薬剤総合評価調整加算、段階的な減薬でも都度算定可能―日医・2016年度改定Q&A(その1)
2016.3.14.(月)
2016年度診療報酬改定で新設された、入院患者の内服薬を減少させる取り組みを評価する「薬剤総合評価調整加算」は、例えば10種類→8種類→6種類と段階的に減少させた場合には「それぞれで算定できる」―。
このような改定のQ&A(その1)を日本医師会がこのほど作成しました。「厚生労働省当局に確認済み」という触れ込みです。
診療報酬改定の詳細については、3月4日の告示・通知などで明らかにされていますが、不明確な部分も少なくありません。そこで厚労省は今後、折に触れて「疑義解釈(Q&A)」を発出します。また日本医師会や病院団体などが、独自に厚労省に確認をとったQ&Aも適宜発表されます。
日本医師会はこのほど、厚労省に確認をとったQ&Aを公表しています。通知に記載されている内容もありますが、初めて明らかになった部分もあります。いくつか気になる部分を見ていきましょう。
まず中小病院・診療所の主治医機能を評価する「地域包括診療料」「地域包括診療加算」の届け出スケジュールについて、次のような点を明らかにしています(関連記事はこちら)。
▽2014年度中に研修(慢性疾患の研修)実績を添えて届け出た場合:2015年4月1日から起算して2年ごとに、4月1日までに研修実績を提出する(追って2014年度中に実績を提出した場合も同じ)
▽2015年4月以降に初回の届け出を行った場合:地域包括診療料などを算定する月の1日から起算して2年ごとに、研修実績を提出する
また、2016年度改定で新設された小児の主治医機能を評価する「小児かかりつけ診療料」については、▽再診が電話などで行われた場合には、「小児かかりつけ診療料」ではなく「再診料」や「乳幼児加算」を算定する▽専門治療が必要なため、診療情報提供書を添えて他の医療機関に紹介した場合には「診療情報提供料」を算定できる―ことなどが明らかにされています。
点数の充実と対象患者の拡大が行われた「夜間休日救急搬送医学管理料」については、「同曜日以外の日(休日を除く)の夜間」が、「月-金曜日の午後6時から午前8時」であることが明確にされました(関連記事はこちら)。
減薬(6種類以上から2種類以上を減少させる)を行った医療機関を評価する「薬剤総合評価調整管理料」については、次のような点が明らかにされました。
▽同一医療機関で算定したから1年以内に算定する場合には、前回の算定で減少した種類数から、さらに2種類以上減少することが必要(6種類→4種類となり、その後6種類に増えても、1年内に同一医療機関で6種類→4種類となっても算定できない)
▽10種類→8種類→6種類と段階的に減らす場合、それぞれで算定可能
2016年度改定で大幅な報酬体系の見直しを行った「在宅時医学総合管理料(在総管)」「施設入居時等医学総合管理料(施設総管)」について、A(重症、月2回以上訪問)、B(重症でなく、月2回以上訪問)、C(重症でなく、月2回以上訪問)が単一建物に今日中している場合、次のように点数を算定することも明確になっています(関連記事はこちら)。
▽A患者:重症度が高く、月2回以上訪問の点数のうち、単一建物診療患者(2人以上9人以下)を算定
▽B、C患者:月2回以上訪問の点数のうち、単一建物診療患者(2人以上9人以下)を算定
また、在総管・施設総管には2016年度改定で「生活習慣病管理料」が包括されましたが、「『生活習慣病管理料』が包括されている趣旨で、生活習慣量管理料に含まれる項目は算定可能である」点も明らかにされました。
なお、2016年度改定では施設基準届け出の簡素化(夜間・早朝等加算などは届け出不要)が行われましたが、「適時調査や指導などで施設基準の遵守を確認する」ことも明確にされています。
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