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てんかんの部分発作治療に用いるオクスカルバゼピン、重篤な皮膚障害に留意を―厚労省

2016.7.5.(火)

 てんかんの部分発作に対する効能・効果が認められ、薬事承認を受けた「オクスカルバゼピン製剤」だが、中速性表皮絵師融解症や皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johonson症候群)などの重篤な皮膚障害があらわれることがあるため、発疹の発現などに十分注意しながら慎重に投与する必要がある―。

 厚生労働省は4日、都道府県に対して、このような情報を医療機関・薬局に周知するよう求める通知「オクスカルバゼピン製剤の使用に当たっての留意事項について」を発出しました。

15歳以上に対する有効性・安全性は未確立なため、「15歳以上への新規投与」は不可

 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議は、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない小児の部分発作の併用療法」に用いる医薬品の開発を製薬メーカーに要請していました。これを受けてノバルティスファーマ社は、「オクスカルバゼピン製剤」(販売名:オクノベル錠150mgほか)を開発、4日に効能・効果が承認されました。

 しかし、本剤については国内臨床試験において「発疹」などが認められたことや、試験における設定よりも緩徐な漸増法を用法・用量として承認されたことから、厚労省は使用に当たっての留意事項を定め、医療機関や薬局での遵守を求めています。

 まず、本剤について「15歳以上の患者における有効性・安全性」が確立していないことから、15歳以上の患者に新規投与を行うことはできません。また、15歳未満から本剤の治療を開始した患者においては、「治療上の有益性が危険性を上回る」と判断される場合のみ15歳以降も継続して本剤を使用することができます。

 また本剤には、▽中毒性表皮壊死症候群(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)▽皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)▽薬剤性過敏症症候群―などの全身症状を伴う重篤な皮膚障害があらわれることがあります。さらに、漸増期には「全身の広範囲に及ぶ高度の発疹」などが多く認められます。

 このため厚労省は、本剤の使用に当たって次の点に「特段の留意」を払うよう求めています。

(1)用法・用量を遵守し、増量する場合には患者の状態を慎重に観察する

(2)発疹発現時には早期に皮膚科専門医に相談して適切な処置を行うとともに、▽38度以上の発熱▽眼充血▽口唇・口腔粘膜のびらん▽咽頭痛▽全身倦怠感▽リンパ節腫張―などの症状があらわれた場合には重篤な皮膚障害に至ることがあるので、ただちに本剤の投与を中止する

(3)患者・家族に、発疹や(2)の症状があらわれた場合には「ただちに受診する」よう指導する

 

 このような重篤な障害が発生する可能性が高いことなどを踏まえ、厚労省はメーカーに対して「医薬品リスク管理計画の策定と適切な実施」や「安全性・有効性の確認を目的した製造販売後臨床試験の速やかな実施と結果の報告」を求めるとともに、▽重篤な皮膚障害に対して十分対応できる体制が確認できたい医療機関・薬局▽てんかんの診断・治療に精通している医師―によって処方されるよう、本剤の管理者設置などの必要な措置を講じるよう指示しています。

 なお医療機関に対しては、上記の留意事項を遵守するほか、メーカーの行う製造販売後臨床試験に協力するよう厚労省は求めています。

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