有床診の減少止まらず7864施設に、2016年度診療報酬改定の効果のほどは?―医療施設動態調査(15年12月)
2016.2.24.(水)
何度もお伝えしていますが、有床診療所が減少を続けています(関連記事はこちらとこちら)。2015年12月末には前月から41施設減少し7864施設となったことが、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。
厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています。
2015年12月末の医療施設総数は、全国で17万8366施設。前月に比べて77施設減少しています。これまで「無床の一般診療所の増加」が続いていましたが、15年11月から12月にかけて無床診の増加は1施設に止まりました。一方、有床診療所や歯科診療所は前月から二桁の減少となっています。
病院は8475施設で、前月から4施設減少しています。種類別に見ると、一般病院が7412施設で4施設減少、精神科病院は1063施設で前月から増減なし、都合、4施設の減少となっています。
一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3841施設(前月から1設減少)、地域医療支援病院は503施設(前月から3施設増加)という状況です。
有床診療所は7864施設で、前月から41施設減少しました。8月末に8000施設を割り込み、その後も減少にまったく歯止めがかかっていません。
2016年度の診療報酬改定に関する答申を、中央社会保険医療協議会総会が2月10日に行いました。有床診に特有の改定項目としては、▽在宅復帰機能強化加算の新設(1日につき一般では5点、療養では10点)▽夜間看護配置加算の評価充実(加算1、加算2ともに5点引き上げ)―があり、このほか「認知症地域包括診療料・同加算の新設」や「処置に関する評価の充実」「診療所型認知症疾患医療センターとかかりつけ医が連携した取組の評価」などがあります。
これらが4月から運用されますが、有床診の減少に歯止めがかかるのか注目したいところです。
一方、病床数を見ると、2015年12月末の全病床数は167万1898床で、前月から737床減少しました。
このうち病院の病床数は156万5530床で、前月に比べて141床減少しています。種類別に見ると、一般病床は前月から174床増えて89万3682床に、療養病床も71床増加して32万8803床となりました。ただし、長期的には平均在院日数の減少や医療の外来シフトなどによって、病床の必要数は減少傾向にあります。
また有床診療所の病床数は前月から596床減少し、10万6294床となりました。減少ペースがやや早まっており、状況によっては2016年中に10万床を切る可能性もあります。
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