高血圧症や狭心症治療薬のアダラートCR錠、「分割する」「粉砕する「嚙み砕く」と重大な副作用の恐れ―PMDA
2022.9.30.(金)
高血圧症や狭心症の治療に用いる「アダラートCR錠10mg、20mg、40mg」(一般名:ニフェジピン)は「徐放性製剤」であり、「分割する」「粉砕する「かみ砕く」などの誤った方法で投与・服用すると重篤な副作用が生じる恐れがある―。
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は9月29日に、製薬メーカーからこういった注意喚起がなされていることを公表し、広く注意を呼びかけました(PMDAのサイトはこちら(製薬メーカーによる注意喚起文書))。
徐放性製剤を粉砕するなどして服用すれば、血中濃度が急上昇し重大な副作用も
「アダラートCR錠10mg、20mg、40mg」(一般名:ニフェジピン)は、▼高血圧症▼腎実質性高血圧症▼腎血管性高血圧症▼狭心症▼異型狭心症—の治療に用いられますが、本剤は「徐放性製剤」であり、添付文書に「本剤は割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないでそのまま嚙まずに服用させること、[割ったり、かみ砕いたりして服用すると血中濃度が高くなり、頭痛、顔面潮紅等の副作用が発現しやすくなる可能性がある]」旨が明示されています。
徐放性製剤は「製剤からの有効成分の放出を遅くすることにより服用回数を減らす。血中の有効成分濃度を一定に長時間保つことにより副作用を回避する」視点に立って開発・製造されています。これを粉砕→服用してしまえば、「有効成分が想定よりも早く放出されてしまう」→「服用回数の削減や血中濃度の安定などの効果が得られない」→「効きすぎなどによる悪影響が生じかねない」事態に陥ってしまいます(関連記事はこちら)。
この点、アダラートCR錠の製造販売メーカー(バイエル薬品社)では、「▼分割▼粉砕▼噛み砕く―など誤った方法で投与・服用したとの情報を複数入手している」ことを明らかにし、次のような点を確認するよう医療関係者に強く要請しています。
▽本剤(アダラートCR錠)は、▼速放性をもつ中心部分▼徐放性を持つ周辺部分—の二重構造による「徐放性製剤」である
▽本剤(アダラートCR錠)を▼分割・粉砕する▼噛み砕く―などして服用すると、急激に血中濃度が上昇し「重篤な副作用が発現する」恐れがある
▽患者には「割ったり、噛み砕いたりせずに、そのまま服用する」よう、指導箋も活用して周知徹底してほしい。
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