インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」とコロナ感染症治療薬「ゾコーバ」の取り違えが散発、処方時・調剤時などに確認を―PMDA
2026.1.28.(水)
インフルエンザ治療薬の「ゾフルーザ」と、新型コロナウイルス感染症治療薬の「ゾコーバ」を取り違えてしまう事例が散発している。処方時・調剤時・薬剤交付時などに「誤っていないか」の確認をしてほしい―。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は1月23日に、製薬メーカーからの適正使用等に関する情報提供として「『ゾフルーザ』と『ゾコーバ』の取り違え注意のお願い」を公表し、医療現場等へ注意を呼びかけました(PMDAのサイトはこちら)。
両薬剤の取り違えにかかるヒヤリ・ハット事例は「1か月に3回」超生じている
「ゾフルーザ」(一般名:バロキサビル マルボキシル)は、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療薬です。
一方、「ゾコーバ」(一般名:エンシトレルビル フマル酸)は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)感染症の治療薬です(関連記事はこちら)。
両者の効能効果は異なりますが、「取り違えてしまう」事例が少なからず報告されていることが分かりました。日本医療機能評価機構「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」 によれば、昨年(2025年)12月時点で「67件」のヒヤリ・ハット事例が報告されています。ゾコーバの保険適用は2024年3月15日なので「1か月3回」超、取り違えそうになったヒヤリ・ハット事例が生じている計算です(報告されていない事例も少なからずあると考えられる)。
効能・効果が異なることから、薬剤の取り違えは「治療効果が期待できない」ことはもちろん、健康被害を招く可能性もあります(ゾコーバは妊婦等に投与してはいけない(禁忌)だが、ゾフルーザは妊婦等には「治療上の有益性>危険性」の場合に投与可)。
このためゾコーバとゾフルーザを製造販売する製薬メーカー(塩野義製薬社)は、次のような点に留意してほしいと医療関係者に強く要請しています。
▽ゾフルーザ(インフルエンザ治療薬)とゾコーバ(コロナ感染症治療薬)は「適応症が異なる」薬剤であることを周知してほしい(なお、こうした点を理解できていない一般国民も少なくなく、「以前に処方・調剤されたコロナ治療薬ゾコーバ」について「インフルエンザにかかったようなので、これを服用しよう」と考える人も出てくる可能性がある)
▽ゾコーバ・ゾフルーザを処方する際には、処方誤りを防ぐために▼販売名▼薬効▼用法・用量—などを今一度確認してほしい
▽処方時だけでなく「調剤・監査・交付時等」にも、▼患者の病状や処方内容に関する聞き取りを行う▼処方内容に疑問点があるときは確認する―などの予防策を実施してほしい
両薬剤とも、頭文字が「ゾ」であるため、電子カルテ等では「ゾ」と入力すると両薬剤が候補として挙がってくるケースが少なくないと思われます。上記の点に留意して、処方時・調剤時・薬剤交付時などに「適切に確認する」ことで取り違えを防ぐことが重要です。
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