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65歳以上高齢者、2024年は3625万人・総人口の29.3%で、過去最高の更新続く―総務省

2024.9.18.(水)

我が国における65歳以上の高齢者数は3625万人で、総人口に占める割合は29.3%となり、過去最高の更新が続いている―。

こうした状況が、総務省が9月15日に公表した「統計からみた我が国の高齢者―『敬老の日』にちなんで―」(統計トピックスNo.142)から明らかになりました(総務省のサイトはこちら)。

また、高齢者の就業状況を見ると、全就業者に占める65歳以上高齢者の割合は13.5%、就業率は25.2%となっています。

65歳以上の高齢者人口は3625万人で、人口の29.3%と過去最高を更新

総務省の推計によれば、65歳以上の高齢者人口は今年(2024年)9月15日現在、3625万人(前年推計にくらべて2万人増加)で、総人口に占める割合(高齢化率)は29.3%(同0.2ポイント上昇)となりました。高齢者人口・高齢化率ともに過去最高を更新しています。我が国の総人口は減少傾向に入っており、高齢化率は今後も上昇を続けることでしょう。

65歳以上人口の推移(2024年高齢者の状況1 240915)



性別に見ると、男性は1572万人(男性人口の26.1%、前年推計から0.1ポイント上昇)、女性は2053万人(女性人口の32.3%、同0.2ポイント上昇)となっています。

年齢階級別に見ると、次のような状況です。
▼70歳以上人口は2898万人で、総人口の23.4%(前年推計に比べて9万人増・0.2ポイント上昇)
▼75歳以上人口は2076万人で、総人口の16.8%(同71万人増・0.7ポイント上昇)
▼80歳以上人口は1290万人で、総人口の10.4%(同31万人増・0.3ポイント上昇)
▼85歳以上人口は676万人で、総人口の5.5%(同5万人・0.6ポイント上昇)
▼90歳以上人口は282万人で、総人口の2.3%(同9万人増・0.4ポイント上昇)
▼95歳以上人口は73万人で、総人口の0.6%(同5万人増・0.1ポイント上昇)
▼100歳以上人口は9万人で、総人口の0.1%(同0万人増・0.0ポイント上昇)



総人口に占める高齢者の割合は、1950年(昭和25年)の4.9%以降一貫して上昇を続けており、2005年(平成17年)に20%を超え、2024年(令和2年)には29.3%となりました。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、この割合は今後も上昇を続け、2040年には34.8%、2070年には38.7%となる見込みです。

高齢化率を諸外国と比べて見ると、我が国(日本)の29.3%が最も高く、次いでフランス海外県の1つであるマルティニーク(25.3%)、プエルトリコ(24.7%)、イタリア(24.6%)、ポルトガル(24・5%)、ギリシャ(23.9%)などと続きます。

65歳以上人口の国際比較(2024年高齢者の状況2 240915)



なお2070年における状況を推測すると(将来推計値)、我が国(日本)は38.7%で第3位。高齢化のトップは韓国の46.6%、第2位は中国の39.9%となる見込みです。ほか、4位がイタリア(36.1%)、5位がドイツ(29.7%)などと続きます。

65歳以上人口割合の国際比較推移(2024年高齢者の状況3 240915)

全就業者に占める65歳以上高齢者の割合は13.5%、就業率は25.2%

高齢化の進行は、医療保険や年金保険、介護保険などの社会保障制度を脆弱にしてしまいます。「より少ない支え手で、より多くの高齢者を支える」ことになるためです。2024年には、「2.03人の現役世代(15-64歳)で1人の高齢者(65歳以上)を支える」形となり、前年よりも「支え手となる現役世代が0.01人減少」してしまっています。今後も、少子化(支え手となる現役世代の減少)・高齢化(支えられる高齢者の増加)は続くことから、「現役世代1人当たりの負担」が重くなっていくことになります。

こうした事態を放置することはできず、政府も少子化対策に力を入れています。ただし、それが功を奏したとしても、支え手となるまでには短くとも15年以上が必要で、「即効性はない」のが実態です。

そこで、「元気な高齢者には、『支えられる側』から『支える側』になってもらってはどうか」という考え方が注目を集めています。もちろん、「高齢者の定義を70歳や75歳以上としてはどうか」(介護保険や年金保険の受給年齢引き上げ)という厳格なものから、「元気な高齢者には介護サービス等の周辺業務を担ってもらおう」という緩やかなものまでさまざまな考え方があります。

こうした議論も踏まえて「高齢者の就業」に関する調査結果を見てみると、次のような状況が確認できます。

まず2023年における高齢者就業者数(65歳以上で月末1週間に収入を伴う仕事を1時間以上した者、または月末1週間に仕事を休んでいた者)は914万人で、2004年以降、年々増加しています(2022年時点に比べて2万人増加)。

65歳以上就業者数の推移(2024年高齢者の状況4 240915)



2013-16年までは主に65-69歳の就業者が、2017年以降は70歳以上の就業者が増加しています(団塊の世代が70歳以降に到達しているため)。もっとも、当然のこととも思えますが、年齢階級別の就業率は「年齢が高くなるほど下がる」傾向にあります(▼65-69歳では52.0%で、前年にくらべて1.2ポイント上昇▼70-74歳では34.0%で、同じく0.5ポイント上昇▼75歳以上では11.4%で、同じく0.4ポイント上昇—)。

65歳以上の延齢階級別就業率の推移(2024年高齢者の状況5 240915)



また、2023年における「就業者に占める高齢者の割合」は13.5%となりました(前年にくらべて0.1ポイント低下)。就業者の7.4人に1人が65歳以上高齢者であり、「貴重な戦力」であることを再確認できます。



主な産業別に高齢就業者の割合を見ると、次のような産業で高くなっています。
▼農業・林業:52.9%(前年に比べて0.3ポイント上昇)
▼不動産業・物品賃貸業:26.6%(同0.4ポイント低下)
▼サービス業(他に分類されないもの):22.7%(同増減なし)
▼生活関連サービス業・娯楽業:19.6%(同0.5ポイント上昇)
▼建設業:16.8%(同0.1ポイント低下)
▼宿泊業、飲食サービス業:14.6%(同0.9ポイント低下)

ただし、農業や林業については「若者が就業しない」ことから、高齢就業者比率が高まっているとも考えられ、手放しで喜ぶことはできません。なお、「医療・福祉」分野は11.8%で、前年にくらべて0.3ポイント上昇しています。

産業別の65歳以上就業率等(2024年高齢者の状況6 240915)



高齢者の就業率は我が国では25.2%で、前年から変化ありません。高齢者では4人に1人が就業している格好です。諸外国と比べて見ると、▼韓国:37.3%(前年に比べて1.1ポイント上昇)▼日本:25.2%(同増減なし)▼アメリカ:18.7%(同0.1ポイント上昇)▼カナダ:14.4%(同0.5ポイント上昇)▼イギリス:11.3%(同0.4ポイント上昇)―などとなっており、総務省では「我が国は、主要国の中でも高い水準にある」とコメントしています。

65歳以上就業率の国際比較(2024年高齢者の状況7 240915)



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