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GemMed塾 大学病院本院群を取り巻く現況を解説 ~昨今の特定病院群・標準病院群の経営努力とは~

一般病床数が前月比1135床減、2か月連続で千床台の大幅減―医療施設動態調査(2016年3月)

2016.6.2.(木)

 今年(2016年)2月末から3月末にかけて、病院の一般病床数は1135床減少し、無床の診療所(クリニック)数は45施設減少した―。

 このような状況が、厚生労働省が毎月公表している医療施設動態調査から明らかになりました。前月に続き、病院一般病床数は大幅減が続いており、背景や要因の分析が注目されます。

有床診は前月から45施設減少、来秋には7000施設を切るペース

 厚生労働省は毎月、全国の病院・診療所の増減を「医療施設動態調査」として公表しています。今年(2016年)3月末の医療施設総数は、全国で17万8418施設。前月に比べて115施設増加しました。内訳を見ると、病院は16施設の減少となりましたが、診療所は55施設の増加、歯科診療所は76施設の増加となっています。

 病院について詳しく見てみましょう。病院施設数は8453で、前月に比べて16施設減少しました。種類別に見ると、一般病院が7390施設で16施設の減少、精神科病院は1063施設で前月から増減なしです。

 一般病院の中で、療養病床を持つ病院は3837施設で、前月から6施設減少、地域医療支援病院は508施設で、前月から1施設増加となりました。

 また診療所(クリニック)について見てみると、有床診は7766施設で、前月から45施設も減少しました。過去1年間で453施設の減少、単純に12で割ると「1か月当たり38施設」が減少していることになります(ただし2016年6月分までは後に再計算されている)(関連記事はこちらこちらこちら)。

 このペースが続くと、およそ20か月後、つまり来年(2017年)10月には有床診療所数が7000施設を切ることになります。2016年度の診療報酬改定における、▽在宅復帰機能強化加算の新設(1日につき一般では5点、療養では10点)▽在宅復帰機能強化加算を届け出ている病院を7対1病院などからの在宅復帰先に追加▽夜間看護配置加算の評価充実(加算1、加算2ともに5点引き上げ)―といった有床診の経営支援内容が、どれだけの効果を出しているのか、最新のデータが待たれます(関連記事はこちらこちら)。

有床診療所の減少に歯止めがかからない点、一般病床数の大幅減少が続いている点に注目できる

有床診療所の減少に歯止めがかからない点、一般病床数の大幅減少が続いている点に注目できる

一般病床、1月→2月で1299床、2月→3月で1135床と大幅減少続く

 病床数を見てみると、2016年3月末の全病床数は166万7351床で、前月から14991床の大幅減となりました。昨年(2015年)12月末から今年(2016年)1月末にかけて726床、1月末から2月末にかけて1432床と大幅な減少が続いています(関連記事はこちらこちらこちら)。

 このうち病院の病床数は156万2050床で、前月に比べて1569床減少しています。種類別に見ると、一般病床は前月から1135床減少して89万0522床に、療養病床も254床減少して32万8703床となりました。

 最近の一般病床数の動向を見ると、▽15年12月→2016年1月:726床増▽16年1月→2月:1299床減▽16年2月→3月:1135床―となっており、大きく減少していることがわかります。

 平均在院日数の短縮や、入院医療の外来シフトが進む中で、こうした「大幅減少」傾向が今後も続くのか、長期的な傾向はどうであるのか、など注意深く見ていくことが必要でしょう。

 また有床診療所の病床数は前月から422床減少し、10万5227床となりました。こちらも、来春(2017年春)に10万床を切ることが予想されます。

今年(2016年)にはいってから、病院病床数の減少に拍車がかかっていることがわかる

今年(2016年)にはいってから、病院病床数の減少に拍車がかかっていることがわかる

療養病床数は、増減を繰り返しなら、長期的には減少傾向にあると考えられる

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