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【衝撃スライド】どうする?死に場所ない47万人―今さら聞けない2025年問題(4)

2015.9.10.(木)

 今さら聞けない2025年問題。今回は、このまま行くと高齢者にはどのような未来が待っているのかを解説します。

病院? 自宅? 介護施設?

 グラフは、1975年から2035年までの期間に高齢者が最期を迎えてきて、これから先はどうなるのかを表しています。グラフ上部の最も大きいスペースを占めているのは、医療機関で死亡した人の数を表しています。グラフ下部のオレンジ色と黄色の部分は、自宅で死亡した高齢者の割合です。

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 医療機関で最期を迎える高齢者は今後、病院の数が増えないかぎり、増やしようがありません。在宅で死亡する高齢者も、在宅医療の環境整備が進まないかぎり、増えることはないでしょう。紺色の介護施設で死亡する割合は高まる傾向ですが、それにも限界はあります。

 それでは医療機関、自宅、介護施設以外の「その他」の場所とは何なのか-。グラフによると、「その他」で死亡する人は30年には47万人に上ります。実は、「その他」の場所がどこなのかは、はっきりとは分かっていません。つまり、このままだとこの47万人はどこで最期を迎えるのか分からない不安を抱えたまま、30年を迎えることになってしまいます。

死に場所でも地域格差

 こうした状況には、地域によってかなりの格差があります。グラフは、05年から25年まで、東京都から鳥取県までの65歳以上の高齢者人口の増加数を表しています。

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 わたしの生まれ故郷・鳥取県は日本で最も人口が少ない地域ですが、高齢化は既に進んでいて、05年から25年にかけて高齢者はほとんど増えません。ところが、東京都、神奈川県、大阪府、埼玉県、愛知県、千葉県、北海道、兵庫県、福岡県の9都道府県で、日本全体の高齢者人口増加数の約60%を占めていて、こうした地域では、医療機関はもちろん、「死に場所」が圧倒的に足りなくなることが懸念されています。

 このことが、2025年問題で財政と並んで大きなもう1つの課題なのです。しかも、こうした状況を解消するには、これから数年以内に手を打たなければならない局面にあります。

【連載:今さら聞けない2025年問題】
Vol.1◆鎌倉時代まで遡ると分かる人口の大激変
Vol.2◆団塊世代の高齢化による人口ピラミッドの逆転現象
Vol.3◆日本を財政破綻に導く「ワニの口」
Vol.4◆どうする死に場所のない47万人
Vol.5◆未来を左右するワイングラスと低負担高福祉の終焉
Vol.6◆重症患者のベッド数、予想上回り12倍以上
Vol.7◆日本を変えるターニングポイントは2018年
Vol.8◆最大の課題は医療に対する国民の意識変容

解説を担当したコンサルタント 湯原 淳平(ゆはら・じゅんぺい)

yuhara 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門アソシエイトマネジャー。看護師、保健師。
神戸市看護大学卒業。聖路加国際病院看護師、衆議院議員秘書を経て、入社。社会保障制度全般解説、看護必要度分析、病床戦略支援、地域包括ケア病棟・回リハ病棟運用支援などを得意とする。長崎原爆病院(事例紹介はこちら)、新潟県立新発田病院など多数の医療機関のコンサルティングを行う。「週刊ダイヤモンド」(掲載報告はこちら)、「日本経済新聞」(掲載報告はこちら)などへのコメント、取材協力多数。
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