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【衝撃スライド】未来を左右するワイングラスと低負担高福祉の終焉―今さら聞けない2025年問題(5)

2015.9.11.(金)

 今さら聞けない2025年問題。今回は、皆さんがこの先、どのような医療・福祉を望んでいるのか、それに対して国がどのような方向性を目指しているのかについて解説します。

財政・人口問題で転換迫られる日本

 グラフでは、縦軸に高負担、低負担、横軸に高福祉、低福祉をプロットしています。皆さんはこれらの中で、どのような組み合わせを目指すべきだと思いますか。このスライドでは、各国がどのようなポジションにあるのかを説明します。

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 「高負担・高福祉」で知られるのは、スウェーデンなどの北欧です。「中負担・中福祉」に該当するのは、北欧を除く欧州各国です。次の「低負担・低福祉」は仮に米国としておきますが、米国の福祉には国民の間に大きな格差があります。お金を多くを払った国民には高福祉が用意されているのです。

 それでは、現在は「低負担・高福祉」の日本はこれから先、どこに向かうのでしょうか。現状の「低負担・高福祉」を維持することが理想ですが、危機的な財政状況や少子高齢化の進展を考えれば、それを望むのは現実的ではありません。

医療費に占める割合が高いのは病院の人件費

 以下の図は、厚生労働省が2013年11月20日に初めて使われたもので、日本の医療体制を将来、どのように再編させるべきか、国のイメージを示しています。左側は、現在の日本の医療の姿です。病院の大きな収入の1つに「入院基本料」があります。看護師が病棟(病院の1フロア)にどれくらい配置されているか、患者(ベッド=病床)に対して何人の看護師が配置されているのかを基準にお金を支払うというもので、この図は入院患者の数ごとに現在の全体像を整理したものです。

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 入院患者7人に対して看護師1人と配置を手厚くする代わりに、高い報酬を支払う入院基本料「7対1」が現在は最も多く、その次に「10対1」(患者10人に看護師1人)が多くなっています。一方、「13対1」や「15対1」の部分はくびれていて、病床が非常に少ない状況です。最下流の「療養病床」は、病状が安定して長期の療養が必要な患者の受け皿です。

 この図の左側は、「杯型」「ワイングラス型」などと呼ばれています。このワイングラス型のような日本の医療提供体制がどのよう問題をはらんでいるのでしょうか。最大の問題が財政を圧迫することです。医療費の中で最も大きなウエートを占めるのがスタッフの人件費で、医療従事者の中でも人数が最も多いのが看護師です。その看護師の給料に影響してくるのが、この図を構成する区分ごとの基準となっている人員配置です。

 次回は、ワイングラス型の医療提供体制を、国がどのように変えていこうと考えているのかを見ていきます。

【連載:今さら聞けない2025年問題】
Vol.1◆鎌倉時代まで遡ると分かる人口の大激変
Vol.2◆団塊世代の高齢化による人口ピラミッドの逆転現象
Vol.3◆日本を財政破綻に導く「ワニの口」
Vol.4◆どうする死に場所のない47万人
Vol.5◆未来を左右するワイングラスと低負担高福祉の終焉
Vol.6◆重症患者のベッド数、予想上回り12倍以上
Vol.7◆日本を変えるターニングポイントは2018年
Vol.8◆最大の課題は医療に対する国民の意識変容

解説を担当したコンサルタント 湯原 淳平(ゆはら・じゅんぺい)

yuhara 株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門アソシエイトマネジャー。看護師、保健師。
神戸市看護大学卒業。聖路加国際病院看護師、衆議院議員秘書を経て、入社。社会保障制度全般解説、看護必要度分析、病床戦略支援、地域包括ケア病棟・回リハ病棟運用支援などを得意とする。長崎原爆病院(事例紹介はこちら)、新潟県立新発田病院など多数の医療機関のコンサルティングを行う。「週刊ダイヤモンド」(掲載報告はこちら)、「日本経済新聞」(掲載報告はこちら)などへのコメント、取材協力多数。
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