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2511-2601ミニセミナー診療報酬改定セミナー2026

高齢者急性期の「5割を急性期、5割を包括期で対応する」と見込んで必要病床数を推計—地域医療構想・医療計画検討会(1)

2026.1.19.(月)

新地域医療構想で定める「必要病床数」(地域で必要な高度急性期病床は●床、急性期病床は◆床などの定め)は、現在の考え方(高度急性期、急性期などの機能別の患者数から、将来の患者数(医療ニーズ)を推計し、これを病床稼働率で割り戻して算出する)を概ね維持するが、「在院日数の短縮」や「病床機能分化」「包括期機能の充実」(高齢者の急性期患者のうち5割を急性期で対応、5割を包括期で対応する)等の改革モデルを織り込み、より実態に近い推計を行う必要病床数を設定する。また必要病床数は固定せず、2026年度に設定した後も、医療計画見直しのタイミングとあわせて2030・36年度に見直しを行う—。

また「病床機能報告」については、客観性を持たせるために「診療報酬(入院料)との紐づけ」(急性期一般1-5は急性期機能、地域包括医療病棟は包括期機能など)の目安を示す―。

あわせて、新たな「医療機関機能」報告は、病床機能報告と一体的に運用し、「病院の考える自院の機能、構造・設備、人員配置、診療実績」などの報告を毎年度、各医療機関に求めていく。この報告内容をベースに、地域で「急性期拠点病院をどの病院とするか」などの議論を進めていく―。

1月16日に開催された「地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」(以下、検討会)で、こういった議論が行われました。新地域医療構想のガイドライン策定論議は相当程度進んでおり(各論点について一通りの議論が完了している)、近く「ガイドラインの取りまとめ」に向けた議論に入っていく見込みです。

同日には「医師偏在対策」論議も行われており、別稿で報じます。

1月16日に開催された「第9回 地域医療構想及び医療計画等に関する検討会」

必要病床数の算定に当たり「在院日数短縮」や「病床機能分化」等の要素も勘案

2040年頃を目指した「地域医療構想の実現」が、医療提供体制における重要なテーマとなっています。

「地域医療構想の実現」は、「地域の医療ニーズ」と「地域の医療資源」(病床、医療従事者、設備など)とを過不足なくマッチさせることを意味します。「A地域には慢性期患者が多いが、急性期病院しかない」のでは、地域の医療ニーズ(慢性期入院医療)と地域の医療資源(急性期入院医療)との間にミスマッチがあり、患者に効果的かつ効率的な医療を提供できません。このため両者をマッチさせるべく、データに基づいて「急性期入院医療から慢性期入院医療へのシフト」を進めていくことが求められるのです。

その際、「地域の医療ニーズ」を表現したものが【地域医療構想】、「地域の医療資源」を表現したものが【病床機能報告】と言えます。地域の協議の場(地域医療構想調整会議など)で関係者が膝を突き合わせて、【地域医療構想】(医療ニーズ)と【病床機能報告】(医療資源)との調和をどう図っていくかを議論し、合意のうえで「病院・病床の機能転換」や「規模の最適化」などを進めていくことが求められます。

したがって、将来の医療ニーズを示す【地域医療構想】には「将来(ここでは2040年)の医療ニーズ」を明確に記載することが求められ、例えば2040年において▼「高度急性期病床は何床必要か、急性期病床は何床必要か、包括期病床は・・・」といった、機能別の必要病床数▼「急性期拠点病院はどこか、高齢者救急・地域急性期拠点病院はどこか・・・」といった、医療機関の機能—などを明示することになります。

一方、現在の医療資源を示す【病床機能報告】でも、現在および2040年において▼「自院には高度急性期病床は何床あるのか、急性期病床は何床あるのか」といった、病床機能▼「自院を急性期拠点病院と考えるのか、高齢者救急・地域急性期拠点病院と考えるのか」といった、医療機関の機能—などを報告することが必要です(ほかに病院・病棟の機能を示す構造・設備、スタッフなども報告する)。

1月16日の検討会では、前者の地域医療構想における「必要病床数」をどう算出するか、後者の病床機能報告・医療機関機能報告の内容をどう考えるか、という2点を主な議題としました。



まず「必要病床数」の算出について見てみましょう。この点については、10月15日の検討会で「現在の地域医療構想(2025年頃がゴール)では推計が確実な将来人口のみを勘案し、不確実性の高い事項(疾病構造の変化や在院日数の短縮、入院から外来へのシフトなど)は勘案しない」との考え方で算出・推計しているが、「新たな地域医療構想(2040年頃がゴール)では、▼医療技術の進歩や医療提供の効率化の取り組みなどによる受療率の低下を組み込む▼「病院・病床の機能分化」(高齢救急患者の地域包括医療病棟等での受け入れ促進、回復期リハビリテーションの効率的な提供、医療機関の連携・再編・集約化など)の政策の動きも盛り込む―」(改革モデルを盛り込む)考え方を固めています(関連記事はこちら)。

1月16日の検討会では、こうした考え方をさらに進めた次のような提案が厚生労働省から提示されました。

【医療需要の推計・医療需要の設定】(基本的な考え方)
▽医療需要の推計は、現在の地域医療構想の考え方を基本とし、医療需要の設定にあたっては、構想区域ごとに診療実績データに基づく「患者単位の日ごとのデータ」(医療資源投入量)を用いて、人口推計を活用し病床機能区分ごとに推計する
→現在の地域医療構想の「高度急性期は1日当たり医療資源投入量が3000点以上、急性期は同600点以上、包括期は同225点以上、慢性期は同225点以下」という基準を踏襲し、将来人口を勘案して「高度急性期、急性期等の患者数」(医療需要)を推計するイメージ

現在の「必要病床数の算定」ロジック(地域医療構想・医療計画検討会1 251015)



▽その際、最新の医療需要を反映させる観点から「2024年度のNDBデータ」を用いる
・自然分娩、労災保険、自賠責保険の患者についてもNDBデータの高度急性期、急性期、包括期の医療需要に比例するよう按分して推計(自然分娩は急性期として推計)する

▽機能別の必要病床数は「患者単位で、将来の推計人口に受療率を乗じて算出する」ものだが、病床機能報告では「病棟ごとに医療機関側が機能別の病床数を報告する」もので、両者には算出方法や目的の違いがあることをガイドラインに記載し、関係者に理解を求める(現行地域医療構想の初期には、例えば「高度急性期病棟には『1日当たりの出来高点数が3000点以上の患者』を入れなければならない」などの大きな誤解が各所で見られた)

【改革モデル】(必要病床数にどういった要素を勘案するか)
●受療率の低下や現行の地域医療構想の取り組み(機能分化、ダウンサイジング)などを反映する
▽病床利用率は中長期的には低下傾向にあり、これまでの地域医療構想の実現に向けた医療の高度化・低侵襲化、在院日数短縮、在宅医療や外来医療の充実、介護への移行などの取り組みを今後も推進する必要があり、これらの効果を必要病床数に反映するため、「現在の地域医療構想における見込み」と「実際の医療需要との差」分などを改革モデル として反映する(高齢化等により医療ニーズは増加するが、在院日数短縮や機能分化などによる効率化(医療ニーズの減少)も生じている点を勘案する)

「必要病床数」と「実際の患者数」との乖離(地域医療構想・医療計画検討会2 251015)



●包括期機能の充実を勘案する(これまで「急性期」で対応していた患者について、「包括期」を充実させ、そこでの対応にシフトしていくことにより、急性期ニーズが減少すると考えられる)
▽現在「年齢にかかわらず医療資源投入量の多寡に応じて病床数の推計を行ってきた」(高度急性期3000点以上、急性期600点以上、回復期225点以上など)が、75歳以上患者で「急性期」と見込まれる患者について、5割を「急性期」、5割を「包括期」と見込む(75歳以上の4割程度の患者で、急性期医療として主に実施されると想定される手術や処置が実施されていることなどを勘案)

高齢の急性期患者に対する処置・手術等の実施状況(地域医療構想・医療計画検討会(1)1 260116)



▽回復期リハビリ病棟入院料を算定している整形外科疾患の患者について、「速やかなリハビリの開始」「集中的なリハビリを要さない状態となった後に、速やかに外来・在宅等での必要なリハビリ提供する体制の構築」により「平均在院日数の短縮」を進めることを見込んで推計する(関連記事はこちら

▽介護老人保健施設においてリハビリ提供することができるといった「介護との連携」や「退院後のリハビリ提供」についてもガイドラインに位置付ける(入院→早期の介護施設等以降を促すことで、医療ニーズをより小さく見込む)

●医療機関機能に係る取り組み
▽医療機関の連携・再編・集約化の推進、2025年度補正予算等での「病床数の適正化」支援などを進める点を勘案する(関連記事はこちら(2025年度補正予算)こちら(3党合意)

▽低下傾向にある病床利用率をそのまま用いて必要病床数を算出すると実際よりも過大に病床数が推計されるおそれがある(例えば医療ニーズ(患者数)が100人の場合、利用率を80%とすれば必要病床数は125床(100÷0.8)だが、利用率を50%すると必要病床数は200床(100÷0.5)になってしまう)こと、今後の病床数適正化により病床利用率が上昇する可能性があることなどを踏まえ、必要病床数の算出にあたり用いる病床稼働率は、現在と同じく「高度急性期75%、急性期78%、包括期90%、慢性期92%」とする
→この点「病床稼働率」は、「医療ニーズ(患者数)を必要病床数の換算するためだけのツール・コンバーターである点に留意すべき」と松田晋哉構成員(福岡国際医療福祉大学ヘルスデータサイエンスセンター所長)は進言しており、今後、「急性期病床は利用率78%目指す必要がある」などの誤解を招かないよう「病床稼働率」の名称見直しが検討される可能性もある

現在の「必要病床数の算定」ロジック(地域医療構想・医療計画検討会1 251015)



【その他の事項】
●定期的な見直し

▽2026年度以降、都道府県で「2040年に向けた必要病床数の推計」を行い、地域医療構想の実現に向けた取り組みを開始するが、医療計画見直しのタイミングにあわせ、必要病床数も2030年・2036年に、都道府県ごとの取組状況等を踏まえて必要に応じて見直しを行う

病床数適正化事業等を踏まえた対応
2025年度補正予算等での「病床数の適正化」支援事業(新たな地域医療構想の取り組み開始「前」までに病床数の適正化を促進する)も踏まえて必要病床数の推計を行う(当該事業で削減が見込まれる病床について、病床利用率を乗じて入院患者数に換算し、NDBデータから算出される医療需要のデータから、これらを控除した場合の減少率を算出し、「1-減少率」を性・年齢階級別の入院患者数に乗じることで反映する)

●高度急性期・急性期について
▽例えば7対1病床(急性期1)を高度急性期として報告する割合に地域差があること、医療機関サイドに「高度急性期と急性期を区別して報告することが難しい」との声もあることを踏まえ、▼医療需要の推計や病床機能報告にあたってはこれまでどおり、高度急性期・急性期を分けて扱う▼地域での協議においては、高度急性期機能と急性期機能の病床数を一体として検討する―

●入院医療「以外」に係る推計
▽新たな地域医療構想では、入院医療だけでなく「外来医療や在宅医療」についても医療需要を確認し、提供体制の確保のための取り組みを進めるため、地域毎に将来人口を踏まえた需要等に関する推計を行い、地域医療構想における外来医療や在宅医療の確保の議論に資するデータについて都道府県に提供する

●データ提供について
▽新たな地域医療構想においては、入院医療以外も対象とするため協議に必要なデータも多岐にわたるため、国から提供可能なものは、今後「毎年提供できる」よう2026年中に準備できるものから順次提供を開始し、活用状況を踏まえて提供データを追加、削除しながら、都道府県がデータ分析する基盤の整備を行う



すでに議論されてきた内容も多く、こうした方向に特段に異論・反論は出ていませんが、構成員からは▼現在の医療ニーズ(患者数)推計は「患者調査」を基礎としたが、今後は「NDB」(レセプトデータ)を基礎とするという違いがでる。患者調査には「推計部分」が入っていた点などに留意する必要があろう(今村知明構成員:奈良県立医科大学教授)▼75歳以上高齢者の急性期ニーズを「急性期5割・包括期5割」とする点について、DPCデータ等の根拠を用いて設定することが必要だ。必要病床数の定期的な見直しについては、医療計画に合わせた6年単位では長すぎるのではないか。もう少し短いスパンでの見直しも検討すべき(伊藤伸一構成員:日本医療法人協会会長)▼ガイドライン等で「数値」が示されると、都道府県はそれを「絶対遵守すべき数値、金科玉条」と捉えがちである。数字が一人歩きし、誤解を生むようなことのないように留意すべき(今村英仁構成員:日本医師会生涯教育・専門医の仕組み運営委員会センター長)▼75歳以上高齢者の急性期ニーズを「急性期5割・包括期5割」とする点について、DPCデータ等を用いて「定期的にその配分割合を見直す」ことも検討すべき。また必要病床数の見直しにあたっては、5年ごとの将来推計人口公表からあまり時間をおかずに行うことが重要である(土居丈朗構成員:慶應義塾大学経済学部教授)—などの意見・注文が付いています。

必要病床数の算出・推計方法については、前述のように「現行の地域医療構想」の考え方をベースにします。その大枠は、▼現在の高度急性期(1日当たりの資源投入量3000点以上)、急性期(同600点以上)、包括期(同225点以上)、慢性期(225点)の患者数を算出する→▼将来推計人口に照らして「2040点頃の患者数」を機能(高度急性期、急性期、包括期、慢性期)別に推計する→▼稼働率(高度急性期75%、急性期78%、包括期90%、慢性期92%)で患者数を割り戻し、「必要病床数」を算出する―というものです。

さらに、上述のように「改革モデル」(病床数の適正化、在院日数の短縮など)を組み込み、より実態に近い形で「必要病床数」を算出・推計することになります。

現在の「必要病床数の算定」ロジック(地域医療構想・医療計画検討会1 251015)



今後、構成員意見も踏まえて「必要病床数」を算出・推計方法を精緻化し、ガイドライン(各都道府県が地域医療構想を策定する際の拠り所となる国の指針)に盛り込んでいきます。

なお、地域医療構想(将来の医療提供体制の設計図)においては、都道府県が「地域で必要な高度急性期病床は●床、急性期病床は◆床・・」と明確に設定する必要があります(いわゆる「高位・中位・低位推計」などの複数のシナリオを用意することにはならない見込み)。

病床機能と入院料との紐づけ内容、医療機関機能報告の大枠も概ね固める

次に、「地域の医療資源」を示す【病床機能報告】について見てみましょう。これまでの議論で、▼客観性を担保するために「入院料の種類ごとに対応する機能区分の目安」を整理する▼新たに「医療機関機能の報告」も求める―などの方針が固まっています(関連記事はこちらこちら)。

1月16日の検討会では、まず前者の「入院料と病床機能との紐づけ」内容が提示されました。次のような「目安」が示されています(診療報酬改定を踏まえて適宜見直しも行っていく)。

【高度急性期】
・救命救急入院料
・特定集中治療室管理料(ICU)
・ハイケアユニット入院医療管理料(HCU)
・脳卒中ケアユニット入院医療管理料(SUC)
・小児特定集中治療室管理料(PICU)
・新生児特定集中治療室管理料(NICU)
・新生児特定集中治療室重症児対応体制強化管理料(
・総合周産期特定集中治療室管理料(MFICU)
・新生児治療回復室入院医療管理料(GCU)
・一類感染症患者入院医療管理料

【急性期】
・急性期一般入院料1-6(7対1、10対1)
・特定機能病院入院基本料(7対1、10対1)
・専門病院入院基本料(7対1、10対1)
・小児入院医療管理料1-3

【包括期】
・地域一般入院料1-3(13対1、15対1)
・専門病院入院基本料(13対1)
・有床診療所入院基本料1、4
・地域包括医療病棟入院料
・小児入院医療管理料4、5
・回復期リハビリテーション病棟入院料・入院医療管理料
・地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料
・特定一般病棟入院料
・特定機能病院リハビリテーション病棟入院料

【慢性期】
・療養病棟入院料1-2(20対1)
・障害者施設等入院基本料(7対1-15対1)
・有床診療所入院基本料2、3、5、6
・特殊疾患入院医療管理料
・特殊疾患病棟入院料
・緩和ケア病棟入院料

病床機能と入院料との紐づけ(目安)(地域医療構想・医療計画検討会(1)2 260116)



各入院料の設置趣旨や施設基準等に照らすると、妥当な紐づけ案と考えられます。

また、これらは「目安」であり、極論すれば「療養病棟を急性期機能である」と報告することも手続き上は可能です。ただし、その報告内容(診療実績も含めて)が地域医療構想調整会議で受け入れられるか否かは別問題となるでしょう(恐らく構造・設備、診療実績に照らして「急性期機能との報告は見直したほうが良い」と判断される)。



あわせて厚労省は、医療機関機能報告についても次のような考えで詰めていってはどうかと提案しています。医療機関機能は、病床・病棟の機能と一体的に、毎年度の「病床機能報告」として報告することになりそうです。

【医療機関機能として報告する内容】の大枠
●医療機関機能(急性期拠点、高齢者救急・地域急性期、在宅医療等連携、専門等)
・現在の機能(現在担っている機能のうち、最も近いものを報告する)
・2040年において担う機能(2028年以降は調整会議で調整が整ったものを報告する、関連記事はこちら

●構造設備・人員
▽構造設備等
・入院対応や時間外対応可能な診療科
・医療機関の築年数
・手術室数
・ICU数
医療措置協定等の状況

▽人員に係る内容等
・医師数(診療科別、常勤医師、非常勤医師、専攻医数等)
・その他従事者の状況(歯科医師数、薬剤師数、看護師数等)
・医局に属する医師数や地域への派遣医師数(大学病院本院のみ、関連記事はこちら
・休日夜間等の体制等(診療科、手術対応の有無等)

●医療の内容(診療実績等)
・救急医療の提供状況(救急車受入件数、下り搬送件数等)
・急性期医療の提供状況(患者数、手術件数、時間外の手術件数等)
・高齢者施設等との連携状況(連携している施設数、施設からの受入患者数、施設への往診件数等)
・手術に関する実績(緊急手術や全身麻酔の状況等)
・在宅医療の提供状況(訪問診療や往診等の実績等)
・高齢者への医療の提供状況

医療機関機能報告の大枠(地域医療構想・医療計画検討会(1)3 260116)



各医療機関が報告した「自院の機能の考え方」と「構造・設備や診療実績」などを比較分析し、「●●病院と◆◆病院と◇◇病院が急性期拠点機能と報告している。この地域では将来の医療ニーズを踏まえれば急性期拠点機能を1施設に絞るべきであり、診療実績等に照らせば●●病院が急性期拠点病院にふさわしいのではないか」といった議論を地域医療構想調整会議で行っていくことが期待されます。



こうした内容も、すでに積み上げて検討会論議の内容を整理したものと言え特段の異論・反論は出ていません。

もっとも構成員からは▼「病院全体の診療実績」を見られるようにすべき。現在の病床機能報告では、症例数が少ない(10件以下)の場合には「-」として表示され、比較検討が困難である(今村知明構成員)▼急性期拠点病院について「遅くとも2028年までに医療機関を決定し、2035年に向けて役割分担の取り組みを進める」とされているが、拙速な議論は好ましくない。拙速に急性期拠点病院を定めるとなれば「救急搬送件数を増やすために、軽症症例も救急搬送で受ける」ような事態が生じないか危惧している。およその目標年次程度に位置付けてはどうか(望月泉構成員:全国自治体病院協議会会長、伊藤伸一委員)▼1病院が複数の医療機関機能を報告することが認められるが、機能分化論議が地域で進むように「主たる機能の報告も求める」などの工夫をしてはどうか。また地域医療構想調整会議の議論が実効性のあるものとなるよう、国主導で「地域の病院がどういった機能を持ち、どういった診療実績があるのか」などを示すべき。都道府県任せでは議論の形骸化が続く(岡俊明構成員:日本病院会副会長)▼急性期拠点病院について「遅くとも2028年までに医療機関を決定する」というスケジュールは遵守すべき。これが遅れれば「2035年に向けて役割分担の取り組みを進める」というスケジュールも守れなくなってしまう(伊藤悦郎構成員:健康保険組合連合会常務理事)—といった注文が付いています。

今後もさらに「医療機関機能の定義」などを精緻化・明確化に向けた議論を続け、円滑に「医療機関機能報告→地域における病院の機能分化・連携の強化、病院の再編・統合など」が進む環境を整えることが重要でしょう。



新地域医療構想のガイドライン策定論議は相当程度進んでおり(各論点について一通りの議論が完了している)、近く「ガイドラインの取りまとめ」に向けた議論に入っていく見込みです。



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新たな地域医療構想論議、「現行の考え方を延長する部分」と「新たな考え方を組み込む部分」を区分けして進めよ—社保審・医療部会(2)

新たな地域医療構想、患者減が進む中で地域の実情踏まえた統合・再編など「医療機関の経営維持」等も重要視点の1つ—新地域医療構想検討会
新たな地域医療構想は「2040年頃の医療提供体制ビジョン」、医療計画は「直近6年間の医療提供体制計画」との役割分担—新地域医療構想検討会
新たな地域医療構想、協議の旗振り役明確化、公民の垣根超えた議論、医療・介護全体見た改革推進が極めて重要—新地域医療構想検討会
医療・介護連携の強化が「医療提供体制改革、新地域医療構想」を考える上で必要な不可欠な要素—新地域医療構想検討会
2040年頃見据えた新地域医療構想、病院の主体的な動き(機能転換など)が必要な分野について「何が必要か」の深堀りを—新地域医療構想検討会
2040年頃見据えた新地域医療構想、在宅医療の強化、構想区域の見直し、「病院」機能明確化などですでに共通認識—新地域医療構想検討会
【ポスト地域医療構想】論議スタート、医療介護連携、構想区域の在り方、医療人材確保、必要病床数設定等が重要論点—新地域医療構想検討会

【ポスト地域医療構想】論議を近々に開始、入院だけでなく、外来・在宅・医療介護連携なども包含して検討—社保審・医療部会(1)