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GemMed塾 新制度シミュレーションリリース

医療費の地域差半減を目指し、地域医療構想などを反映した医療費推計を実施―骨太方針2016素案

2016.5.20.(金)

 医療費の地域差半減に向け、「地域医療構想に基づく病床機能の分化・連携を反映させた入院医療費の具体的な推計方法」「医療費適正化に関する分析を踏まえた入院外医療費の具体的な推計方法」を今夏頃までに示し、医師の地域・診療科偏在を是正するための「規制的手法も踏まえた対策」を年末までに検討する―。

 こういった内容を盛り込んだ、骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)2016素案が18日に開かれた経済財政諮問会議に示されました(関連記事はこちら)(経済財政諮問会議のサイトはこちら)。

 さらなる議論を行い、今月(2016年5月)末には閣議決定される見通しです。

医療・介護費の地域差縮減に向けて、「見える化」をさらに推進

 骨太方針は、経済・財政を同時に再建するための政府の基本方針です。歳出(政府の1年間の支出)の無駄をカットするとともに、効果的な配分を行うことを目指しています。

 骨太方針2016では、我が国存立の根幹を揺るがしかねない少子化に対応するための施策(子ども・子育て支援など)に重点的な財源配分を行うことを打ち出すほか、歳出改革の本丸である社会保障改革について具体的な指示を行っています。

 社会保障改革の基本的な考え方としては、「見える化」をさらに進めると同時に、ワイズ・スペンディング(歳出についてデータ分析を行った上で、「経済再生と財政健全化の双方に資するかどうか」という点からの優先順位付けをした上で支出を行う)を行うよう求めています。

 医療については、とくに「経済・財政再生計画」に示されている医療費の地域差半減目標をめざし、次のような取り組みを進めるよう指示。

▽医療費適正化基本方針に係る追加検討を進め、「地域医療構想に基づく病床機能の分化・連携の推進の成果などを反映させる入院医療費の具体的な推計方法」や、「医療費適正化の取組とその効果に関する分析を踏まえた入院外医療費の具体的な推計方法」「医療費適正化に係る具体的な取組内容」を、本年夏頃までに示す(関連記事はこちら

▽医療費適正化計画の中で、「『後発医薬品使用割合80%以上』に向けた後発品の使用促進策」「重複投薬の是正に関する目標」などを定めて、取り組みを推進する

▽今年度末までに全ての都道府県で地域医療構想の策定が完了するよう、研修会の開催など都道府県への支援を行い、地域医療介護総合確保基金のメリハリある配分等により、病床の機能分化・連携を推進する

▽医療計画・介護保険事業(支援)計画との整合性などに留意しつつ、介護療養病床などの効率的なサービス提供体制への転換について検討し、本年末までに結論を得る(関連記事はこちら

▽医療従事者の需給の見通し、地域偏在対策等について検討を進め、本年内に取りまとめを行う(関連記事はこちら

▽高齢化や診療報酬改定を除いた「その他の要因による医療費」の伸びの原因や、地域差(診療行為の地域差を含む)について、更なる分析を進める

▽医療・介護の総合的な対策を推進するために、双方のデータを連結した分析や「見える化」を推進。「見える化」の推進に向け、今後さらに増大する施策や研究利用のニーズに対応するため、拡充したNDBの活用などを進める

▽人生の最終段階における医療の在り方について実態把握を行うとともに、「患者本人による決定」を基本として人生の最終段階における医療を進めるプロセスの普及を図る

▽介護分野においても地域差の縮小をめざし、「要介護度別認定率」「1人当たり介護費」などの地域差を各保険者が自ら分析できるよう、地域包括ケア「見える化」システムの開発・活用を推進し、課題に応じた効果的な施策実施につなげる(関連記事はこちら

▽名目GDP600兆円の実現に向け、社会保障分野においても、民間の資金や知恵を活用することで健康長寿分野における多様な需要を顕在化させ、消費・投資市場を拡大させる

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