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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

看護協会の無料職業紹介事業で、2016年度に看護職1.2万人が就職 ―日看協

2018.2.2.(金)

 看護協会が運営する「ナースセンター 」の無料紹介職業事業に、医療施設などから看護職の求人情報が15万9999人分登録され、その7.6%に当たる看護職1万2085人が就職に至った―。

 日本看護協会(日看協)が1月31日に公表した、2016年度の「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析」の中で、このような状況が明らかになりした(日看協のサイトはこちら)。

 前年度(2015年度、16万1913人分の求人に対して1万200人・6.3%が就職)と比べて、採用率は1.3ポイント上昇しており、「看護職の有効な採用手段」になりつつあります。

ナースセンターの無料職業紹介事業に登録した看護職6万6485人のうち1万2085人が就職した

ナースセンターの無料職業紹介事業に登録した看護職6万6485人のうち1万2085人が就職した

 

無料の看護職紹介、活用進めば医療施設のコスト削減に寄与

 都道府県看護協会では、各都道府県から「都道府県ナースセンター」としての指定を受け、看護職への無料職業紹介や、潜在看護職の復職支援に向けた研修などを実施しています(関連記事はこちら)。うち無料職業紹介事業では、次のような流れで看護職に就職先を紹介しています。

▼医療施設などがナースセンターに求人情報を登録
▼求職中の看護職がナースセンターに希望条件などを登録
▼看護職が、登録された求人票を見て希望する施設に応募
▼書類選考や面接を経て就業(施設側から見れば採用)

 医療施設では、看護職の採用に多額のコストを掛けています。ナースセンターの職業紹介事業は、求職者(看護職)も求人者(医療施設など)も無料で利用できるため、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は、医療施設の採用コスト削減策として、ナースセンターの機能を強化すべきだと指摘しています(関連記事はこちら)。

求人登録する病院は減少、診療所は増加

 2016年度には、医療施設や介護施設など3万2813施設(前年度比444施設・1.3%減)が、 15万9999人分(同1914人・1.2%減)の求人情報をナースセンターに登録しています。
 

前年度と比べると、求職者数が増加した一方で、求人数(何人分の求人情報が登録されたか)は減少し、求人倍率(求人数/求職者数)は下がった

前年度と比べると、求職者数が増加した一方で、求人数(何人分の求人情報が登録されたか)は減少し、求人倍率(求人数/求職者数)は下がった

 
求人施設の17%、求人数の45%を病院が占める

求人施設の17%、求人数の45%を病院が占める

 
 病院に限ると、5561施設(同255施設・4.4%減)が 7万2172人分(同188人・0.3%減)の求人情報を登録。一方、診療所は6717施設(同106施設・1.6%増)が 1万9197人分(同335人・1.8%増)の求人情報を登録しています 。

求職者は増加、60歳以上の常勤希望者も多く、活用求められる

 ナースセンターに登録する求職者数は6万6485人で、前年度と比べて6171人・10.2%増加しています。
 

求職者の年齢構成を見ると、35-49歳が多い

求職者の年齢構成を見ると、35-49歳が多い

 
60歳以上の求職者のうち、24.5%は常勤での勤務先を探している

60歳以上の求職者のうち、24.5%は常勤での勤務先を探している

 
 年齢構成を見ると、「40―44歳」(17.2%、前年度比1.2ポイント減)が最も多く、「45-49歳」(16.2%、同0.6ポイント減)、「35―39歳」(14.7%、同0.9ポイント減)などと続きます。ただし、前年度と比べて「25-29歳」(8.9%、同1.1ポイント増)や「55-59歳」(8.0%、同0.6ポイント増)、「60歳以上」(9.0%、同1.3ポイント増)などの割合が高くなっており、広い年代の看護師に注目されていることが伺えます。

 この点、日看協では60歳以上の求職者が増加している点に注目を促し、「定年退職後のセカンドキャリア人材」に対して、これまでのキャリアを生かせる勤務先を紹介することが、無料職業紹介事業の今後の大きなテーマになると指摘しています。

就職者数は常勤に限っても2割近く増加

 ナースセンターを利用して就職した看護職の人数は、1万2085人(前年度比1885人・18.5%増)と2割近く増加しています。

 就職先を病院に限ると3193人(同573人・21.9%増)で、診療所でも1124人(同234人・26.3%増)を採用しています。

 勤務時間が長く、診療報酬上の施設基準などを満たす上で重要である常勤者に限っても、採用人数は3354人(同547・19.5%)で、こちらも前年度から大きく伸びています。うち病院の常勤採用人数は1940人(同272人・16.3%増)、診療所の常勤採用人数は529人(同113人・27.2%増)という状況です。

 上述したとおり、前年度(2015年度)と比べて医療施設などからの求人件数が減っていますが、ナースセンターに求人情報を登録することが、採用コスト削減の一手段になるかもしれません。

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