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2016年度DPC改革、特定内科診療やCCPマトリックスなど新たな仕組みを導入―厚労省

2016.3.8.(火)

 2016年度の診療報酬改定では、DPCについても大きな見直しが行われます。4日の告示・通知、厚生労働省の診療報酬改定説明会の内容を踏まえて、見直しポイントを見ていきましょう。

 2016年度改定では、特定内科診療やCCPマトリックスといった新たな仕組みを導入したほか、機能評価係数IIへの項目新設、コーディング委員会の開催要件厳格化など、重要項目が目白押しです。

3月4日に開催された、「平成28年度(2016年度)診療報酬改定説明会」

3月4日に開催された、「平成28年度(2016年度)診療報酬改定説明会」

DPC対象病院は1667、対象病床数は49万5227床に

 まずDPC対象病院と対象病床数について、厚労省保険局医療課の眞鍋馨企画官は4日の説明会で「1667病院、49万5227床となる見込み」と報告しました。2003年の制度導入時点(82病院、6万6497床)に比べて大幅に増加していることが分かります。

 また医療機関群別の内訳について、I群(大学病院本院)は81病院(前年度に比べて東北薬科大学病院が増加)と確定しているものの、II群とIII群については集計中となっています。

DPC対象病院数の変遷、2016年度には全一般病床の約55%を占めるに至っている

DPC対象病院数の変遷、2016年度には全一般病床の約55%を占めるに至っている

脳梗塞、肺炎等、糖尿病に患者の重症度評価するCCPマトリック導入

 DPC病院では、診療報酬を「包括部分」+「出来高部分(手術や麻酔など)」として計算します。

 包括部分は「DPC点数表で定められた1日当たり点数(日当点)」×「医療機関別係数」×「在院日数」として算出します。

DPC病院における診療報酬の構造。入院基本料や検査、薬剤など「包括部分」と手術や麻酔などの「出来高部分」に分かれる

DPC病院における診療報酬の構造。入院基本料や検査、薬剤など「包括部分」と手術や麻酔などの「出来高部分」に分かれる

 まず、1日当たり点数に関する見直し内容を見てみましょう。

 DPCでは、疾患名や手術の有無などに応じてコードを設定し、それぞれに1日当たりの包括点数を設定しています。この構造に大きな変更はありませんが、2016年度改定では試行的に「CCPマトリックス」という考え方が導入されます。

 これは「包括報酬でも患者の重症度をきめ細かく評価すべきであるが、分岐(コード)が増えてしまうのは実務的に好ましくない」という視点に基づき導入されるもので、「患者の重症度に応じて分岐(コード)自体は増やすものの、支払額に応じて分岐をまとめる仕組み」と言えるでしょう。2016年度改定では▽脳梗塞▽肺炎等▽糖尿病―にCCPマトリックスを試行導入します。

CCPマトリックスの概要。患者の重症度を考慮するため分岐(コード)は大幅に増加するが、支払額でコードをまとめるため、最終的な支払分類はそれほど増加しない

CCPマトリックスの概要。患者の重症度を考慮するため分岐(コード)は大幅に増加するが、支払額でコードをまとめるため、最終的な支払分類はそれほど増加しない

 このため、DPCのコードは最終的に4918(現在よりも2045コード増加)に増えましたが、支払分類は2410(現在よりも101増加)に止まっています。

CCPマトリックスによって、患者の重症度を考慮するため分岐(コード)は大幅に増加するが、支払額でコードをまとめるため、最終的な支払分類はそれほど増加しない

CCPマトリックスによって、患者の重症度を考慮するため分岐(コード)は大幅に増加するが、支払額でコードをまとめるため、最終的な支払分類はそれほど増加しない

 このほか1日当たり点数については、次のような見直しが行われます。

▽D方式(高額な抗がん剤を用いた治療などで、入院初日に薬剤料などを含めた点数を設定し、入院期間の非効率な延伸を避ける仕組み。いわば隠れDRG)の対象を6項目増加する

D方式(隠れDRG)に、6項目の治療が加わった。平均在院日数の動向などに注目が集まる

D方式(隠れDRG)に、6項目の治療が加わった。平均在院日数の動向などに注目が集まる

▽入院期間III(平均在院日数超過以後の包括支払い期間)を、入院日から30の整数倍とし、併せて点数の調整(引き下げ)を行う(関連記事はこちら

入院期間IIIの見直しと同時に、包括点数も見直す(事実上の引き下げ)

入院期間IIIの見直しと同時に、包括点数も見直す(事実上の引き下げ)

▽再入院7日ルールは維持したまま、「再入院時に入院契機傷病名を分類不能コード(R00.2動悸、R06.0呼吸困難、R05咳、R63.0食欲不振など)を用いた場合は一連の入院として扱う」こととする(関連記事はこちら

II群の実績要件に内保連提唱の「特定内科診療」の治療実績を導入

 次に、医療機関別係数について見てみましょう。医療機関別係数は、(1)基礎係数(2)機能評価係数I(3)機能評価係数II(4)暫定調整係数―の合計です。

 (1)の基礎係数は医療機関群別に設定されます。ここで2016年度改定ではII群の要件が一部変更された点が、大きな見直しポイントとなります。

 II群に選定されるためには、(i)診療密度(ii)医師研修の実施(iii)高度な医療技術の実施(iv)重症患者に対する診療の実施―の4つについて、実績がI群病院の最低値よりも高いことが必要です。このうち(iii)の高度な医療技術は、現在「外保連試案」に基づく手術実績で判断されていますが、2016年度改定で「外保連試案」と「特定内科診療」に基づく判断となります。特定内科診療とは、内科系学会社会保険連合(内保連)の提唱する「重篤な急性疾患・病態で高度の熟練を要する技術がなければ適切な治療を行えない疾患・病態」のことで、▽重症脳卒中▽髄膜炎・脳炎▽重症筋無力症クリーゼ―など25疾患が該当します(関連記事はこちら)。

II群の実績要件概要。2016年度改定では高度な医療技術の実施要件について、内保連の提唱する「特定内科診療」の治療実績が加わった

II群の実績要件概要。2016年度改定では高度な医療技術の実施要件について、内保連の提唱する「特定内科診療」の治療実績が加わった

病棟群届け出の場合、7対1は機能評価係数Iでなく加算で評価

 (2)の機能評価係数Iは、「入院患者全員に算定される加算」や「入院基本料の補正値」などを係数化したものです。DPC点数は10対1をベースに設定されているので、7対1病院では出来高点数の差分を補正(上乗せ)する必要があります。また、総合入院体制加算についてはDPC点数には加味されていないので、やはりその分を上乗せする必要があるのです。

 これに関連して「病棟群単位の入院基本料」を選択した病院の取り扱いが注目されていました。「7対1の病床数に応じて機能評価係数Iを補正するのか?」といった見方もありましたが、眞鍋企画官は次の取り扱いを明確にしています。

▽病棟群届け出を行う病院は10対1の機能評価係数Iを選択する

▽7対1病棟群に入院する患者については、所定点数に特定機能260点、専門259点、一般259点、一般(月平均夜勤時間調査減算)220点、一般(夜勤時間特別入院基本料)181点をそれぞれ加算する

機能評価係数II、資源投入量を重症度と捉えた「重症度係数」を新設

 (3)の機能評価係数IIは、地域医療への貢献など、いわば「その病院の頑張り度合い」を評価するものです。ただし大規模な総合病院と中小規模の専門病院では「頑張り方」が異なるため、さまざまな角度から評価を行っています(総合病院では多くの診療科を抱えている点に着目した『カバー率』、専門病院では『効率性』といった具合)。

 2016年度改定では機能評価係数IIについて大幅な見直しを行っており、次のような点が特徴的です。

▽係数の重み付けは等分を維持したまま、分散の標準化を行う(係数の上げやすさをできるだけ均等にするため)

▽保険診療指数について、「分院よりも機能の低いI群病院」「実績に外れ値のあるI群病院」「精神病棟のない、または医療保護入院などの実績のないI群・II群病院」では0.05点減点する(関連記事はこちら

▽地域医療指数に「高度・先進的な医療提供体制に対する評価項目」を2017年度科追加する

▽後発医薬品指数における後発医薬品割合の上限を70%に引き上げる(現在は60%)

▽重症度指数を新設する

 重症度指数は、「重症患者を多く受け入れている病院」を評価するものです。2016年度改定では、資源投入量の多い患者を重症患者と捉え、「当該医療機関の包括範囲出来高点数/DPC点数表に基づく包括点数」(救急入院2日前までは除く)として計算されます。この点について眞鍋企画官は「調整係数(段階的に廃止、後述)にはアウトライヤー的な重症患者の受け入れを評価する機能もあった。調整係数を段階的に廃止していく中では、別の係数として評価する必要がある」と導入の背景にある考え方を説明しています。

調整係数の機能評価係数II、2016年度は75%置き換え

 前述した調整係数は、DPC制度発足時に設定されたもので、各病院の特性を評価するものとされていました。しかし制度発足から15年近くが経過する中で「役割を終えた」と判断され、段階的に「機能評価係数II」と「基礎係数」に置き換えられています。2016年度改定では、75%が置き換えられることになり、機能評価係数IIの重要性がこれまで以上に増すことが分かります。

 なお、この置き換えにより医療機関別係数が大きく変動することもあり、その場合、各病院の収入にも大きな影響が生じます。厚労省は激変を避けるため、これまでと同様に「推計診療報酬変動率(出来高部分も含む)が2%程度を超えて変動しないよう暫定調整係数の行う」(激変緩和措置)ことにしています。

コーディング委員会、年4回以上開催がDPC病院の要件に

 このほかにも、次のような重要な見直しポイントがあります。

▽コーディング委員会の開催回数を年4回以上に引き上げる(現在は年2回以上)

▽持参薬について「入院契機傷病名治療に使用することはできない」とのルールを維持したまま、使用可能となる特段の理由として「病院や医師の方針」は認められないことを明確にする(関連記事はこちら

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