インフル治療薬のオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」、既存薬剤も含めて使用期限を「6年」から「8年」に再々延長—厚労省
2025.6.18.(水)
季節性インフルエンザ治療薬の「オセルタミビルカプセル75mg『サワイ』」については、最新データを踏まえて有効期限を、これまでの「6年」から「8年」に再々延長する。既存の使用期限が印字されている製剤についても、「有効期限8年」として取り扱うことを認める—。
厚生労働省は6月16日に事務連絡「オセルタミビルカプセル75mg『サワイ』(流通用製剤)の使用期限の取扱いについて」を示し、医療現場などにこうした点への注意を呼びかけました(厚労省サイトはこちら)。
外用副腎皮質ホルモン剤には「名称類似薬」が多い点に留意を
オセルタミビルカプセル75mg「サワイ」は、A型・B型インフルエンザウイルス感染症の治療・予防に用いられる薬剤です(タミフルの後発品)。
2021年に室温での有効期間が「3年」から「4年」に延長されたことを受け、2023年3月に「既に市場に流通している製剤の使用期限について『4年』として取り扱ってよい」(有効期間3年として使用期限が印字されているが、1年間延長してよい)旨の事務連絡が示されました(関連記事はこちら)。
あわせて同年(2023年)6月に、同医薬品の室温での有効期間が「4年」から「6年」に再延長され、上記と同様に「有効期間が3年・4年」という前提で使用期限が外箱に印字されている製剤について「有効期間6年の製剤として取り扱ってよい」ことが事務連絡で明らかにされました(関連記事はこちら)。
さらに今般、追加で得られた安定性データを踏まえて、メーカーが「室温での有効期間を6年から『8年』に再延長する」との届け出がなされ、厚労省は▼この有効期間(6年→8年)は現在流通している製剤にも適用可能である▼有効期間8年への延長前に出荷され、有効期間が「3年」「4年」「6年」との前提での使用期限が外箱に印字されている製剤も、有効期間「8年」として取り扱って差しつかえない—と判断し、次のような取り扱いとすることを示しました。
●使用期限が「2023年8月(2023/08と表示)以前」となっている製剤は、有効期間を「3年」として外箱に印字されている
↓
▽変更後の使用期限は下表のとおり「印字されている使用期限より5年長いもの」として取り扱ってほしい

有効期間3年で期限が記載されているオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」の新たな使用期限(5年延長)【新】
●使用期限が「2023年9月(2023/09と表示)-2024年6月(2024/06と表示)」となっている製剤については、有効期間を「4年」として外箱に印字されている
↓
▽変更後の使用期限は下表のとおり「印字されている使用期限より4年長いもの」として取り扱ってほしい

有効期間4年で期限が記載されているオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」の新たな使用期限(4年延長)【新】
●使用期限が「2025年10月(2025/10と表示)-2030年3月(2030/03と表示)」となっている製剤については、有効期間を「6年」として外箱に印字されている
↓
▽変更後の使用期限は下表のとおり「印字されている使用期限よりも2年長いもの」として取り扱ってほしい

有効期間6年で期限が記載されているオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」の新たな使用期限(2年延長)【新】1

有効期間6年で期限が記載されているオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」の新たな使用期限(2年延長)【新】2

有効期間6年で期限が記載されているオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」の新たな使用期限(2年延長)【新】3

有効期間6年で期限が記載されているオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」の新たな使用期限(2年延長)【新】4

有効期間6年で期限が記載されているオセルタミビルカプセル75mg「サワイ」の新たな使用期限(2年延長)【新】5
なお、季節性インフルエンザは今後も高い水準で新規感染者が発生すると見込まれ、治療・予防薬は貴重となります。このため厚労省は「貴重な薬剤を無駄にせず有効に活用する観点から、『使用期限の短い製剤から使用』してほしい」と改めて強調しています。
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