DPCの各種係数を告示、II群は140病院で機能評価係数IIのトップは帯広厚生病院―2016年度診療報酬改定
2016.3.18.(金)
2016年度からDPCのII群病院を140病院とし、基礎係数は1.0646とする―。
厚生労働省が18日に告示した「厚生労働大臣が指定する病院の病棟並びに厚生労働大臣が定める病院、基礎係数及び暫定調整係数、機能評価係数I及び機能評価係数IIの一部を改正する件」で、こうした状況が明らかになりました(厚労省のサイトはこちら)。
また機能評価係数IIのトップは、I群は東海大病院、II群は帯広厚生病院、III群は日立総合病院となっています。
2016年度診療報酬改定では、DPCについても見直しが行われました。制度の改正内容や算定ルールなどは既に4日に明らかになっており、18日の告示では各種の係数や個別病院の状況が明らかにされています。
まず大学病院本院で構成されるI群については、東北医科薬科大学病院が加わり81病院となりました。
基礎係数は1.1354に設定され、従前の1.1351から0.0003ポイント上がっています。
機能評価係数II(2016年度、以下同じ)は、暫定調整係数からの置き換えが進んでいるため(50%置き換え→75%置き換え)、全体的に高くなっています。もっとも高いのは東海大学医学部付属病院(神奈川県)の0.0846、逆にもっとも低いのは東北医科薬科大学病院(宮城県)0.0392です。
I群の機能評価係数IIのトップ3は、(1)東海大学医学部付属病院(神奈川県)の0.0846(2)岩手医科大学附属病院(岩手県)の0.0808(3)和歌山県立医科大学附属病院の0.0768―となりました。
次に、I群病院並みの高度な医療を提供していると評価されるII群については、140病院が該当しています。従前は99病院だったので、41病院増加しています。この背景には、もちろん各病院の努力(平均在院日数の短縮による診療密度の向上や、重症・複雑患者の受け入れ、高難度手術の実施など)があることはもちろんですが、▽II群の実績要件(高度な医療技術の実施)として特定内科診療が加わり、内科に力を入れている病院の評価が上がった▽II群の実績要件(高度な医療技術の実施)について、6項目中5項目を満たせばよいこととなった▽実績要件の基準値(外れ値を除くI群の最低値)が下がった―ことなどもあると考えられます。
II群の基礎係数は1.0646となり、従前の1.0629から0.0017ポイント上がりました。
機能評価係数IIは、やはり全体的に高くなっており、もっとも高いのはJA北海道厚生連帯広厚生病院(北海道)の0.1009、逆にもっとも低いのは福島県立医科大学会津医療センター附属病院(福島県)の0.0491です。
II群の機能評価係数IIのトップ3は、(1)JA北海道厚生連帯広厚生病院(北海道)の0.1009(2)大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院(岡山県)の0.0932(3)高知県・高知市病院企業団立高知医療センター(高知県)の0.0890―となりました。
I群・II群以外の病院で構成されるIII群には、1446病院が該当しています。従前(1406病院)に比べて40病院増加しています。新たにDPCに参加した病院の増加が主な原因と言えます。
III群の基礎係数は1.0296で、従前の1.0276から0.002ポイント上がりました。
機能評価係数IIはやはりは従前に比べて高くなっており、もっとも高いのは日立製作所日立総合病院(茨城県)の0.1019、逆にもっとも低いのは日本海員掖済会門司掖済会病院(福岡県)の0.0240です。
III群の機能評価係数IIのトップ3は、(1)日立製作所日立総合病院(茨城県)の0.1019(2)総合病院土浦協同病院(茨城県)の0.1013(3)公益財団法人脳血管研究所附属美原記念病院(群馬県)の0.0969―となりました。
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