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九州地方の豪雨被害にあった介護保険施設・事業所、直近データに基づく「介護報酬の概算請求」を認める—厚労省

2020.7.9.(木)

7月上旬に九州地方を中心に線状降水帯が発生し、記録的な豪雨により筑後川や球磨川などが氾濫するなど、大きな被害が出ています。被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

豪雨被害は、介護保険施設・事業所にも及んでいます。中には、施設・事業所そのものが豪雨被害にあい、請求間近の介護報酬レセプトを棄損等してしまったケースもあるのではないでしょうか(6月サービス提供分を7月10日に請求)。

こうした事態に対応するために、厚生労働省は7月6日に事務連絡「令和2年7月3日からの大雨による災害に係る介護報酬等の請求等の取扱いについて」を示し、次のように概算請求を行うことを認めています(関連記事はこちらこちら)。

概算請求とは、個々の介護保険施設・事業所における直近の支払額に準じて6月サービス提供分の請求額を決める方法です(過去実績並みと判断される)。対象となるのは、「今回の豪雨災害により、サービス提供記録等を滅失または棄損した介護保険施設・事業所」で、具体的には次のように請求額を計算します(公費負担医療に係るものも含まれる)。

【計算方法】
「今年(2020年)3-5月サービス提供分の介護報酬請求額」÷92日
(今年(2020年)3月以降の開設である場合には、開設から5月末までの合計日数)×30



この「概算請求」方法を採る場合には、▼やむを得ない事情がある場合を除いて、7月15日までに「概算請求方法による」ことを国民健康保険団体連合会に届け出る▼2020年6月の支払額は確定する(後に「実際はより多くのサービス提供を行っており、差額の報酬を請求したい」と申請することなどはできない)▼災害救助法適用地域以外の区域に所在する施設・事業所では「罹災証明書」または「罹災届出証明書」を併せて各国保連に提出する▼概算請求が行われた介護報酬等に関する市町村等の支払いは、今年(2020年)3-5月の各市町村等の当該介護サービス事業所に対する介護報酬等支払実績に基づいて各国保連で按分される―などの点に留意が必要です。

また、概算請求を選択した介護保険施設・事業所について、今年(2020年)7月サービス提供分以降の報酬請求方法は、別途、厚労省から示されます。

今般の豪雨でやむを得ず介護報酬の概算請求を行う場合には、この書式に記載のうえ、国保連に7月15日までに連絡を行うことが必要(介護報酬の被災地特例 200706)



なお、ケアマネ(居宅介護支援事業所)等から給付管理票が提出されない場合には、次のように介護報酬を請求します。

▼介護サービス事業所等(介護予防・日常生活支援総合事業の事業所では「給付管理の対象となるサービスを行う事業所」に限る、以下同)において、ケアマネ事業所等に対し、可能な限り「介護報酬等の請求に対応する給付管理票の提出有無」について確認を行う

▼「給付管理票の提出の有無が確認できない被保険者」分の請求については、レセプトの欄外上部に、赤色で「給1」と記載し、紙ベースで報酬請求する

▼ケアマネ事業所等においては、今年(2020年)6月サービス提供分の請求について給付管理票が提出できない場合、可能な限り、介護サービス事業所等へ「提出できない」旨の連絡を行う

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