小林化工社の、および同社と共同開発のセレコキシブやイルベサルタンなど、6月1日に薬価基準から削除—厚労省
2021.5.26.（水）
小林化工社の後発医薬品である消炎鎮痛剤「セレコキシブ」や高コレステロール血症治療薬の「ロスバスタチン」とともに、同社と共同開発した高血圧症治療薬「イルベサルタン」などについて、6月1日より「薬価基準から削除」する―。
厚生労働省は5月21日に通知「小林化工株式会社の承認取消対象品目の共同開発品目に関する使用薬剤の薬価（薬価基準）の取扱いについて」を示し、こうした点に留意するよう医療機関などに呼びかけました（厚労省のサイトはこちら）。同効の他社製品などに急ぎ切り替える必要があります。
「承認と異なる製造手法」「管理者の監督不十分」などにより業務停止および承認取り消し
後発医薬品メーカーである小林化工社においては、「承認と異なる製造手法」「管理者の監督不十分」などが背景にあり、業務停止命令などの処分が行われています（関連記事は こちらとこちら）。
また、4月末には「6月1日付で、次の製品について薬事承認を取り消す」ことが決定しています。併せて「薬価基準」からも削除されます。
▽ロラタジンODフィルム10mg「KN」（アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患（湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症）に伴うそう痒の治療に用いる）
▽アナストロゾール錠1mg「KN」（閉経後乳がんの治療に用いる）
▽ロスバスタチン錠2.5mg「MEEK」、ロスバスタチン錠5mg「MEEK」（高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の治療に用いる）
▽ボセンタン錠62.5mg「KN」（肺動脈性肺高血圧症（WHO機能分類クラスII、IIIおよびIV）の治療に用いる）
▽（販売前）モンテルカスト細粒4mg「KN」（気管支喘息の治療に用いる）
▽エンテカビル錠0.5mg「KN」（B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制に用いる）
▽イルベサルタン錠50mg「KN」、イルベサルタン錠100mg「KN」、イルベサルタン錠200mg「KN」（高血圧症の治療に用いる）
▽セレコキシブ錠100mg「KN」、セレコキシブ錠200mg「KN」（関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎の症状の消炎・鎮痛、手術後・外傷後ならびに抜歯後の消炎・鎮痛に用いる）
さらに今般の通知では、小林化工社との共同開発品目（上記承認取り消し品目と同一の承認申請書添付資料を用いて承認取得となった品目）についても、各製造販売メーカーから「薬価基準収載品目削除願」が出されたことを踏まえ、同じく「6月1日付で薬価基準から削除する」こととなりました。
▽アナストロゾール錠1mg「EE」（閉経後乳がんの治療に用いる、エルメッド社との共同開発製品）
▽ロスバスタチン錠2.5mg「明治」、ロスバスタチン錠5mg「明治」（高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の治療に用いる、MeijiSeikaファルマ社との共同開発製品）
▽ボセンタン錠62.5mg「タナベ」（肺動脈性肺高血圧症（WHO機能分類クラスII、IIIおよびIV）の治療に用いる、ニプロESファーマ社との共同開発製品）
▽エンテカビル錠0.5mg「DSEP」（B型肝炎ウイルスの増殖を伴い肝機能の異常が確認されたB型慢性肝疾患におけるB型肝炎ウイルスの増殖抑制に用いる、第一三共エスファ社との共同開発製品）
▽イルベサルタン錠50mg「EE」、イルベサルタン錠100mg「EE」、イルベサルタン錠200mg「EE」（高血圧症の治療に用いる、エルメッド株式会社）
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