本年(2023年)7月に薬価収載されている全製品の出荷状況(増量、通常、減量、停止)を公表、後発品の3割超で出荷調整—日薬連
2023.8.22.(火)
日本製薬団体連合会(日薬連)が8月20日に、本年(2023年)7月時点の「医薬品供給状況にかかる調査」結果を公表しました(日薬連のサイトはこちら(エクセルファイルで「品目別の出荷状況」を把握できる))。
一部後発品メーカーの不祥事に端を発する医薬品の欠品・品薄などが時間の経過とともに拡大しており、医療現場では診療に支障が生じています。
医薬品メーカーで構成される日薬連も事態を重く受け止め、定期的に「医薬品供給状況にかかる調査」を行い、その結果を公表しています。
今般、本年(2023年)7月時点の「医薬品供給状況にかかる調査」結果が公表されました。
調査は、本年(2023年)7月末時点で薬価収載されている全ての医薬品(6467規格、1万8444銘柄)を対象に実施。個別製品ごとに▼メーカーからの出荷量が通常であるか、増量しているか、減少しているのか▼メーカーは通常出荷なのか、限定出荷なのか、出荷を停止しているのか▼限定出荷の解除見込みはどうか、またその時期はいつか▼限定出荷・出荷停止の理由はなにか—などを整理しています。
●日薬連のサイトはこちら(エクセルファイルで「品目別の出荷状況」を把握できる)
全体でみると、「限定出荷」「供給停止」品目は全体の22.4%。後発品に限れば32.4%で、前月(22.3%、32.5%)から大きな変化はありません。また、安定確保医薬品の通常出荷割合は76.0%、とりわけカテゴリーA(最も優先して取組を行う安定確保医薬品)では69.0%(191/277)となり、医薬品全体(77.6%)に比べ低い状況が見て取れます。医療提供に支障が生じること懸念されます。
また、高血圧症治療薬の「テルミサルタン」については、73製品のうち「出荷量増量」が13製品(4月時点に比べて4減)、「出荷量通常」が35製品(同3減)、「出荷量減少」が13製品(同5増)、「出荷停止」が6製品(同1減)、「販売中止」が3製品(同増減なし)などとなっています。
自院の採用製品について出荷調整などは行われていないか、調整が行われ入手困難な場合には、どの代替薬が比較的潤沢かなどを確認することができます。このリストも参考に、卸業者と納品調整を行うことなどが有用でしょう。
日薬連では、製薬メーカー各社に対し「現在の供給不安が解消するよう、引き続き、増産対応、限定出荷の解除、供給状況に関する最新情報の提供に努めてほしい」と要請しています。
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