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診療報酬改定セミナー2024 2024年度版ぽんすけリリース

パーキンソン病治療薬の「レキップCR錠」、分割する・粉砕する・嚙み砕くと重大な副作用の恐れあり―PMDA

2023.3.31.(金)

パーキンソン病治療薬の「レキップCR錠」は、有効成分の放出を遅くし「血中の有効成分濃度を一定に長時間保つ」ことなどを目的に製造された徐放性製剤である—。

このため、「分割する」「粉砕する「嚙み砕く」と、重大な副作用が発生したり、効果が持続しないなどの危険性がある—。

患者には「かみ砕かず、そのまま服用する」よう指導する必要がある—。

また医療機関・薬局で「分割や粉砕する」ことも許されず、もし投与量の調節を行う場合には「レキップ錠」への変更を検討してほしい—。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は3月31日に、製薬メーカーからの適正使用等に関する情報提供として「レキップCR錠2mg・錠8mgは徐放性製剤です—分割、粉砕、噛み砕いての処方・投与・服用はしないでください—」を公表し、こうした点への注意喚起を行いました(PMDAのサイトはこちら)。

徐放性製剤の特性を踏まえ「分割しない」「粉砕しない」「かみ砕かない」点に注意を

徐放性製剤は「製剤からの有効成分の放出を遅くすることにより、服用回数を減らす。血中の有効成分濃度を一定に長時間保つことにより、副作用を回避する」視点に立って開発・製造されています。

パーキンソン病治療薬である「レキップCR錠2mg」「レキップCR錠8mg」(一般名:ロピニロール塩酸塩)も、この視点に立って開発・製造された「徐放性製剤」で、▼薬物放出を制御するバリア層▼パーキンソンに効果のある薬物層(ロピニロール塩酸塩)▼薬物放出を制御するバリア層—の3層構造になっています。

レキップCR錠は、有効成分の放出を遅くし「血中の有効成分濃度を一定に長時間保つ」ことなどを目的とした徐放性製剤であり、分割・粉砕・かみ砕くなどをしてはならない



しかし、同製剤を「分割してしまう」「粉砕してしまう」「噛み砕いてしまう」など、誤った方法で処方・投与・服用してしまう事例が複数報告されています。

徐放性製剤を粉砕などしてしまえば、有効成分が想定よりも早く放出され、「服用回数の削減」や「血中濃度の安定」などの効果が得られず、さらには「効きすぎなどによる悪影響」が生じかねません。

そこで同剤の製薬メーカー(グラクソ・スミスクライン社)では、添付文書や各種資材を用いて「服用に際して噛んだり、割ったり、砕いたりせずにそのまま服用する」旨の注意喚起を行っています。

さらに今般、医療関係者に対し、同剤に関して次のような点に留意するよう改めて注意喚起を行いました。あわせて「処方・調剤時などに患者へ十分な説明を行う」、「処方入力時に粉砕指示が入力できなくなるように設定する等の処方オーダリングシステム上の対策をとる」ことも依頼しています。

▽本剤(レキップCR錠)を「分割」「粉砕」「噛み砕いて服用」すると、▼急激に血中濃度が上昇し、副作用が発現する▼有効成分の消失を速め、効果が持続しない—おそれがある

▽患者には「割ったり、砕いたりせずに、そのまま噛まずに服用する」よう、資材も活用して服薬指導を行うよう徹底する

▽投与量を調節したい場合は、「レキップ錠」への変更を検討する



なお、レキップCR錠以外にも「徐放性製剤(高血圧治療薬の「ニフェジピンCR錠」や「ケアロードLA錠」「アダラートCR錠」、疼痛治療に用いる「オキシコンチンTR錠」など多数)についても、粉砕して処方してしまう」などの事例が報告されており、医療機関や薬局では同様の注意徹底が強く求められます(関連記事はこちらこちらこちら



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