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0819ミニセミナーGemMed塾

自発呼吸下の妊婦に対する無痛分娩目的でのレミフェンタニル投与で重篤な副作用も発生、適正使用に協力を!―PMDA

2025.7.15.(火)

全身麻酔中や人工呼吸中の鎮痛などに用いるレミフェンタニル塩酸塩製剤(アルチバ静注用、レミフェンタニル静注用)について、一部の産科医療機関では無痛分娩(IV-PCA)に使用している(適応外使用)—。

日本麻酔科学会では「自発呼吸下の妊婦に対して分娩時の鎮痛目的でレミフェンタニルを投与することは不適切である」と提言しており、また「レミフェンタニルを用いた無痛分娩(IV-PCA)」が行われた結果、「母体・新生児に重篤な副作用が生じた事例」も報告されている—。

「患者の安全確保が最も重要」であり、「レミフェンタニルの適正使用」に協力してほしい—。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は7月14日に、製薬メーカーからの適正使用等に関する情報提供として「レミフェンタニル塩酸塩(アルチバ静注用2mg、5mg、レミフェンタニル静注用2mg、5mg「第一三共」)の適正使用に関するお知らせ」を公表し、医療現場等へ注意を呼びかけました(PMDAのサイトはこちら)。

レミフェンタニル用いた無痛分娩、一部の産科医療機関で不適切に実施されていないか

レミフェンタニル塩酸塩製剤について、本邦では次のように効能・効果が定められています。

【アルチバ静注用2mg、5mg】
▽成人:全身麻酔の導入および維持における鎮痛
▽小児:全身麻酔の維持における鎮痛

【レミフェンタニル静注用2mg、5mg「第一三共」】(後発品)
▽成人:全身麻酔の導入および維持における鎮痛
▽小児:全身麻酔の維持における鎮痛
▽集中治療における人工呼吸中の鎮痛



しかし昨今、一部の産科クリニック等のホームページで、適応外使用となる「レミフェンタニルを用いた無痛分娩(IV-PCA)」が紹介されており、中には「従来の硬膜外麻酔による無痛分娩よりも簡便かつ安全」と誤解を招くような記載があります。

この点、▼レミフェンタニルの無痛分娩(IV-PCA)での使用は、全身麻酔または人工呼吸管理下において実施されないことから「適応外使用」にあたり、呼吸停止等の重大な医療事故につながる危険性がある▼適応外使用となる「レミフェンタニルを用いた無痛分娩(IV-PCA)」が行われた結果、「母体・新生児に重篤な副作用が生じた事例」が報告されている▼日本麻酔科学会も、昨年(2024年)に「レミフェンタニルを用いた分娩時鎮痛に関する提言」を発出し、「自発呼吸下の妊婦に対して分娩時の鎮痛目的でレミフェンタニルを投与することは不適切である」と提言している—ことなどをあげ、両医薬品を製造販売するヤンセンファーマ社・丸石製薬社は「患者の安全確保が最も重要である」とし、「レミフェンタニルの適正使用」に協力してほしいと強く呼びかけています。



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