社会参加支援加算、事業所の過去すべてのサービス利用期間の合計で実績を計算―介護報酬改定Q&A(Vol.5)
2016.3.15.(火)
2015年度の介護報酬改定で新設された「社会参加支援加算」に関して、利用者延月数は評価対象期間にサービスを利用している利用者の、当該事業所における「過去すべて」のサービス利用期間の合計利用月数を意味し、評価対象期間内の利用月に限るものではない―。
厚生労働省は11日、「介護報酬改定に関するQ&A(Vol.5)」の中で、こうした点を明確にしました。
2015年度に行われた介護報酬改定では、訪問リハビリや通所リハビリに「社会参加支援加算」が新設されました。評価対象期間の翌年度に限り、訪問リハビリでは1日につき17単位、通所リハビリでは1日につき12単位が加算されます(関連記事はこちらとこちらとこちら)。
この加算は、効果の高いリハビリを提供している事業所を評価するものです。効果の高さは「リハビリによって利用者のADL・IADLが向上し、社会参加を維持できる他のサービス(通所介護や通所リハビリなど)にどれだけ利用者が移行しているか」を判断指標としています。
具体的には、例えば訪問リハビリ事業所においては、次の基準を満たすことが必要です(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準)。
(イ)次に掲げる基準のいずれにも適合すること
(1)評価対象期間(社会参加支援加算を算定する年度の初日の属する年の前年の1月から12月までの期間)における訪問(通所)リハビリ提供終了者のうち、通所介護、通所リハビリ、認知症対応型通所介護などの社会参加に資する取組を実施した者の占める割合が100分の5を超えていること
(2)評価対象期間中に訪問リハビリの提供を終了した日から起算して14日以降44日以内に、訪問リハビリ事業所の理学療法士、作業療法士または言語聴覚士がリハビリ提供終了者の居宅を訪問すること、または介護支援専門員から居宅サービス計画に関する情報提供を受けることによって、訪問リハビリ終了者の通所介護などの実施が、居宅訪問などをした日から起算して3か月以上継続する見込みであることを確認し、記録していること
(ロ)12月を訪問リハビリテーション事業所の利用者の平均利用月数で除して得た数が100分の25以上であること
この基準のうち(ロ)の平均利用月数は、次の(A)を(B)で除して(A÷B)計算して算出します(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について)。
(A)当該事業所における評価対象期間の利用者ごとの利用者延月数の合計
(B)(当該事業所における評価対象期間の新規利用者数の合計+当該事業所における評価対象期間の新規終了者数の合計)÷2
また(A)の「利用者延月数」は、利用者が評価対象期間において当該事業所の提供する訪問リハビリテーションを利用した月数の合計をいうことも示されています。
今般のQ&A(Vol.5)では、利用者延月数の考え方について次のように明快に整理しています。
○ 評価対象期間にサービスを利用している利用者の当該事業所内における「過去すべて」のサービス利用期間の合計利用月数
× 評価対象期間内のサービス利用期間の合計月数
また利用者延月数について、次のように計算することが示されています。
▽社会参加支援加算の評価対象期間の利用者を利用者延月数の計算対象利用者として把握
▽計算対象利用者ごとに過去すべてのサービス利用期間の実績を確認し、利用延月数を確認
▽計算対象利用者の利用延月数を合計
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