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新型コロナ対策 医療崩壊の真実

2022年度診療報酬改定に向け医療経済実態調査の内容決定、「単月調査」実施するかは5月までに決める―中医協総会(1)

2021.2.10.(水)

2022年度の次期診療報酬改定に向けて、医療経済実態調査を行う。通常の年度調査に関しては、回答医療機関が「新型コロナウイルス感染症にどう対応しているか」判別できるような調査項目を追加する―。

また新型コロナウイルス感染症の影響と、前回の2020年度診療報酬改定との影響を区分けできるよう、4月・5月・6月のいずれかを対象とする「単月調査」の実施を検討し、この5月(2021年5月)に結論を出す―。

2月10日に開催された中央社会保険医療協議会・総会、および先立って開催された中医協の調査実施小委員会で、こういった点が了承されました。

「単月調査」については、今春(2021年5月まで)に改めて実施可能性を探ったうえで、実施するか否かを決定。そのほかの調査(通常の調査)については総務省と協議を進め、実施に向けた準備が進められます。

2020年度改定の影響とコロナ感染症の影響を区分けして把握する「単月調査」

2022年度の次期診療報酬改定に向けて、医療経済実態調査(医療機関等調査、保険者調査があり、ここでは前者の医療機関等調査を医療経済実態調査と呼ぶ)が行われます。保険医療機関においては診療報酬が収益の柱となることから、「医療機関等の経営状況」を調査し、その結果を改定内容に反映させる必要があるのです。

医療経済実態調査では、「前回の診療報酬改定の前後で医療機関等の経営がどう変化したか」などが確認されます。今般の調査では「2020年度診療報酬改定の前後」、つまり「2019年度の経営状況」と「2020年度の経営状況」を詳しく調べます。

ただし、2020年初頭から新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっているため、「2020年度の経営状況」の中には、「2020年度診療報酬改定の影響」と「新型コロナウイルス感染症の影響」とが混在しています。

さらに、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、▼急性期一般病棟入院料などにおける「重症度、医療・看護必要度」の施設基準▼回復期リハビリテーション病棟1・3における「リハビリテーションの効果に係る実績指数」の施設基準▼地域包括ケア病棟入院料における「診療実績」に係る施設基準―について、今年(2021年)3月末まで経過措置が延長されており、「2020年度の経営状況」の中に、2020年度診療報酬改定の重要項目が十分に反映されていない、という問題点もあります(関連記事はこちらこちらこちらこちらこちら)。

そこで、厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室の山田章平室長は、下図表のような「単月調査」を行うことを提案。ただし新型コロナウイルス感染症が一定程度収束している状況で実施するもので、今春(2021年5月まで)にこの「単月調査」を行うか否かを中医協で決することになっています(関連記事はこちら こちら)。

新型コロナウイルス感染症の影響と2020年度改定の影響とを切り分けて把握するための「単月調査」票案(その1)(中医協総会(1)1 210210)

新型コロナウイルス感染症の影響と2020年度改定の影響とを切り分けて把握するための「単月調査」票案(その2)(中医協総会(1)2 210210)



▼2019年●月(4、5、6月のいずれか)
→2020年度改定、新型コロナウイルス感染症の影響なし

▼2020年●月(同)
→新型コロナウイルス感染症の影響が強く出ている

▼2021年●月(同)
→2020年度改定の影響が強く出ている(新型コロナウイルス感染症が収束する場合)

この3か年の状況を見ることで、一定程度「新型コロナウイルス感染症の影響」と「2020年度診療報酬改定の影響」とを切り分けることが可能であり、次期改定に向けた基礎資料とすることができると期待されます。

なお、調査に協力する医療機関等の負担を考慮し、単月調査では「項目の簡素化」が行われています。

コロナ感染症患者の受け入れ状況などで医療機関を区分集計できるような工夫

通常調査(2019年度、20年度の経営状況を見る調査)については、次のような工夫を行って実施することが2月10日の中医協で了承されました。

▽「新型コロナウイルス感染症に関する重点医療機関や協力医療機関」であるか(病院)、「新型コロナウイルス感染症に関する診療・検査医療機関」であるか(クリニック)を調べる

▽「新型コロナウイルス感染症患者、回復患者などを受け入れているかどうか」(病院)、「新型コロナウイルス感染症疑い患者を受け入れているかどうか」(クリニック)を調べる

▽収益について「新型コロナウイルス感染症関連の補助金」(スタッフへの慰労金を除く)を区分けして調べる

▽保険薬局において医療機関との不動産賃貸借契約を結んでいる場合、それは何か(土地、建物)を調べる

▽「診療材料費」の中に、サージカルマスクやガウンなどの消費額が含まれることを明確にする



集計・分析において、例えば、▼主に重症の新型コロナウイルス感染症患者を受け入れている「新型コロナウイルス感染症の重点医療機関」の状況(重点医療機関で、かつコロナ感染症患者を受け入れている)▼新型コロナウイルス感染症を受け入れていない重点医療機関の状況▼重点医療機関には指定されていないが、新型コロナウイルス感染症の重症患者を受け入れている医療機関の状況▼重点医療機関に指定されておらず、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れも行っていない医療機関の状況―などに区分して把握することが可能となります。

これを踏まて、例えば「重症のコロナ感染症患者を受けている病院では、とりわけ経営状況が厳しいようだ。診療報酬でのさらなる支援を行うべきではないか」などの検討が中医協で行われることが予想されます。

調査に協力する医療機関には「自院の立ち位置」が分かるような情報をフィードバック

中医協での了承を得て、今後は、厚労省が総務省と調整を行い(医療経済実態調査は、統計調査として総務省の承認が必要となる)、実施に向けた準備が進められます。

調査票は各医療機関等へ7月上旬に届けられ、回答期限は8月13日(約1か月の調査期間)となります。

より多くの医療機関等が調査協力してくれるよう、「電子調査票の活用」などの負担軽減が順次図られているほか、協力医療機関等には「分析結果のフィードバック」(個別医療機関等の損益率分布を示し、「自院はどこに位置するのか」(経営状況が他院と比べて良好なのか、芳しくないのか)を把握できるような情報提供)が行われます。



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