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診療報酬改定セミナー2024 看護モニタリング

ボルタレンに消化管狭窄・閉塞、ハーボニー錠に高血圧・脳血管障害の副作用―厚労省

2016.7.6.(水)

 厚生労働省は5日、ボルタレンに「消化管狭窄・閉塞」、ハーボニー配合錠などのC型肝炎治療薬に「高血圧、脳血管障害」の副作用があることが分かったとして、患者の状況を十分に観察し、異常が認められた場合には「投与の中止」などの適切な処置を行うよう、医療機関に注意を呼び掛けています。

分娩誘発するアトニンには、アナフィラキシーの副作用

 今般、新たに重大な副作用などが判明したのは12の医薬品で、厚労省は製薬メーカーに対して「使用上の注意」を速やかに改訂するよう指示しています。13医薬品と、新たな「重大な副作用」は次の通りです。

(1)解熱鎮痛消炎剤の「ジクロフェナクナトリウム(経口剤、坐剤、注腸軟膏剤)」販売名:ボルタレン錠25mgほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:消化管の狭窄・閉塞(消化管の潰瘍に伴い、狭窄・閉塞があらわれることがある)

 

(2)分娩誘発などに用いられる脳下垂体ホルモン剤の「オキシトシン」(販売名:アトニン−O注1単位ほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:アナフィラキシー(血圧低下、発疹、発赤、そう痒感、血管性浮腫、呼吸困難などの異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う)

 

(3)ニキビ治療などに用いる「過酸化ベンゾイル」(販売名:ベピオゲル2.5%)

  ▽【重要な基本的注意】の項において、これまでの▽皮膚剥奪(鱗屑・落屑)▽紅斑▽刺激感―のほかに、新たに「腫脹」があらわれること、「紅斑や腫脹が顔面全体や頚部にまで及ぶ症例が報告されている」ことを追加。観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の使用を中止するなどの適切な処置を行うことが必要

 

(4)尋常性ざ瘡の治療に用いる「クリンダマイシンリン酸エステル水和物・過酸化ベンゾイル」(販売名:デュアック配合ゲル)

  ▽【重要な基本的注意】の項において、これまでの▽皮膚剥奪(鱗屑・落屑)▽紅斑▽刺激感―のほかに、新たに「腫脹」があらわれること、「紅斑や腫脹が顔面全体や頚部にまで及ぶ症例が報告されている」ことを追加。観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の使用を中止するなどの適切な処置を行うことが必要

 

(5)血液凝固阻止作用があるために、心房細動による脳卒中や静脈血栓塞栓症の治療に用いる「アピキサバン」(販売名:エリキュース錠2.5mgほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:肝機能障害(AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇などを伴う肝機能障害があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の使用を中止するなどの適切な処置を行うことが必要)

 

 (6)特発性肺線維症の治療に用いる「ニンテダニブエタンスルホン酸塩」(販売名:オフェブカプセル 100mgほか)

  ▽新たな【重大な副作用】:血小板減少(出血に至った重篤な症例も報告されており、異常が認められた場合には本剤の使用を中止するなどの適切な処置を行うことが必要)

 

(7)多発性硬化症の再発予防および身体的障害の進行抑制に用いる「フィンゴリモド塩酸塩」(販売名:イムセラカプセル0.5mgほか)

  ▽使用上の注意に、「一次性進行型多発性硬化症患者を対象とした海外のプラセボ対照臨床試験において、身体的障害の進行抑制効果は示されなかったとの報告がある」ことを追記

 

(8)悪性神経膠腫の治療に用いる「カルムスチン」(販売名:ギリアデル脳内留置用剤7.7mg)

  ▽【重要な基本的注意】の項において、「本剤留置部位に気体の貯留が認められることがあり、神経症状を発現した例も報告されている。本剤留置後は、片麻痺、失語症、意識障害などの神経症状の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと」を追記

 

(9)セログループ 1(ジェノタイプ 1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善に用いる「オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル」(販売名:ヴィキラックス配合錠)

  ▽【重要な基本的注意】の項において、「本剤投与前および投与開始後は定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUNなど)を行うこと。とくに、▽腎機能が低下している患者▽Ca拮抗剤を併用している患者―では、急激に腎機能が悪化することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと」を追記

  ▽新たな【重大な副作用】:急性腎不全(定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う)

  

(10)セログループ2(ジェノタイプ2)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善に用いる「ソホスブビル」(販売名:ソバルディ錠400mg)

  ▽新たな【重大な副作用】:高血圧(収縮期180mmHg以上、拡張期110mmHgに至った例も報告されている)、脳血管障害(脳梗塞、脳出血などがあらわれることがある)

 

(11)C型肝炎治療薬の「リバビリン(ソホスブビルとの併用の用法を有する製剤)」(販売名:レベトールカプセル200mgほか)

  ▽新たな【重大な副作用】(ただしソホスブビルとの併用の場合):高血圧(収縮期180mmHg以上、拡張期110mmHgに至った例も報告されている)、脳血管障害(脳梗塞、脳出血などがあらわれることがある)

 

(12)C型肝炎治療薬の「レジパスビル アセトン付加物・ソホスブビル」(販売名:ハーボニー配合錠)

  ▽新たな【重大な副作用】(ただしソホスブビルとの併用の場合):高血圧(収縮期180mmHg以上、拡張期110mmHgに至った例も報告されている)、脳血管障害(脳梗塞、脳出血などがあらわれることがある)

 

 医療現場で広く使用されているボルタレンや、画期的なC型肝炎治療薬などに新たな重大な副作用が見つかっており、最大限の留意が必要です。

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