【衝撃スライド】日本を財政破綻に導く「ワニの口」―今さら聞けない2025年問題(3)
2015.9.9.(水)
今さら聞けない2025年問題。前回までは、日本の人口が過去から現在にかけてどのように変化し、未来に向けてどう変化するのかを見てきました。今回は、その人口の変化が、日本の財政にどのような影響を与えてきたて、これからはどのような影響を与えていくのかを見ていきます。キーワードは「ワニの口」です。
左のグラフは、日本の収入と支出を表しています。支出は1980年以降、一貫して増え続けていますが、収入は1990年以降、伸び悩んでいます。
日本の人口は2004年にピークを迎えました。それにもかかわらず、1990年には既に収入が減りだしているのは、2004年までは高齢者が人口全体を押し上げたのに対し、1990年から労働生産人口が減っているためです。
このように90年以降、支出の伸びと収入の減少による乖離(かいり)が生じています。この乖離は、このままだとさらに広がると見られており、まるで「ワニの口」のようだと言われています。
右のグラフは、日本の「長期債務残高」の推移です。1970年くらいまでほとんどなかった長期債務残高がそれ以降、一気に伸び、国と地方を合わせた長期債務残高は2010年度末現在、862兆円(2015年度末では1035兆円になる見通し)。このままいくと、日本は財政破綻してしまいます。
つまり2025年問題とは、団塊世代が一気に75歳以上の後期高齢者になることで、日本の長期債務残高が一層増加してしまい、財政破綻の可能性をより高めてしまうということなのです。
【連載:今さら聞けない2025年問題】
Vol.1◆鎌倉時代まで遡ると分かる人口の大激変
Vol.2◆団塊世代の高齢化による人口ピラミッドの逆転現象
Vol.3◆日本を財政破綻に導く「ワニの口」
Vol.4◆どうする死に場所のない47万人
Vol.5◆未来を左右するワイングラスと低負担高福祉の終焉
Vol.6◆重症患者のベッド数、予想上回り12倍以上
Vol.7◆日本を変えるターニングポイントは2018年
Vol.8◆最大の課題は医療に対する国民の意識変容