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新型コロナ対策 症例Scope

2025年度までに「年間5万5000人」ペースでの介護人材確保が必要、一部自治体では人材不足に拍車―厚労省

2021.7.13.(火)

今年度(2021年度)から23年度を対象とする第8期介護保険事業計画をベースに「将来、必要となる介護人材」の数を推計すると、2023年度には約233万人、25年度には約243万人となる。19年度に比べて23年度には約22万人、25年度には約32万人の介護人材増員をする必要があり、このためには「年間5万5000人増」のペースで介護人材を確保していかなければならない―。

なお、一部の自治体では、第7計画時点と比べて介護人材不足に拍車がかかっている―。

厚生労働省は7月9日に、こういった推計結果を公表しました(厚労省のサイトはこちら(第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数)こちら(介護職員数の推移)こちら(総合的な介護人材確保対策(主な取組))こちら(都道府県別))(第7期計画時点での見込みに関する記事はこちら)。

介護職員の将来における必要数(第8期介護保険事業計画に基づく介護人材必要数1 210709)

2019年度に比べ、23年度には約22万人、25年度には約32万人の介護人材確保が必要

2025年には、団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となるため、医療・介護ニーズが今後、飛躍的に増加していきます。このニーズの増加に合わせて、医療・介護の支え手(医療・介護従事者)も増加させなければなりません。

しかし、従前より「介護現場は、いわゆる3K(きつい、危険、汚い)職場でありながら給与が低い」との指摘もあり、人材確保には大きな苦労が伴います。

そうした中で、厚労省は「将来、介護人材がどの程度必要になるのか」を、第8期介護保険事業計画(各市町村において介護サービスをどの程度整備するのかなどを定める計画、第8期は今年度(2021年度)から2023年度が対象)をベースに推計しました。

まず第8期計画の最終年度となる2023年度には、全国で約233万人の介護人材が必要となります。2019年度時点の介護人材は211万人と推計されているため、今後「約22万人の介護人材養成を行う」必要があります。このためには「年間約5万5000人」程度のペースで介護人材を育成していかなければならない計算となります。

また段階の世代がすべて後期高齢者となる2025年度には、全国で約243万人の介護人材が必要となります。2019年度(211万人)と比べて「約32万人の介護人材養成を行う」必要があります。また、同様に「年間5万5000人」程度のペースで介護人材育成が必要な計算です。

この点、第7期計画時点の推計値と比べると、年間の養成数は約5000人少なくなっています。

厚労省では、介護人材の確保を進めるために、(1)介護職員の処遇改善(2)多様な人材の確保・育成(3)離職防止・定着促進・生産性向上(4)介護職の魅力向上(5)外国人材の受入環境整備—などに総合的に取り組んでいく考えを再確認しています。

このうち(1)については、2019年度の消費増税対応改定の一環として「特定処遇改善加算」を創設し、主に10年以上の介護福祉士を対象とした処遇改善を行っています。当然、「給与増」の効果が出ていますが、さらに最終目的である「介護人材確保」の効果が出ているか、今後、詳しく見ていく必要があります。

2025年度から40年度、人材育成数は減るが、介護人材確保がさらに困難になる点に留意

ところで、人口動態推計によれば「2025年度を過ぎると、高齢者の人口は大きく変わらないが、2040年度にかけて現役世代の人口が急激に減少していく」ことが分かっています。

この点、今回の推計では、2040年度には約280万人の介護人材が必要となり、2019年度に比べて「約69万人の増員」が求められ、「年間3万3000人の介護人材確保をしていかなければならない」計算となります。

高齢者の増加ペースがダウンするために、「年間の確保人数」そのものは少なくなりますが、母数である「現役世代人口」が急減していくので、実際には「介護人材の確保はますます難しくなる」点に最大限の留意が必要です。

第7期の介護人材確保が実っているが、一部自治体では介護人材不足に拍車がかかる

都道府県別に、2025年における介護人材の不足数(必要数-現状を投影した供給数)および不足率(不足数÷必要数)を見ると、次のような状況です。

▽北海道:▲1万624人・不足率(不足人数÷需要数)9.4%(第7期時点に比べて7.4ポイント改善)
▽青森:▲2447人・不足率8.0%(同5.3ポイント改善)
▽岩手:▲2705人・不足率10.1%(同3.0ポイント改善)
▽宮城:▲4328人・不足率10.4%(同1.6ポイント改善)
▽秋田:▲2281人・不足率9.5%(同4.8ポイント改善)
▽山形:▲3270人・不足率13.9%(同6.0ポイント悪化)
▽福島:▲3489人・不足率9.5%(同16.4ポイント改善)
▽茨城:▲5697人・不足率11.6%(同2.8ポイント改善)
▽栃木:▲4770人・不足率9.7%(同6.3ポイント改善)
▽群馬:▲1878人・不足率4.6%(同8.0ポイント改善)
▽埼玉:▲1万2236人・不足率10.7%(同3.1ポイント改善)
▽千葉:▲7113人・不足率7.0%(同18.9ポイント改善)
▽東京:▲3万949人・不足率13.9%(同1.7ポイント改善)
▽神奈川:▲1万6456人・不足率9.6%(同2.5ポイント改善)
▽新潟:▲2265人・不足率5.0%(同4.0ポイント改善)
▽富山:▲1147人・不足率5.4%(同2.6ポイント改善)
▽石川:▲8人・不足率0.0%(同7.1ポイント改善)
▽福井:▲391人・不足率3.1%(同5.8ポイント改善)
▽山梨:▲577人・不足率3.8%(同0.4ポイント悪化)
▽長野:▲1801人・不足率4.3%(同10.9ポイント改善)
▽岐阜:▲4250人・不足率10.5%(同5.4ポイント改善)
▽静岡:▲5766人・不足率9.2%(同3.8ポイント改善)
▽愛知:▲1万3370人・不足率11.0%(同2.0ポイント悪化)
▽三重:▲3312人・不足率8.8%(同0.7ポイント悪化)
▽滋賀:▲3218人・不足率13.5%(同0.4ポイント改善)
▽京都:▲2356人・不足率5.1%(同15.6ポイント改善)
▽大阪:▲2万4420人・不足率11.7%(同4.9ポイント改善)
▽兵庫:▲1万2280人・不足率11.0%(同7.8ポイント改善)
▽奈良:▲3466人・不足率11.2%(同4.4ポイント改善)
▽和歌山:▲1063人・不足率4.1%(同6.1ポイント改善)
▽鳥取:▲1567人・不足率12.9%(同6.3ポイント悪化)
▽島根:▲461人・不足率2.6%(同3.0ポイント改善)
▽岡山:▲1543人・不足率4.1%(同5.7ポイント改善)
▽広島:▲3335人・不足率5.9%(同6.1ポイント改善)
▽山口:▲2420人・不足率7.7%(同3.5ポイント改善)
▽徳島:▲724人・不足率4.4%(同4.5ポイント改善)
▽香川:▲1259人・不足率6.4%(同6.7ポイント改善)
▽愛媛:▲1130人・不足率3.5%(同5.6ポイント改善)
▽高知:▲551人・不足率3.5%(同3.3ポイント改善)
▽福岡:▲6224人・不足率6.4%(同3.5ポイント改善)
▽佐賀:▲1147人・不足率6.8%(同2.5ポイント悪化)
▽長崎:▲1951人・不足率6.4%(同3.6ポイント改善)
▽熊本:▲2249人・不足率6.7%(同0.8ポイント悪化)
▽大分:▲1274人・不足率4.8%(同1.5ポイント改善)
▽宮崎:▲2647人・不足率11.3%(同4.4ポイント改善)
▽鹿児島:▲2167人・不足率5.9%(同増減なし)
▽沖縄:▲1969人・不足率8.5%(同12.0ポイント改善)

都道府県別の必要数と供給数(その1)(第8期介護保険事業計画に基づく介護人材必要数2 210709)

都道府県別の必要数と供給数(その2)(第8期介護保険事業計画に基づく介護人材必要数3 210709)



第7期の3年間で着実に介護人材確保を進めた自治体では「改善」が見られます。一方、一部にある「悪化」自治体は、介護人材不足がより深刻になっていることを意味し、早急に「介護人材確保に向けた取り組み」を強力に推し進める必要があります。



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