108病院に立ち入り検査が行われ、実施率は95.0%(前年度から0.2ポイント向上)となりました。

 まず医師の配置状況について見てみましょう。

 医療法では、▽一般病床は16対1▽療養病床は48対1▽100床以上などの精神病院では16対1―などの医師配置の標準が定められています。

 この標準数を満たしているかどうかを見ると、2013年度は7661施設・94.5%の病院が満たしていることが分かりました。前年度は93.6%でしたので、0.9ポイント改善しています。医師配置の適合率は年々改善していることが分かります。

 地域別に見ると、近畿(98.5%)や関東(97.0%)では高いものの、北海道・東北では87.9%、北陸・甲信越では91.1%、四国では92.2%と低く、地域間の格差があります。前年度に比べて、中国地方では0.4ポイント悪化しましたが、他の地域では上昇しており、各病院の努力が伺えます。

医師数の適合率は年々改善しているが、地域間の格差もあり、地域偏在の是正に向けた取り組みがさらに重要性を増している

医師数の適合率は年々改善しているが、地域間の格差もあり、地域偏在の是正に向けた取り組みがさらに重要性を増している

 また病床規模別に見てみると、▽500床以上では98.9%(前年度に比べて0.2ポイント低下)▽400-499床では97.5%(同0.2ポイント上昇)▽300-399床では96.8%(同0.1ポイント上昇)▽200-299床では96.5%(同0.5ポイント上昇)▽150-199床では94.9%(同0.9ポイント上昇)▽100-149床では94.3%(同1.5ポイント上昇)▽50-99床では92.9%(同0.8ポイント上昇)▽20-49床では90.5%(同1.8ポイント上昇)―となっています。規模の小さな病院ほど医師確保に苦労していることが分かりますが、小規模病院の改善努力が如実に現れています。

病床規模別に医師の充足率を見ると、大病院で高いことが分かるが、中小規模の病院における「改善」が著しい

病床規模別に医師の充足率を見ると、大病院で高いことが分かるが、中小規模の病院における「改善」が著しい

 なお、病院全体の94.5%にあたる7661病院では、医師を標準よりも多く配置していますが、その一方で、標準の50%に満たない医師しか配置できていない病院も4施設(0.05%)あります。

看護師配置は2012年度・13年度と連続して悪化、地方での職員確保が困難

 次に、看護師・准看護師の配置状況を見てみましょう。医療法では、▽一般病院の一般病床は3対1▽同じく療養病床は4対1(2017年度まで6対1を認める経過措置あり)▽特定機能病院は2対1―といった標準配置数が定められています(病棟)。

 この適合状況を見ると、13年度は98.8%の病院で医療法標準を満たしています。2012年度には対前年度で0.4ポイント悪化、13年度も0.2ポイント悪化しており、看護職員確保に全国レベルで苦労し手いる状況が伺えます。

 関東と近畿を除く、すべての地域で適合率は悪化しており、特に中国(1.2ポイント悪化)、と北海道・東北(0.7ポイント悪化)で適合率の大きく落ちており、地方部での看護師確保が一層難しくなっていると言えそうです。

看護師・准看護師の適合率を見ると、100%に近い水準で推移しているが、最近は減少傾向にある点が気になる

看護師・准看護師の適合率を見ると、100%に近い水準で推移しているが、最近は減少傾向にある点が気になる

 病床規模別に見ると、▽500床以上では99.8%(前年度から増減なし)▽400-499床では99.7%(同0.3ポイント低下)▽300-399床では99.0%(同0.6ポイント低下)▽200-299床では99.2%(同0.4ポイント低下)▽150-199床では99.3%(同0.1ポイント低下)▽100-149床では98.6%(同0.5ポイント低下)▽50-99床では98.2%(同0.2ポイント上昇)▽20-49床では98.0%(同0.6ポイント低下)―となっており、500床以上の大病院以外では、看護師・准看護師の確保が難しいことが分かります(関連記事はこちら)。

看護師・准看護師の適合率を病床規模別に見ると、やはり大規模の病院で高く、中小規模病院における看護職員の確保・定着が依然として課題となっている

看護師・准看護師の適合率を病床規模別に見ると、やはり大規模の病院で高く、中小規模病院における看護職員の確保・定着が依然として課題となっている

 なお、全体の98.3%にあたる7967病院では、看護師・准看護師を標準よりも多く配置していますが、標準の60%に満たない看護師・准看護師しか配置できていない病院も2施設あります。なお、50%未満の看護師・准看護師配置となっている状況(2012年度は2施設)は、2013年度には解消されています。

薬剤師配置も年々改善、中国や九州で確保が困難

 薬剤師については、医療法上、▽一般病院の一般病床は70対1▽同じく療養病床は150対1▽特定機能病院は30対1―などといった標準配置数が定められています(病棟)。

 この適合状況を見てみると、2013年度は96.0%の病院で医療法標準を満たしていることが分かりました。前年度と比べて、0.4ポイント改善しています。薬剤師配置も医師と同じく年々改善していることが分かります。

 地域別に見ると、北陸・甲信越と北海道・東北では前年度よりも適合率が悪化していますが、ほかの地域では維持または改善となっています。適合率が低いのは、中国(92.9%)、九州(93.8%)、北海道・東北(94.1%)などです。

薬剤師数の適合率も年々改善している

薬剤師数の適合率も年々改善している

 病床規模別に見ると、▽500床以上では98.0%(前年度から0.1ポイント上昇)▽400-499床では97.2%(同0.3ポイント低下)▽300-399床では97.0%(同0.2ポイント低下)▽200-299床では96.9%(同1.4ポイント上昇)▽150-199床では95.5%(同0.1ポイント上昇)▽100-149床では97.3%(同0.2ポイント低下)▽50-99床では96.2%(同0.3ポイント上昇)▽20-49床では90.6%(同0.9ポイント上昇)―となっています。

四国や関東で、病室定員を超える入院(超過入院)が多い

 最後に、病室定員の適合率(超過入院をさせていないかどうか)を見ると、98.8%の病院では定員を遵守しています(前年度から増減なし)。

 地域別に見ると、北陸・甲信越(99.7%)や近畿(99.5%)では適合率が高く、四国(96.4%)と関東(98.5%)で適合率が低いことが分かります。ちなみに四国では、2012年度に5.2ポイント増の大幅改善となりましたが、2013年度は1.2ポイント悪化しています。

病室定員の適合率を見ると、四国や関東で低く、また悪化している点が気になる

病室定員の適合率を見ると、四国や関東で低く、また悪化している点が気になる

 病院全体で法令遵守の度合いが芳しくないのは、低い順に(1)職員の健康管理(適合率90.7%)(2)医師数(同94.5%)(3)医療法許可の変更(94.8%)(4)その他の医薬品の管理(同95.4%)(5)薬剤師数(同96.0%)(6)感染性廃棄物処置(同96.4%)―などといった項目です。

適合率が低いのは、「職員の健康管理」や「医師数」などで、例年同じ項目が並ぶ

適合率が低いのは、「職員の健康管理」や「医師数」などで、例年同じ項目が並ぶ

 地域による医療従事者の偏在が大きな課題としてクローズアップされており、厚労省は医師・看護職員の将来需給について詳細な検討を始めています(関連記事はこちらこちらこちら)。今後の状況にも注視すると同時に、よりミクロの視点での検証も必要でしょう。

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